愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロンドン秋のイベント3つ。

サマータイムも終わり、日が暮れるのがとんと早くなりました。ベイエリアにいた頃では考えられない寒さ、雨も多いロンドンではありますが、暑いよりは寒いほうが意外と平気、雨の中外に出かけるのも楽しければ、家にこもっていてもあまり罪悪感もないので、意外と平気に暮らしております。

さて秋の祭りといえば山崎秋のパン祭りですが(中川家ネタ)、ロンドンでも色々と年末に向けて様々な行事が加速してやってきました。

ロンドンのハロウィン

ハロウィンの季節になるとどの家もデコレーションを施し、当日には本格的なお化け屋敷まで登場、毎年用意した数百個のお菓子があっという間に無くなる・・とアメリカにいた頃は壮大に祝っていたハロウィン。

そういえば、ハロウィンってもともとケルトのお祭りで、アイルランドスコットランドが起源と言われているらしいけれど、イギリスでは(アメリカに比べると)そこまで浸透していない感じです。

それでも店先には小さなパッケージになったお菓子が売られたり、オレンジカボチャが売られたりはしていましたが、ハロウィン直前になってもどの家の前にもハロウィンのデコレーションは無し。時々カボチャのシールをぺろっと窓に貼っている家がある位。ハロウィン祝ったりするの?と同僚に聞いても、まあ若い人は仮装して夜クラブに行ったりはするかもね~程度でした。

それでも我が家のほうは子供も多い住宅地なので、さすがに当日はトリックオアトリートをやる子供たちがちらほら。小さいさん、今年は「スターウォーズ反乱者たち」のサビーヌ・レンになってクラスの友達と近所を回りました。

お菓子を用意している家は、玄関のところにカボチャを目印に置いてくれています。あるのは1ブロックに2-3軒程度。暗い中友達と歩き回ってハイになった子供達が、かぼちゃのある家を見つけては、まるで警察のガサ入れのようなノックをしてお菓子を要求するのでハラハラ(苦笑)

親としては、ドアをがちゃっと開けたときにそのお宅の中がちょっとチラ見できるのが楽しみでした(人の家の間取りやインテリアを覗くの大好きw)

近所の商店街でも色々用意してくれていて、ピザ屋のおやじさんはコスチュームの子供達を見るとわざわざ出てきて大人にもお菓子をくれました。

しかし夜も7時頃になると外には誰もいなくなり、静寂に。あまりの静かさに、何かこれから悪いことが起きるホラー映画の始まりのようでもあった・・・。

毎年食べないお菓子を100個単位で集めてきたハロウィン、今年の収穫はこの位。親としてはちょうどいい感じ。甘いものに執着が無い小さいさん、毎年大量にお菓子をもらってきては翌日にはその存在を忘れるのが常でしたが、今年もチョコレート以外はほとんど手を付けず。まだちょっと家に残っています。

以前と比べると、ロンドンのハロウィン、だいぶ賑やかになってきたらしいですが、異様に祝うアメリカと比べるととてもおとなしい印象でした。もう翌日のスーパーでは、売れ残って処理に困ったカボチャ、無料ご奉仕品になってました。

ガイ・フォークス・ナイト

これはイギリスならではのお祭り。11月5日前後に、いたるところで花火がバンバンあがります。

これはもともと、1605年、カトリック教徒だったガイフォークスとその仲間たちが、当時の王様を暗殺しようと、議会の爆破テロを企てたものの、直前で見つかり逮捕され、最後には処刑されたという事件にまつわるお祭り。

11月5日は議会が開かれる日で、開会の辞を述べるために王様が議会にやってきたところでドカーンとやったれ、という計画だったらしい。しかし当日になって地下室に隠してあった火薬もろとも全部見つかり捕まったそうで、このお祭りはもともと王様の無事を祝うために始まったんだとか。

最初は火を炊いたり、そこにガイフォークスを模した人形を投げれたりしていたらしいですが、それって元祖バーニングマンじゃないですか。

そしてガイフォークスを模したお面もあるそうで・・と見ればそれはアノニマスが被っている例の仮面でした。なんだ、どっちもオリジナルじゃなかったのか。

今ではただひたすら花火をあげるお祭りみたいになっていて、スーパーでも打ち上げ花火から線香花火的なものまで色々売っていました。基本的に個人が花火をやるのは違法なカリフォルニアから来たので、スーパーのレジで花火も買わない?と勧められたパパは一瞬固まったそうです・・w

