愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

おフランスドラマの沼

最近色々な沼にはまっては抜けるを繰り返しているような気がしますが、韓流の沼に続いてハマったのが、おフランスドラマの沼。

コロナ渦の気晴らしと実用を兼ねて、今年のはじめからフランス語の勉強を始めたこともあり、耳慣らしにと思ってNetflixで見始めたのがこちら

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英語のタイトルは「Call my agent」、フランス語のタイトルは「Dix per cent」、そして日本語のタイトルは「エージェント物語」。フランスの芸能エージェンシーが舞台のドラマです。

英語のタイトルはいかにも高飛車な女優が、監督と揉めて「誰か!私のエージェントを呼んでちょうだい!」って言ってる感じ。フランス語のオリジナルタイトルは、芸能エージェンシーが受け取るコミッションがギャラの10% (Dix per cent = 10%)ってところから来ているらしい。そして日本語のタイトルは・・・そのまんまですね(笑)

舞台となるのは、パリにあるASKという名前の芸能エージェンシー。

普段はスポットライトを浴びることのない、芸能エージェントとそのアシスタント達、日本の芸能界で言ったら多分「マネージャーさん」達が主人公なのですが、このドラマを特に面白くしているのは、この芸能エージェンシー所属という設定で、毎回いろんなフランスの有名な俳優さん達が本人役で出演していること。

といっても、現在シーズン3まであるこのドラマ、随分色んな俳優さん達が登場しているけれど、フランスの芸能界のことをほとんど知らないので、見てもほぼ知らない人達ばっかりだったのですが・・(苦笑)

それでも、ある映画監督に恨みを買われているイザベル・アジャーニー、カンヌ映画祭の司会になり、ドレスやスピーチでてんやわんやになるジュリエット・ビノシュ、ごく普通の男性とデートしたいとお忍びでハウスパーティーに行くモニカ・ベルーチ・・と私でも知っている大物女優も出演していました。

その他にも、年齢がひっかかってタランティーノの映画から降ろされちゃったセシル・ドゥ・フランス、とにかく仕事を詰め込み過ぎて、契約不履行を起こしそうになるイザベル・ユペールなどなど、結構皆さん自己パロディを演じているようなので、フランス映画やドラマを知っている人はもっともっと楽しめるんじゃないかと思います。

エージェントの皆さんも、そんな大物俳優とガンガンに渡り合う、かなりクセのあるキャラクターぞろい。俳優達を時になだめすかし、時にコントロールし、時に監督や配給先を口八丁で丸め込んでは仕事を取り、スケジュール調整に走り回り・・、そして社内不倫あり、ライバル同士のドロドロあり、結構みんな嘘つくし、男女関係なくみんなすぐ誰かと寝るし、怒鳴るわわめくわ、結構なかなか感情的というか情熱的というか、仕事に対しても人生に対しても熱量がすごい。

やってることはえげつないことも多いんですが、ドラマシリーズというのはやはりそれぞれのキャラクターの色々な面を見ることができるので、この芸能エージェンシーの仲間達にどんどん親近感を覚え、その世界にはまっていく・・というのは、どの国のドラマであってもおこる沼現象のようです。

シーズン4ももうすぐ始まるみたい。シーズン4のゲスト俳優のリストを見ても知らん人がほとんどだったけれど、ジャン・レノも出るようです。

このドラマ、日本でもリメイクしたら面白そう・・。既にトルコ版があるのは確認済み。イギリス、イタリア、中国版なども作る話があるらしい。どれも見てみたいー!

www.france.tv


おまけ:

外国のドラマの楽しいところは、そこからその国の人々の普段の生活の様子や雰囲気も伝わること。住環境やインテリア、食べているものやファッション、そしてそのドラマの主題ではないけれど、ふとしたところから見えてくる社会のことなど。このドラマで気になったことなどの覚え書き。

  • みんな煙草吸い過ぎ!酷いのは屋上で煙草スパスパすって、吸い終わったら火も消さずに下に投げ落としてたw それも一度だけでなく、何回も!そりゃノートルダムも、燃えるわな(苦笑)。
  • 日本や韓ドラと比べるとラブシーンはガチなのに自然。あと同性愛などのセクシャリティについても、特にそれを取り上げることで社会的なんとかを投げかける感じもなく、そのキャラクターの設定として普通に出てくる。
  • 数週間コトを致していないと、もうそれはオオゴト、数か月数年のブランクはショッキングなレベルの模様。学生時代1ヶ月だけフランスに逗留したことがあるのだが、友達にクラブに連れて行ってもらった時「男が寄ってきても、その気がない場合は決して目を合わせてはいけない、目を合わせたらもうそれは合意したことになってしまうから絶対気を付けるように」とまるでサファリで野生動物に遭遇した時のような注意を受けたことがあったのを思い出した・・。
  • フランス語の耳慣らしにと見始めたけれど、まあ皆さんものすごい早口で、単語1-2個聞き取れたら嬉しいレベル。これがわかるようになる日は本当に来るのだろうかwしかしオフィスでの怒鳴りあいの声のトーンや、炸裂するPワードの響きなどは、確かにパリ近郊に逗留中お世話になったフランス人の子を思い出させるものがあった。


ボリスヴィアンなどとも親交があったそうな。

俳優などのクライアントとレストランで会食シーンはあるが、たいてい席についてお酒を飲み始めるところで何か起こるので食事まで到達しないw