愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ブダペスト紀行14:ブダペストのオペラハウス、とても良い

ブダペストにいるなら議事堂とオペラハウスは見ないとでしょう、とクルーズ船に乗ってやってきたアメリカ人ジジババに激しくおすすめされたので、予定外にオペラハウスにも寄ることにした。

ここ何年か改装で閉鎖されていたらしいが、綺麗になって再オープンしたオペラハウス

ここでもおかっぱのオッサンが入り口に狛犬のように座っていらっしゃる

一方なじみのないこのしょぼくれた表情をしたおじさん・・最近膝が痛くて・・

ハンガリーオペラの父、そして国家の作曲家でもあるフェレンツ・エルケルさんでした

おお、この人のほうが私はなじみがあるぞ!フルートの曲ばっかり書いてくれているフランツドップラーさんじゃないですか!「ハンガリー田園幻想曲」は私がフルートで最初に吹いた、教本の一番最後に出てくる「ちょっと難しめ」の曲だったなあ。アメリカ国家をモチーフにしたフルート二重奏曲も友達と演奏した思い出。

オペラハウスの内部を案内してくれるツアーに参加してみた。チケットはその場で購入可。英語の他にスペイン語ツアーも同時開催していた。

そしてまあ、御覧の通りハプスブルグさんの趣味の良さ満開の内装である。

ウィーンのオペラ座より綺麗!というのがハンガリーの人の誇りらしい、しかし一応オーストリア・ハンガリー帝国の面子のために、ウィーンよりはサイズは小さめになっているそう。

マーさんこんにちは(関西弁で)

内装に使われた素材のこと、王妃エリザベートが使ったと言われる特別な入り口、昔は逢引きに使われたこともある喫煙エリアなど、ガイドのお姉さんが色々説明してくれる。

そういえばエリザベートはウィーンが嫌すぎて放浪の旅を続け、でもハンガリーは大好きだったのでブダペストが故郷のようになっていた話を読んだが、今回あまり王宮的なところを見学しなかったせいだろうか、ブダペストエリザベートの存在を感じることはあんまりなかった。逆に彼女が忌み嫌っていたウィーンではおみやげ物からグッズからどこもかしこもエリザベートだらけで、なんとも皮肉やなあと思ったものだけれども。

喫煙はこちらでお願いします。昔は煙モクモクで薄暗かったので逢引きに恰好な場所だったとか

そして圧巻の劇場内

夢のような空間ですわね

内装には純金が使われているそうだが、うすーい金箔を貼ってあるので、実際には大した量の金は使われていないんだとか。シャンデリアの電球、どう変えるの?と思ったら、ういーーーーんとゆっくりゆっくり時間をかけて天井から降りてくる仕組みになっているそう。

舞台ではスタッフぅ~さんがセットの建て込み中。ガイドさんによると多分リハをしたのだろうとのことだったが、色々演目があってどれのリハだったかわからないと。多分これはワーグナーかね?って話になった。

しかしやはり目を奪われたのはオケピ・・・どんな金襴豪華な劇場でも、観客席よりこの舞台下の暗いところで演奏する側であるほうがどんなに良いか。

置いてある楽譜、目を凝らしてみたけど何かわからなかった。床はちょっと汚かったが、椅子の位置はちゃんとばみってあった。

このオペラハウスツアーのとてもおすすめしたいポイントは、ツアーの後にオペラ歌手のミニコンサートがあるというところ。舞台ではなく、入り口近くの階段の踊り場を舞台に、観客は階段に座る形でオペラ歌手の歌唱を楽しむことができる。

今回はヴェルディ作曲のリゴレットで、ちゃんと舞台衣装を着けたソプラノとテノール歌手二人が、ちょっとしたセットも使って数曲歌ってくれた。

1.5メートルぐらいの近さで聴くオペラ。っていうかお互いこんなに顔を近づけて大声量で歌を歌ったりするの、すごいな。耳が痛くなったり、うわっこいつ昼に餃子食ってきたな!とかなったりしないだろうか。

そんなことを考えながら至近距離で見ることもできるので、とっても良かった。リスト音楽院もしかり、概してブダペストの音楽関係の場所は、施設を見るだけでなくちゃんと音楽の経験をさせてくれるのがすごく良いし、値段もお手頃なのでとても良いと思う。