聖イシュトバーン大聖堂。近くで見るのも美しいが、こうやって建物の間からひょっこり見えるような構図に道を作っているのがさらに美しい。
欧州は街を歩いていると、向こうのほうにこうやって教会や塔が見えることが多く、それこそ昔の風景画にもつながる感じがあり、不思議なタイムスリップをした気分になるのが好きだ。
ブダペストで一番高い建物だそう。道理で近くでは全景が撮れない。
ウィーンに行ったときも思ったのだが、ハプスブルグさんの趣味はとても良い。これだけ黄金を使っておきながら、全然ギラギラしておらず、落ち着いた上品な内装になっている。ブルボンさん家とも、バチカンの法王さんのところともえらい違いである。
ただこの教会、施工中にドームがどーーんと崩落する大事故があり、すんごいやり直しをしたとかで、考えたらこういう巨大建築が無事に建っているって、すごいことだよな・・と思わず天井を見上げてしまった。
カトリックの教会はそうでなくても、血みどろジーザス、人間よお前はちっぽけな存在だ神を畏れよ崇めよ的な圧をすごく感じてしまって、もぞもぞしてしまい長居できないことが多いのだけれども、ここは椅子に座ってゆっくりほぉーっと時間を過ごすことができた。
後ろに日本人男子が二人座っていて、吸い込まれそうだと天井を見ながら話し合っていた。最初日本語と認識しないで耳が音を拾ったので、初めて日本語が異国の言葉として聞こえるというすごく不思議な体験もした。
イシュトバーンって誰ね、と思えばハンガリーの最初の王様だったそう。ハンガリーの歴史、あまりよく知らない。清少納言や紫式部と同じ時代の人だそう。
そしてこの箱の中には彼の片手が入っております。よーく見るとミイラ化した黒っぽい手がグーをしているのがわかるだろうか。こぶし握って1,000年、などと勝手に心の中で思ってしまった。
お供えのろうそくは、よくろうそく部分を見るとろうそくじゃなくてプラスチックだった!と変なところで感心してしまった。