愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

Love Actually

2025年に最初に観た映画は、イギリスのクリスマス映画。もう20年前(!)の作品。飛行機の中で観た。

ちょうどクリスマスの頃に、仲間たちと「クリスマス映画といえば?」という話題になり、ダイ・ハードホーム・アローンに並んでこの映画の名前も挙げられていたところだった。昔は何度も観たこの映画、思えばイギリスに来てから一度も観ていなかった。

クリスマスシーズンのロンドンを舞台に、さまざまな人々の人間模様を描く映画。それぞれのエピソードは独立しているけれど、登場人物同士が知り合いだったり、同僚だったり、きょうだいだったりして、物語とは関係なくゆるくつながっているのも面白い。今やベテランになっている出演者も、こんなに若くて初々しかったんだなぁー。リリースされた当時、ワシントンDCでロンドンから来た友人と一緒に観たことも思い出した。

当時は友人が「自分の勤務先のビルが映ってる!」と興奮していたが、今観ると「ここはあの場所だな」と、自分が普段歩いている場所が映るのが不思議な感覚だ。なんならロケ地のひとつは我が家の近く。十年どころか二十年一昔。まさか自分がロンドンにいるなんて、当時は想像もしていなかった。

さてこの映画、「クリスマスだから自分の本当の気持ちを伝えよう」というのがテーマのひとつになっている。普段なかなか気持ちをストレートに表現できないイギリス人の奥ゆかしさは現代でもまだまだ健在。そして、あれ、クリスマスってそういう告白する日だったっけ?なんてとふと思ったり。

それにしても、20年経ってもかわいらしい映画。子どもにも観せたいけれど、若いマーティン・フリーマンの出演シーンのおかげでまだ保留中。映画のスタンドインの仕事をしている彼とその相手が、素っ裸でセックスシーンのリハーサルであんな動きやこんな動きをしながら、天気の話をしたり真面目な政治の話をするという。会話はまるで初めてのデートのように初々しくてかわいいのに(苦笑)まさしくブリティッシュユーモア。

20年経っても、ネット上では「この映画でエマ・トンプソンを泣かせたアラン・リックマンをまだ許せない!」という記事が出るほど(夫婦役で出演し、映画の中で夫役のアラン・リックマンが浮気をしてしまう)、それぞれのキャラクターがすべて愛おしく感じる。いつ見てもやっぱり好きな映画。