愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

にわか王室マニアの覚書き

イギリスはロイヤルウェディングで盛り上がっていたようです。既にロンドンにいる大きいちゃん特派員からもこんな写真が送られてきました

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公園に集まってみんなで中継を見たり、ご近所さんが集まり、道を封鎖してお祝いするブロックパーティーもあったようです。

一方私は、ロンドンのアパートの家具をどうしようかとIKEAのサイトをのぞいてみたら、ウェブサイトがこんなことになっていた・・・(笑)

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私も朝起きてから、小さいちゃんと一緒にウェディングの様子をネットで見ましたが、ちょっと前にドラマThe Crownにはまり、王室関係の資料をあさりまくってにわか王室マニアみたいになってしまった身としては、ああ、イギリス王室もずいぶん変わったなぁ、と変な感慨を覚えてしまいました(って一体何様w)

だって、3世代前は、アメリカ人の離婚経験者と結婚したいがために、王様が退位しちゃったりしてたんですよ!それを考えると、次男っていうこともあるでしょうが、ガチガチの王室も時代とともにずいぶん変化したものだ・・・!そういえば、エリザベス女王の妹、マーガレット王女も婚姻関係では色々あった人で、慣習を打ち破るのはやっぱり次男次女?

marichan.hatenablog.com

ということで、今回はだいぶ前に書いたこのエントリーの続きで、The Crownを見たために王室の歴史にはまり、ドキュメンタリーや資料を見漁った結果、へー面白い!と思った色々な話の覚書集です。

Duke and Duchess of Windsor, Cascais.jpg
By Unknown - [1], Public Domain, Link

  • アメリカ人で2度の離婚歴がある女性、シンプソン夫人と結婚したいがために、王位を退いたこちらがエドワード8世。「王冠を賭けた恋」などと言われて世紀のロマンスみたいな描かれ方もしておりますが、退位したとばっちりを受けたのが弟だったエリザベス女王のパパ。それこそ次男で、王様になる予定はあんまりなかったのにいきなりジョージ6世になっちゃった。

http://static.tvtropes.org/pmwiki/pub/images/thekingsspeech.jpg
(コリンファースかっこいい)

  • 吃音に悩んでいたりと、あまり公的な場に出るのが得意ではなかったのを、無理をして頑張って王様をやっていた姿は、映画「King's Speech」でも有名になりました。エリザベス女王も、もともと女王になる予定はなかったのに、ある意味王冠が次男一家に降って湧いてしまい、その重圧や生活が一変したことに対しては、特にエリザベス女王のママがずっと恨みに思っていたみたい。

King George VI of England, formal photo portrait, circa 1940-1946.jpg

(こっちがご本人、ドラマThe Crownでは顔がボコボコの役者さんでなんぞ?と思った)

  • 実際ジョージ6世はストレスもあってタバコをバスバス吸いまくっており、肺がんになり、片肺の摘出手術を受け、結構若くに亡くなっています。
  • 一方シンプソン夫人と結婚したエドワード8世だけれど、王冠を捨ててまでのロマンチックな恋・・というと聞こえは良いけれど、実際のところは王様として得られる注目や贅沢は好きだけれど、王様としての使命を果たすのはあまり好きではなかったらしい。
  • もともとプレイボーイで人妻とばかり付き合ったりしていたらしい。独身時代のエリザベス女王のパパジョージ6世も人妻と付き合っており、兄弟揃って不倫カップルとして4人仲良くつるんでいた時代もあったらしい。へぇぇぇ・・
  • そんなエドワード8世、すっぱり退位して結婚もして、王冠に未練もないのかと思いきや、戦争中にはナチスに近づき、ナチスに協力してもらってイギリスを戦争で打ち負かし、ドイツが占領したイギリスで再度王座に返り咲こうとしていたことが、後に明らかになったそうで、なんともまあ(その外交文書が明らかになったドキュメンタリーも見た)・・。
  • しかしそこまでしてまでシンプソン夫人にこだわった理由。それは王様がMだったから・・というのもあるらしい。シンプソン夫人に犬のように扱われて喜んでいたのだとか(どっひゃー)。当時の王室、両親から引き離されて育っていたりするので、色々愛情面で歪みもあったようです、一方エリザベス女王のパパは、ちゃんと真面目な結婚をして、そこのところは大丈夫だった模様。
  • エリザベス女王のお母さんであるエリザベス皇太后がかなりのしっかり者で、彼女がいたからこそ、吃音やら色々問題があったエドワード8世は王様をやっていられたよう。大家族で育った皇太后の実家で撮影された当時の古いフィルムをいくつか見たけれど、まあみんなひょうきん者でわーきゃー楽しそうにしているものばかり。こういう家庭の暖かさを、奥さんの実家に遊びに行くたびにエドワード8世は初めて経験したとか。

