愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

子連れベネチア旅② ベネチアで、マスクデコレーション

夜遅くリド島に到着した陳家、早速翌朝フェリーに乗ってベネチア島へ。

ベネチア島は車が走っていない。自転車さえも走っていない。移動は徒歩または船。写真に写り込んでいるような水上バスに乗ってあちこち移動する。

もう乗っている先から、周囲は全部こんな建物。まるで何かのテーマパークやショッピングモールで見たことがあるような気がしてしまうが、これは正真正銘の本物なのである。ディズニーシーもラスベガスも、みんながこの景色をパクっているだけなのである。

そして行っても行ってもこんな景色が続く。何だかシュールすぎて、笑ってしまう。何だこの美しい街は。

それこそ古い絵画でも見たことがあるような景色。もう何百年にも渡って、ベネチアは世界有数の一大観光地なのであった。

過去2回のイタリア訪問はどちらも私のイタリア人友人の結婚式参列という、ものすごく美味しいシチュエーションでの訪問だったが、今回はイタリアを初めて素で観光する。世界特に触れ合わない街歩きである。それも何となく物足りないなぁと思い、せめて何か体験系を・・と見つけたのが、ベネチアン・マスクの絵付け体験。

子供がはまったティア・スティルトンの物語も、舞台は仮面舞踏会。ヤィヤィヤィヤィヤィヤィディヤ!(古)

街の至る所にベネチアンマスクのお店があり、そうでなくてもクラフト好きな子供はその装飾の美しさに釘付けになっていた。小さなお土産屋に置いてあるマスクも見逃さず、いつまでもいつまでも眺めている。なのでこの絵付けには子供、狂喜乱舞。

ベネチアンマスクのお店、ちゃんと自分の所で手作りしているようなところもあれば、どこかから仕入れているようなところもある。安いものは中国製だったりもするそうなので注意だとか。

ちゃんと工房があり、お店で実際にマスクを作っているようなところでは、絵付け体験させてくれるところがいくつかある。ただ日曜日はやっていない所が結構あるのでそれも注意。

今回はサン・トマ広場に近いこちらのお店でやらせてもらった。大人数でなければ特に予約は必要なく、お店に行って絵付けしたいんですけどというと案内してくれる。

www.labauta.com

お店のインスタから。こんな感じでマスクがどわーっと陳列されているが全部手作り。

マスクって、一応一定の形や「かぶりもの」という決まった目的はあるけれど、あとは自由にデコレートできる所が面白い。まあ普段こんなマスクを使う機会などまずないけれど、うわーあれもこれも・・と実際見とれてしまう。

お店のお姉さんが案内してくれ、エプロンを借りて、この中から好きなのを選ぶ。

あとはアクリル絵の具で好きなように色をつけていく。売り物のマスクをお手本に持ってきてくれるのだが、お手本のように綺麗に線を出すの難しい!これ多分、筆以外の違うツールを使っているんだろうけど、ここでは絵の具のみだった。

お皿でもなんでも、色をつけたり絵をつけるのが結構苦手な私であるが、小さいさんは子供の感性でじゃんじゃん塗っていく。

黒いのが私の。本当はもっと細い装飾の線をつけてみたかったけれど、細い筆に絵の具を乗せて線を引いてもぶっとくなってしまったり綺麗に線が出ず難しかった。

またお祭りなどで子供用のクラフトテーブルがあると、子供そっちのけで自分が楽しんでしまうパパも、これ持って帰るのか!というような仮面を選んで色ぬり。

お店のお姉さんは、英語であんまりうまく説明できなくて〜、と色々笑ってごまかしながらも、張子を作るための型なども見せてくれた。どの国でも言葉が微妙にわからないと、笑ってごまかすんだな〜とちょっとおかしかった。いや、本当はここに訪れている私たちがイタリア語を頑張って使うべきなんですが。

狭い路地裏にあるお店だが、私たちが絵付けしているのがショーウィンドウから見えるので、道行く人々が立ち止まって私たちの作業を見物していく。じーっと見られるのはちょっと恥ずかしい(笑)

できた仮面はニスを塗って乾かして、リボンをつけてくれる。翌日取りに行ったが、こんなんできました〜

ちょ、怖!

パパはこれをハロウィンでかぶるのだと張り切っているが、子供が泣くと思う。

仮面舞踏会だけでなく、例えば政治の場での決議の時など、アイデンティティを隠すことが必要な色々な場面で着用されたというマスク。

有名なのは、ベネチアにペストが流行った時にお医者さんがかぶったこういうカラスの仮面。

空気感染を避けようと、こういう長いくちばしのマスクをつけて、先っちょにハーブを詰めたりしたそう。そして長い黒いゾロっとしたマントを着用したそうだけれど、やはり不気味・・・

不気味ではあるけれど、なぜか同時に惹かれてしまうのが不思議。ベネチアではこういった仮面をつけた演劇を教える学校や劇場もある。

お店のお姉さんとはちょこちょこっと話すぐらいであまり現地の話は聞けなかったけど、旅先でもこうやってちょっと手先を動かして何かできる経験はとても良かった。

子供などははまりすぎて、将来の夢を建築家から仮面屋さんに変更。ロンドンに戻ってからも、ベネチアンマスクの作り方をせっせとYouTubeで検索し、ビジネスモデルまで考え始めるまでに至っている。