愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

子連れベネチア旅③ ベネチアでいろんな船にぐらっぐら揺られる

水上バスヴァポレット

水の都ベネチア、町中どこにいくにも交通手段は船しかないこの島。ここで生まれ育ったけど船酔いしやすい、なんていう人がいたらずいぶん辛そうだ。

リド島からベネチア島に向かうのも、ベネチア島内を移動するのも、水上バス「ヴァポレット」に乗る。

(駅の名前からして昔ここに武器工場があったかな)

街のあちこちにある「駅」は、待合所も水の上に設置されていて、地元の年寄りやスーツケースを引きずった観光客と一緒に、なんとなくゆーらゆーら揺られながら待つ。

運河を走る小ぶりの水上バスは、この待合所に容赦なくガン!ゴン!とぶつかりながら横付けしてくる。

観光客も利用するが、地元の人の足でもあるこのヴァポレット。

カリフォルニアに住んでいた時は、サンフランシスコまでフェリー通勤していたが、ベイブリッジの下をくぐり、サンフランシスコのスカイラインを海から見るのは格別だった。

観光客が乗る様なフェリーではなかったけれど、乗っていると必ず誰かが景色を写真に収めていたりしたものだ。でも毎日乗っているとそんな景色が当たり前になって、時には外など見ずに携帯の画面ばかり見たりしていたものだが、ふと顔をあげるとああやっぱり綺麗だな、これが当たり前ってなんて贅沢・・なんて思っていた。

サンフランシスコでこれならば、ベネチアでヴァポレット通勤なんかしていたらこれいかに。

ベネチアのこの景色が当たり前にある日常ってどんなだろう。でもやっぱり景色より携帯に釘付けな通勤客も、ずいぶんと。離島に向かう海の上でも、かなりちゃんと電波、入ります(笑)

ヴァポレットのアナウンスはイタリア語と英語。しかし流れる英語の自動音声は思い切りイタリア訛りで「ネクストゥ〜ストップゥ〜、サンマルコ」これでいいのだ!

朝晩はずいぶん混むので甲板に立ったまま、満員電車ならぬ満員船に揺られていく。

混雑した甲板にはストローラーに子供を乗せた家族連れ。赤ちゃんに携帯でビデオを見せて機嫌をとっている。ウキャウキャ嬉しそうな赤ちゃん。そこに仕事帰りっぽい中年のスーツのおじさんが向こうからやってきて、赤ちゃんを見ながら両親に何かニコニコ話しかける。

知り合いというわけでもないみたい、いい子にしてるね可愛いね、何見てるの今何歳、みたいな小話をして先に降りていった。

多少ではあるけれど待合所もゆらゆら揺れるし、船もゆらゆら揺れる。そうでなくても島の移動は徒歩、運河にかかる橋は階段状。

そんな中、一度乗ったヴァポレットは8割方年寄りばかりで、この街の高齢化もたいがいなのか、と一瞬思ったが、皆市民病院駅で降りていった。そう、病院通いも船。ベネチアの年寄りは三半規管と足腰が強くないと、なかなか大変そうではある。

【お得情報】

ヴァポレットのチケットは7.5ユーロ(75分間有効)。リド島への移動など1日に何度も使ったので、3日パスを購入。これだとひとり30ユーロとお得。Unica passと呼ばれるもので、色々な交通機関のチケットや、博物館のチケットを割引価格で組み合わせ、事前に買っておけるのでオススメ。

オンラインで買うとバーコード付きのメールが送られてくるので、それをプリントアウトして、発券機にかざすと3日間使える乗車券が発行される仕組み

www.veneziaunica.it

働く船

そしてここでは救急車も船。

なんなら消防も警察も全部船。

そして運送配達も全部船。

食品輸送専門の冷蔵車ならぬ冷蔵船も見かけた。荷物の積み下ろしも配達も、全て人力。

そういえばアマゾンの箱が転がっているのを一度だけ見たけれど、ここではアマゾンプライム使えるかな?

重機も船の上。狭い運河の場合、船の上からそのまま重機を動かして作業する。

車のガレージはないけれど、船のガレージはあちこちに。建物の入り口に、水路から直接入れるような玄関も。水上バス水上タクシーもあるけれど、自家用ボートを持っている人も多いのだろうな。

下が切れちゃっているけれど、写真の下のほうは水路です

そしてゴンドラ

そしてベネチアといえば、ゴンドラ。

ディズニーシーでも乗れるし、オークランドのレイク・メリットにでさえあるが、これが本物。偽物ばかり見ていると、本物を見た時にちょっとベタな感じがしてしまう。なんて弊害だ。

ゴンドラを操るおじちゃんたちは、ちょっと大きめの橋のたもとにウロウロしていて、「ゴンドラ?ゴンドラ?」と客引きする。

歴史的なものだし大事な観光資源ではあるが、乗るのは最低でも80ユーロ位するらしい。ただ何人乗っても料金は同じなので、そこらへんの観光客と申し合わせてシェアすれば安くなる。

陳家はそれもケチって、トラゲットに乗った。

ご覧の通りベネチアは水路が入り組んで縦横無尽に走っている。そして真ん中にウネっと流れている一番大きい運河が、カナル・グランデ

でもなぜかこの運河、大きな橋が3つしかない。

いちいち橋まで歩くのも難儀なので、代わりにそこらへんから出てるのが、トラゲット。いわばベニスの渡し。

地元の人は70セント、観光客は2ユーロで、向こう岸まで渡してくれる。子供に「ゴンドラに乗るよ!!」と騙して(いや、嘘は言っていない)乗り込んだ。

大きめのゴンドラは漕ぎ手が前後1人ずつ。最初は私たち家族だけだったが、出発しようとしたところでお〜い待ってと後から後からドリフのように人がやってきた。混んでいる時はみんな立つ。本当は立ち乗りしてみたかったが、そこまでは混雑していなかった。

それでもこれだけ乗ったので、ゴンドラは左右にぐらんぐらん。みんなワーキャー大喜び。

誤って水に落ちたりする人はいないんだろうか。

ベネチアの水は決して美しい色はしていない。ベネチアっぽいテーマパークの水路の色とほぼ同じ。実は再現率高かったのだなと変なところに感心した。

って実はベネチアの下水、一部はまだ海に流していたりもするらしいので、やっぱり水には落ちないほうが良さそう。