https://resources.stuff.co.nz/content/dam/images/1/n/9/0/m/z/image.related.StuffLandscapeSixteenByNine.620x349.1nap2i.png/1512944802791.jpg

  • ドラマThe Crownのシーズン1、2で好きだったキャラクターは、エリザベス女王の妹マーガレット王女。真面目で本当は女王よりも、農村の主婦になっていたかったようなタイプのお姉さんと違って、社交的で派手な性格。長女次女にありがちなコントラスト。でもやはり早くに父親を亡くしたり、仲良く育ってきた姉が急に女王という立場になってしまったりで、心はきっと不安定。そして侍従武官だったタウンゼント大佐(16歳年上)と恋に落ちるが、大佐に離婚歴があったので、特に政府や教会の反対にあい、数年後に破局。その間にも大佐はベルギーに左遷させられて2年間会えなかったり、結婚を諦めたタウンゼント大佐が以外とあっさり、年下でマーガレット王女に似ている人と結婚しちゃったりと、見ていて色々かなり気の毒でした。
  • ここでもやっぱり、相手の離婚歴というのが大きく引っかかったようで、これもまた、マーガレット王女が今回のロイヤルウェディングのことを知ったらどう思ったか。エリザベス女王も、姉として結婚を応援したい立場と、イギリス国教会の長としての女王の立場とで板挟みになって大変だったみたいで、この日にどういう思いがあったのかなぁ、などとも考えたり。
  • そのあとは自暴自棄になってみたりワイルドなパーティーアニマルになってみたりなマーガレット王女。ファッションやメイクも地味なお姉さんと比べて、かなりその時代のおしゃれ最先端な感じで、ドラマはそこを見るのも楽しかった。
  • その後はボヘミアンな写真家と結婚するもうまくいかず、かなりハチャメチャに色々な人と関係を持ったりしたのちに離婚。ミックジャガーとも噂があったこともあるらしい。離婚も、70何年ぶりのロイヤルファミリーの離婚だったそうで、かなりスキャンダルになったそう・・・。そこらへんの話は、来年のシーズン3を待たないといけないけれど、やっぱり色々気の毒・・!


・・とまあ、ダイアナさんとチャールズさん以前から、実はかなりワチャワチャと色々あったイギリス王室。そんな中、真面目に見えるのはエリザベス女王だけだったりして、しかし王室を維持するために生真面目に心血を注いできたのでありましょう。

一般大衆的には、やんちゃなメンバーについ気が行ってしまいがちではありますが・・。少し前のテレビ番組で、イギリスの道行く人々や芸能人に好きなイギリス王室の人物は?と聞かれて、ハリーと答えている人がかなり多かったのも印象的でした。せめてケイトさんやダイアナさん、エリザベス女王もあったけど、チャールズやウィリアムっていう人は誰もおらずw 

しかし今回の結婚式の盛り上がりよう、そしてThe Crownの時代だったら絶対ありえないようなバックグラウンドを持つミーガンさんがロイヤルファミリーの一員となったことはただただ喜ばしい!

もともと今のイギリス王室自体、生粋のイギリス人の家系かといえば全然そんなことはないわけで(その話はまた今度)、生き残りのためにありとあらゆる努力やウルトラCをやり続けて今があるわけで、今回のことでまたしばらくはイギリス王室は安泰ですね〜。

それにしても!いつか似たような感じで皇室の赤裸々なドラマが作られる日が来るんでしょうか。あと30年後とかかなぁ。見てみたい・・・。

参考資料はWikipedia, The Crownの他ここら辺

www.netflix.com
https://www.netflix.com/title/80131167www.netflix.com
https://www.netflix.com/title/80064378www.netflix.com