愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

許可証・ロックダウン・選挙

<許可証ようやく発行>

イギリス生活も3年目に突入。引越しの際に発行されたアメリカの再入国許可証の期限も今年半ばで切れるので、今年は再申請しなければならなかった。アメリカの永住権を持ったまま国外に長期間滞在するのはほんっとに面倒である。

申請書類は海外から送ることはできない。物理的にアメリカにいる間に、これから国外でますがよろしくね、という形で送る必要があるので、この申請書類をFedexで移民局に送るためだけに、今年のあたまに私だけアメリカに戻った。

ちょうどクルーズ客船でのコロナ感染が話題になっていたころで、アメリカでは感染はまだまだ水際で食い止められているのでは、と考えられていた頃のこと。一人でアメリカ行きの飛行機に乗るのなんて、15年ぶりだったかもしれない。ビビりながらのフライトだったが、乗客は既に少なく、しかしマスクしている人もまだ少なかった・・。

移民関係の申請となると意味もなく襲ってくる不安感、なんだかわけのわからないコロナウィルスへの恐怖、そんな中でのフライト・・この手続きのことを考えると猛烈なストレスが襲ってきて、かなりキツかったが、久しぶりに色んな友達に会い、懐かしいカリフォルニアの空気を堪能しつつ、今ここに自分達の住む家は無いことに切なさを感じながらも、1週間の一人時間を楽しんだ。

あんな時期に泊めていただいたお友達2家族には感謝しかございません。ベイエリアのお友達にとっても、あれがロックダウン前にみんなで会った最後のイベントだったとか。

カリフォルニアはその翌週以降イギリスからの入国も禁止になり、ロックダウンも始まったので、あの時期に行けたのは絶妙のタイミングであった。

本来は次のステップとして指紋や顔写真など、バイオメトリクス情報を取りにまた出向かないといけないことになっていたのだけれど、ロックダウンの影響で運良くそれも免除され(前回取った情報が再利用された)、ようやく発行された許可証を先日ロンドンのアメリカ大使館に取りに行った。

本来であれば、許可証が届くと、その番号が大使館のホームページに掲載されて、それを見て予約を取る連絡をしないといけないのだけれど、ホームページは夏からアップデート無し。メールで問い合わせたら、あ、届いてますよ、取りに来て、いつがいい?とかなりユルユルの対応。

ちょっとミーハー気分もあり選挙当日か翌日あたりはどうかな、などとも思ったが、結果によってはもしかしたら大使館周辺もワチャワチャするかもしれないと思い、選挙前日に赴いた。

その後ロンドンもまたロックダウンになったので、これまたこの日に行って正解だったかも。

この時期でもアメリカに渡航するためのビザを申請する人達でそれなりに混んでおり、椅子に座って待っていると、他の人がブースで自分の細かい事情を係官に説明しているのが丸聞こえ。かなり複雑な事情の人もいて、耳がダンボになってしまったが、こんなに聞こえて、いいんかーい!という感じであった。

それに比べると私などは人畜無害すぎるので、あ、許可証ね、はいよっ、あ、とりあえずマスク外して顔みせて、はいオッケー、という感じで終わった。

<ロックダウン再び>

そうこうしているうちに、イギリスではまたロックダウンが始まった。数週間前から、家族以外の人と屋内で会うのは禁止などの通達は出ており、子供の同級生の誕生日会などが中止になったりはしていたけれど、またエッセンシャルではないお店は閉まり、レストランやカフェもテイクアウトのみの営業に。

前回とは違い、学校はまだ開いているので、子供はまだ学校に通っているが、スポーツ系の習い事は休みになった。

しかし前回は完全に営業をストップしていたカフェやレストランも今回は開けているところが多いし、花屋や植木屋なども開いていたりしているので、街を歩いていてもあまりロックダウンという感じがしない。今年は去年の今頃に比べても雨は多いがあまり寒くない印象もあり、公園などは結構な数の人が歩いていたりもする。

感染数はまた増えているようで、実際9月以降、自分の周りでも感染したという人はチラホラいたりする。しかし一方我が家は私も夫も在宅仕事が続き、ロックダウンになっても今までと大して生活は変わらないので、あまり変化は感じていないのが正直なところ。

子供の学校も今のところは、時々〇〇ちゃんが2週間学校休んでる・・なんて話を聞くこともあるが、感染者が出たら自宅待機の連絡が来るはずなので、今のところは無事。それより私は仕事が忙しすぎて気が付くと2-3日外に出られないような日々が続いたりしているので、運動不足のほうが心配になってきている。

<大統領選挙>

私が一生懸命応援するとなんでも負けるというジンクスがあり(何年か前ドイツが優勝したワールドカップなどは、ほとんどの試合を見たが私が応援したチームが100%の確率で負けた)、前回の選挙もディベートからニュースから一生懸命追っていたらあんな結果になってしまったトラウマがあるため、ほぼ何も見ずに過ごした今回の大統領選挙。ようやくもうニュースを見始めても大丈夫だよね?と結果が出たのはご存知の通り数日後であった。

まだまだ無事な政権移行までは安心できないし、別にバイデンが大統領になったからもろ手をあげて全て良し、という状況になるわけではないのだが、もうこの4年間腹の中につかえていた重苦しいものが、軽くなっていくのを本当に感じた。そしてカマラハリス(いわば地元の人!)の演説を10歳の娘としっかりと見届けた。

他の国では女性の政治リーダーなんてもうとうの昔から出ているのに、アメリカではなぜ・・という感じもするかもしれないが、アメリカはなんだかんだいって「進んでいる」というより全てがワイルドウェストでなんでもありで、新旧色んな方向、色んな形、色んな考えがそれぞれ持つエネルギーが良くも悪くもものすごく、またカオスでもあるので(土地の大きさだけで考えてもEU全体ぐらいの大きさがある訳だし)、その中で国民の総意をとったり何かを変えようとすると、必要な時間とエネルギーも他より半端なく必要になる。アメリカを出て数年、今の生活と比べてみても、とにかく自分の強い意志やDYI精神や元気がないとやっていけない国なんだよなあとつくづく思う。

一方のイギリス、私の周囲の人にとってはやはりエンタメ要素のほうが多いようで、バイデン勝って良かったとは思うものの、我が家が感じたような深い安堵感とはまた違った感情のようだった。

Brexit支持派のイギリス人親父上司は、半ば冗談ながらトランプのことを「I'll miss him、笑いのネタがなくなる」などと言ってまた周囲を凍らせていたが、実際のところイギリスの都合の良いようにBrexitを進めるにあたっては、バイデンではちょっと困るようでもある。今まで英米関係についてあまり考えてこなかったが、やはりバイデンが大統領になった後のイギリスはどうなる・・と少し心配するような論調の話題が新聞にも良く出ている。そのことに関してはもう知らんがな、ボリスがあかんのやろ、とやっぱりイギリスのことは自分のこととしてまだ考えらない程度の在英歴を誇る我が家なのでありました・・・。

こちらはあつ森の夢番地にあったバイデン・ハリス選挙事務所の島