愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

国葬前の色々

本日国葬。学校も会社も全部休みになり、スーパーなどのお店も全部閉まってしまい、まるでお正月のような静けさ。国葬中は飛行機も飛ばなくなるようで、多分朝最後のギリギリの時間のフライトの音がする。国葬前の色々覚え書き。

  • 女王が亡くなった翌日、子供の学校は、女王が亡くなったことや葬儀のことなど全く触れることなく淡々といつも通りだったそう。保護者にも、国葬の日程が正式決定した後、学校がお休みです、というお知らせがあったのみ。一方、以前通っていた小学校では小学校のSNSアカウントでもお悔やみ表明してた。
  • まあ当然喪に服すかどうかは個人の勝手ではあるが、週末に開催が予定されていたイベントなどは、キャンセルもあった。子供の修学旅行も延期されてしまった!街にでると、お悔やみのサインや女王の写真はぽちぽち飾ってあるが、レストランやパブは普通に盛況。国葬前の昨日などは近所のパブはお客さんでパンパンだった。今日休みだから余計みんな張り切って飲んでたような気がする。
  • とはいえ度が過ぎる自粛もあったみたいで、あるスーパーマーケットチェーンでは、レジからピッ、ピッという高い音を出すのを自粛したのだとか。それ意味わからないし。イギリス人でもそういうことあるんだなぁとw
  • 女王の棺が安置されているウェストミンスターホールは24時間オープンでここ数日ずっと一般の参拝客(?)を受け付けていた。その行列は5キロ近くになり、待ち時間は長い時で24時間以上。イギリスのデジタル庁的なところがYouTubeに今の行列の状況、最後尾や待ち時間などをYouTubeのストリーミングの形でずっとアップしてくれていた。またホールの中の様子もずっと24時間ストリーミングされていたので、どちらもつい見てしまった。ふと朝目が覚めて早朝5時とかにアクセスしてみても、徹夜で並んだ人達が普通に棺の横を通っている映像が見えてなかなかシュールでもあった。

  • 棺の前では女性は膝を曲げて挨拶する人もいたけれど、結構普通に皆さん立ち止ってお辞儀をしているのが興味深かった。そうか西洋人(笑)も普通に会釈的なお辞儀できるんだ、とちょっと不思議な感じもした。
  • その他にはベッカムが一般の人に混じって10時間以上並んで女王に別れを告げたのがエライとか、棺の前に立って護衛をしている衛兵が貧血でばったり倒れるシーンとか、やはりこれだけ人が来ると棺に駆け寄って何かしようとした狼藉者もいて、そういう人が捕まえられて退場させられているところなど、色々なハプニングもあり。
  • オンラインも色々と喪に服すモードで、使っているスーパーマーケットのポイントアプリにさえ、お悔やみのメッセージが表示されていた。

  • 当然ながら人によって温度差があるのは当たり前で、周辺のイギリス人は王室のことはまあほとんど気にしていない。女王死去の公式発表の前、Twitterで一度逝去のフェイクニュースが流れたのだけれど、それがガセネタだとわかった時など、英人同僚はちぇっ、せっかく休みになると思ったのに!とそっちを悔しがっていた。そしてそれを見た欧人同僚が、えっ、そんなもんなの?と驚いていた(苦笑)結局宮殿にお花を持って行ったり見に行ったりしたのも社内では(我が家を含め)非英人ばかり。まあ私達の場合は物見遊山的な感覚が大きかったけれど・・。
  • まあこれは地元の人が東京タワーに行かないのと似た心情(?)もあるかもしれない、外から来た人はやはりイギリスというエクスペリエンスの一つとして王室を見るけれど、好きでもそうじゃなくても生まれたときから自分の国の歴史の流れの一つとして背景にそういう存在がある、というのでは捉え方も違いそう。皇室もまあそういうものだし。あとは地域差もありそう。このために地方からロンドンに駆け付けた人の熱量はロンドンに住んでる人のとはずいぶん違う。一方でスコットランド北アイルランドウェールズだとイギリスといっても一枚岩ではないし、植民地出身の人はまた複雑なようだし。イギリスという国を見れば当然っちゃ当然だけれど、まだまだ新参者としては、そういうリマインダーとしてこの事象を見るのも非常に興味深い。
  • 本日はしばらくテレビで中継を見ることになりそう。スーパーが閉まるので前日は大盛況で商品棚が随分空になっていた。ポップコーンを食べながら見るのはやはりちょっと趣味が悪いよな、と思いつつ、我が家もスナックなどを買い込んだ。