愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

読書・書評

ピラネージ・中華街・ハルキさん

2月の読書記録。2月は長いフライトに乗る機会があったり、仕事の忙しさが少し緩んだりしたので、多少本を読む時間が取れた。Piranesiは、迷宮のような、広大で当てのない、一部廃墟になり波が押し寄せ、鳥が住み着き、各部屋に彫刻がある不思議な建物に住む…

1月読書記録

今年は英語でも日本語でもいいから、1か月に本を最低2冊は読みたいなと思っているので、いつまで続くかわからないけれど、その記録。1月はあまりに忙しすぎて本を手に取る暇というか余裕がなかったが、家にある古い本を再々*n 読した。村上春樹のエッセイ…

【本棚総ざらい6】嘘つきアーニャの真っ赤な真実

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)作者:米原 万里KADOKAWAAmazonもうこの本を読むのは何周目だろう。米原真里さんの作品に惹かれるのは、やはり1960年代、プラハのソビエト学校で学ぶという、当時の日本人にはなかなかできないユニークな経験をしたこ…

【本棚総ざらい5】やがて哀しき

久しぶりに村上春樹のエッセイを読んだ、村上春樹の小説は読むと腹が立つばかりで全く共感できないのだが、エッセイはなぜか好きで学生の頃からよく読んでいた。当時アメリカの東海岸の大学に行っていたので、特に村上さんがプリンストンやボストンにいたと…

【本棚総ざらい 4】コンスタンチノープルの陥落

コンスタンティノープルの陥落(新潮文庫)作者:塩野 七生新潮社Amazon家の本棚にある本を読みなおすシリーズ。もう10年(以上?)手に取っていなかった塩野七生の本。東ローマ、ビザンチン帝国の首都コンスタンチノープルが、トルコの若きスルタンメフメト…

ロシヤのヌコチャンの本

SNSで紹介されていていいなと思ったものは、ブックマークして、時間がかかっても読んだり試したりしてみている。この本もツイッターでおススメされたもの。表紙が可愛いので、勝手にネコチャンの本と読んでいるがゴリゴリのロシア文学である。読んだのは英語…

【本棚総ざらい3】サッカー選手が書いた子供の本

家にある活字を読み尽くしたい衝動はちょこちょこ続いています。これは子供がどこかから無料でもらってきた本。The Breakfast Club Adventures: The Beast Beyond the Fence (The Breakfast Club Adventures, 1)作者:Rashford, MarcusMacmillan Children's B…

【本棚総ざらい2】マンボウ家族航海記

北杜夫の小説はひとつも読んだことは無いが、どくとるマンボウのエッセイは小中学生のころ地元の図書館で借りて読んでいた。どくとるマンボウの功績は、やはりなにより「躁うつ」という病気について世の中に広く知らしめたことだろう。どくとるマンボウのお…

【本棚総ざらい1】Woman in Black

図書館や本屋にある本を全部読みたい、料理本に載っているレシピを全部試したい、と絶対実現不可能な衝動に駆られることが多々あるのだが、今は家にある活字という活字を全部読み尽くしたいという衝動に駆られている。それくらいなら時間をかければできるか…

歯科矯正心の準備

先日歯科矯正を始めた子供であるが、さすがに最初の数日は痛がったので、痛み止めを飲んでしのいだりしていた。思えば同じ年頃で私も矯正したけれど、薬も飲まず、だまーって耐えてたなあ。歯磨きなどメンテナンス方法も、先生が専用の歯磨きセットをくれて…

不実な美女か 貞淑な醜女か 通訳悲喜こもごも

ひとり米原万里まつり。ロシア語通訳第一人者だった米原万里さんの、通訳という仕事に関する流儀、通訳珍プレー好プレー、言葉を伝えること、というコミュニケーションや言語そのものについての話などをまとめた文章を何年かぶりに再読した。不実な美女か貞…

物語を通じて理解する世界情勢

最近本棚にあった米原万里さんの著作を読み返し始めた。ひとり米原万里まつりといったところです。数多くあるエッセイの他に、チェコのソビエト学校時代の彼女や周囲の人をモデルにして書かれたこの小説も久しぶりに再読。オリガ・モリソヴナの反語法 (集英…

小さいさん、英語でアジアの歴史にふれる、その1

イギリスに来てイギリス史にすっかり詳しくなってしまった小さいさん。学校では当然ながら英国史をがっつり勉強中です。歴代のイギリス王の名前も全部言えちゃうほどはまっておりますが、イギリスの中高のカリキュラムを見てみると、日本史をはじめとするア…

子供にばなな、英語のばなな

4-5年生になった頃から大人の本もボチボチ読むようになった小さいさん。ただ好きなジャンルが推理小説とちょっと偏り気味なので、折を見て他の世界も見て欲しいなぁとは思っている。いや、好きなものをどんどん掘り進めてくれるのは全く構わないんですが。…