今年のガイフォークスナイトは月曜日でしたが、ハロウィンが終わった翌日金曜日から至るところで花火が打ち上げられていました。

川沿いの公園で打ち上げられた花火。基本、街の公園では花火と一緒に夜店みたいなものや移動遊園地も出て、日本だったら夏祭り的な感じになります。寒い秋祭りだけど。我が家は川の向こう側から観賞。花火はやっぱり日本だよなぁと思いつつも、テムズ川で練習するボートチームが横切ったり、カヤックから観賞する人がいたりとまた違った風情でした。寒かったけど。

と思うと夜中の11時過ぎとかに、いきなり近所でバンバン花火があがったりもします。これ、誰かの家の裏庭だと思うんだけど・・・。でもこれが一番よく見えた花火だったかも。

週末には地元の教会でも。やはりカトリック教徒の魔の手(?!)からイギリス国教会の長でもある王様を守った、っていうんで教会ベースでもお祝いするんでしょうかね。ミサが終わってから、ここでは焚火&花火のコンビネーションでした。教会といっても花火とともにケイティ・ペリーの花火の曲かけたりしてましたが。

しかし気分があがったのは焚火のほう。人間、火をみると何か原始的なものが呼び覚まされてしまうんでしょうかね。何かちょっとヒャッハーーという気持ちに。しかし教会でこんな火が炊かれると、やはりリンチ感が半端ない・・・(苦笑)人はこういった火を見てテンションあがって暴徒化したりするんだろうか。

教会ではホットドッグやホットワインがふるまわれ、大きな花火の後は、持参した花火でみんなそれぞれ楽しみました。

まあ歴史的な背景はイギリス人でもちょっと忘れて、なにか花火のお祭り、みたいになっている部分もあるらしいです。それに焚火に人形を投げ入れるなんて、やっぱり野蛮じゃないか・・と会社のイギリス人が妙に憤慨していたのが意外でした(なかなかイギリス人の生の声を聞く機会がないですが、最近はイギリスの職場で同僚から色々見解を仕入れられるようになりました。サンプル数少ないですがw)

リメンバランス・デー

アメリカにも退役軍人に感謝するベテランズ・デーがありましたが、イギリスの戦没者記念日は11月11日。これ、何の日だと思います?ポッキーの日じゃないぞ!

そう、終戦記念日

って、8月じゃなくて?と思うかもしれませんが、この終戦記念日は、第一次世界大戦のもの。

この時期になると、街角に寄付をつのるテーブルがあちこちに並び、寄付をすると赤いポピー(けしの花)を模したバッジがもらえます。タクシーや電車の前にも、大きなポピーの花がついていたりと、ポピーは戦没者追悼のシンボル的な花。

年齢関係なく、コートやバックパックにこのポピーのバッジをつけて歩いている人がたくさん。我が家も一つもらいました。

そして今年は第一次大戦終結して100年とのことで、色々行事がありました。朝6時にバグパイプ100台で演奏・・というのもあり、見に行こうかと思ったのですが起きられず・・・。

しかし第一次大戦って日本だったら大正時代の話。第一次大戦にまつわる行事って、そういえば日本でもアメリカでも経験したことはありませんでした。でもなんだかここでは、第一次大戦の記憶がまだ近い、新しい感じがします。

街を歩いていても、あちらこちらに戦争に関係ある銘板や碑を見かけることも多い。どちらかというと第二次大戦のものですが、駅の構内なんかでも、ドイツの空襲で命を落とした従業員の名前が刻まれた板がしれっと壁に貼ってあるので、ドキッとしたりもします。

思えば本土で戦争をしたことがないアメリカ(南北戦争とかは別だけど)とも違い、空襲だなんだと国民全員が何かしら戦争の影響を受けたわけで、そういった点では戦争の記憶や戦争に対する近さや思いはまたちょっと違うだろうな。どちらかというと日本も近いものはあると思うんですが、どちらの戦争も勝った側のイギリスとはまた事情が色々変わってくる部分もあるかな。