愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ブダペスト紀行5:ブダペストで、巻いていこう!

ブダペストで、以前からやってみたいなと思っていたことを実現することができた。それは「シュトルーデルを生地から作ってみる」ということ!

シュトルーデル。うすーい生地で具を包んで焼いた、パリパリのお菓子である。パイと呼んでよいのかわからないが、パイっぽいものともいえる。

ちなみにこれは昔ウィーンで食べたシュトルーデル。

この生地を作るの、テーブルにうすーい生地を伸ばして伸ばして伸ばして作るのだが、冷凍生地ではない、ちゃんとしたやつを一度自分で作ってみたかったのだった。

今回は子供と私だけで、お料理教室に参加。その間にパパはソーセージを食べに行った(笑)

アパートの一室を改造してスタジオにしたお料理教室にお邪魔した。アメリカから来たかしましいジジババグループと私達親子という組み合わせでスタート。

自家製シロップをお水や炭酸水で割って飲むのが、とても美味しい。

さすがハンガリーには、シュトルーデル専用の粉も売っているそう。グルテンの量などが違うそうだが、イギリスやアメリカなどでは2種類の粉を混ぜて作ることになる。

ここで重要なのは、粉の温度。粉は冷蔵庫や室温で保存することが多いと思うが、そのまま使うのではなく、ラジエーターの上に粉を置くなどして、多少温めておくと良いらしい。

薄い生地なので、おもったほど粉の分量は必要なかった。

これをひたすら捏ねて、生地にする。そして上に油を塗る。

しばらく休ませておくと、でろーっとした感じの柔らかい生地になる。こうやって見ると、餅っぽいな。

この生地を、最初は綿棒で少し伸ばし、それから下から手を入れて、指の腹でさわーっ、さわーっという感じでゆっくり優しく伸ばしていく。これを四方八方から皆でやる。

ゆっくりゆっくり伸ばしていくと、テーブルクロスを覆った食卓いっぱいに生地が広がっていく。下が透けて見えるくらいに薄く伸ばしていくのがすごく楽しい!多少破れるところもあるが、ちょっとつまんで修復したり、しなくても大丈夫だったり。

ここに、生地を休ませている間に用意しておいたフィリングを載せていく。シュトルーデルって、デザートだけでなく、塩味系のものを中にいれることもあるそう。

今回は半分は粗くすりおろしたリンゴ、半分はポピーシードと、スクワッシュをおろしたもののを載せていった。

さてここからの作業がまた楽しい。フィリングを載せた生地を、ぐるぐると巻いていく。なぜテーブルクロスの上でやるのか、これであきらかになる。

動画をインスタにあげたので、こっちのほうがわかりやすい

これは一人では絶対できない作業。ハンガリーでは結婚式の時など、村の人たちがわいわいとこうやってシュトルーデルを作ったりするのだそうだ。

そして御覧の通り、一緒に参加したアメリカのジジババグループがなかなか賑やかだったので、みんなでワイワイできたのも楽しい経験だった。「巻きたばこを巻く感じで巻いていこう!」と一人が言えば、「タバコなんか巻かないわよ」っってグランピーな感じでもう一人が突っ込む・・(笑)

イギリスに来て特に思うのだが、アメリカ人の集団ってなんかハスキー犬っぽい。悪気は全くなく声がでかい、動物のお医者さんの「俺はやるぜ!俺はやるぜ!」的なあっけらカーンとした元気さがあり、フレンドリーではあるが誰も最後まで人の話を聞いていない(笑)なんか小学校低学年の集団と大してかわらないかもしれない(笑笑)なので今回の教室でも、インストラクションを全部把握している人が一人もいないのがすごいおかしかった。

一方子供は、老人があーでもないこーでもないとこんなにワイワイ騒ぐところを見たことがなかったようで、結構驚いた感じで瞳孔が開いていた(苦笑)

無事巻き終わったのがこちら。

これを皿を使って天板の大きさに切っていく。

これをオーブンに入れてしばらく焼く。

待っている間に、ちょっとスナックタイム。ハンガリーは、パプリカ、いわゆるピーマンっぽい感じの野菜を料理に多用する。ここでも、パンにパプリカやサラミを載せ、パプリカのペーストを載せていただいた。

こういうの。結構辛いのもある。こういうのが、レストランに行くと、日本だったら醤油さしがテーブルにあるような感覚で置いてあったりする。他の国のチリソースと比べると、塩気から来る辛さかなという感じもするが、ハンガリーって辛いもの食べるんだなぁというのはちょっと意外で面白くもあった。

ちなみに、お土産屋で売っているチューブに入ったようなチリペーストは、添加物がたっぷりなのであまりお勧めしないそう。

さて、焼きあがったよー!

パリパリであり、しっとりな部分もある焼き立てのシュトルーデル!!

粉砂糖で仕上げ。ワインと共にいただいた。

意外に、どんな味かわからなかったポピーシードのフィリングが気に入った。焼きあがると、多分スクワッシュの水分と相まって、食感がちょっとスポンジっぽくなる。リンゴはもしかしたら切ってソテーしたほうが好みかもしれない。おろしたあと絞って水分はとったけれど、やはりちょっと水っぽさは残ったかな。

食べきれなかったぶんはタッパーに詰めてもらって、また宿で家族全員で堪能した。

このシュトルーデル、家でもまだ記憶に新しいうちに再現したい!と思ってはいるものの、テーブルクロスを用意しないといけないのと、生地をいじる都合上室温をあげる必要があり、あまり寒い季節には作りづらいっぽいので(スタジオは暖房がんがんかかっていた!)この時期にはちょっとやりにくい。でもみんなでワイワイやってみたいなぁ。成功するかは、知らんけど。