2021ロックダウン日記第5週

2月に突入。先月の目標は「仕事でストレスをためない」。で結構ゆるっと仕事できた。じゃあ今月は「仕事に(全)集中」と決めていたら、いきなり会社でトラブル案件発生。4日間、毎日10時間以上デスクに座り続ける日々となってしまった。毎日根を詰めながら…

小澤さんと春樹さん

ロックダウン中は閉まっていた地元の図書館も最近再オープンして、また本が借りられるようになりました。といっても事前にカタログを見て予約をして、取りに行くというシステムになったので、気軽にうろうろ本棚を見ることはできなくなってしまったのですが…

子供の沼

親が不時着の沼にはまっている間、10歳児がはまっていたのがアガサ・クリスティの沼。小学生になって最初は「ギリシャ神話」にはまり、次に「ハリーポッター」にはまり、さらにギリシャ神話の神様と人間のハーフの子供達が活躍する話「パーシー・ジャクソン…

コロナ自粛期間中、はまるまいはまるまいと思ってずっと避けていたのに、やはりはまってしまった、そう不時着の沼。www.youtube.com見ていてムキャーっとなるシチュエーションからヒョンビンの格好良さから、もう語られつくされていると思うのでもうここには…

こいぬの月世界探検

最近一番わくわくした買い物、それは古本。しかもフランス語。読めない本だけど、買ってわくわく。子供の頃、家に講談社が出した子供むけの文学全集があったのですが、その中で、一番好きで何度も何度も読んでいたのが、この本(の日本語版)でした。こいぬ…

This is London

「イギリス」「ロンドン」と聞いてまずぱっと思い浮かぶ典型的なイメージというと、「ビッグベン」「タワーブリッジ」「ロイヤルファミリー」「バッキンガム宮殿と衛兵」「赤いダブルデッカーバス」「ハロッズ」などなど。そしてそういうところで金髪碧眼の…

007のようにはいかない、スパイ救出大作戦とミートボールの謎

1919年、内戦まっただ中のロシア。ボルシェビキの勢力がどんどん強くなるロシアに、たった一人潜入していたイギリス人スパイは、なんとピアニスト。しかし反革命派を取り締まる、チェカと呼ばれる警察の追及は日に厳しくなり、潜伏はどんどん難しいものに。…

【子供の本棚】女装する王子様の話

8歳児の小さいさんはグラフィックノベルを随分愛読している。何というか、日本のコミックともちょっと違う感じの海外の漫画本。その中でもこの本はお気に入りらしく、アメリカから持ってきて何度も何度も読んでいる。The Prince and the Dressmaker作者:Wan…

2019積読解消:シャーロックホームズ

シャーロック・ホームズ大全作者: 鮎川信夫,コナン・ドイル出版社/メーカー: 講談社発売日: 1986/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (11件) を見るせっかくロンドンにいるからと、年末年始にかけてシャーロックホームズの話を…

アトーチャ駅を出て

Leaving the Atocha Station作者: Dr Ben Lerner出版社/メーカー: Granta Books発売日: 2013/03/07メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見るマドリードに行く前に、せめてマドリードが舞台の本を一冊でも読んでおこうと思い、図書館で借りた小説…

3人の男と犬が船に乗って珍道中

去年の9月、テムズ川のボートレースの話を書いたところ、セネシオさん(id:cenecio)から、"Three Men in a Boat (To Say Nothing of the Dog)" を思い出す、とコメントをいただきました。そのことについて、ちゃんとフォローアップを書いてなかった!のでこ…

生まれたことが犯罪?!

2019年は読まないで家に溜まっているいわゆる積ん読状態の本をなるべく解消するのと、友達からおすすめされた本を積極的に読もうと思っている。人のおすすめって、自分があまり手に取らなそうな本を読んで知らなかった世界を知るきっかけにもなるし、ニュー…

本当のダウントンアビーの話

以前はまりまくってものすごい勢いで見てしまったダウントン・アビー。このドラマが撮影されたのはハイクレア・キャッスルと言う実在のお城。カーナーヴォン伯爵と言う本当の貴族がそこで暮らし、まさしくダウントン・アビーの時代、ダウントン・アビーらし…

本を捨てる。町中にある可愛い無料ライブラリー

ロンドンに引っ越すことになった陳家。この1ヶ月は引越しネタでわたわたしそうです。ロンドンに引越しなんて素敵!とよく言われるし、実際色々楽しみなことも多い。が、今現在のところは楽しみなフェーズはとっくに過ぎて、、向き合わなければいけない様々な…

岸恵子、お巴里と離婚の本

アメリカの図書館にある日本語の本を適当に掴んで読むシリーズ。 アメリカの図書館にある日本語の本は、地元の日本人が寄付したものが置いてあることも多いので、海外生活や国際結婚についての本が結構な割合である。前回紹介した本も多分そんな感じで長い間…

国際離婚の本

地元の図書館にある日本語の本を適当に掴んで読むシリーズ。「国際離婚終着駅、もう一つのクレイマー・クレイマー」と言う何だかものすごいタイトルの本があった。ずいぶん古びていて、出版は1982年となっていた。国際結婚終着駅―もうひとつのクレイマークレ…