愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ブダペスト紀行1:天井3メートル

10月の秋休みは、これまた賞味4日ほどブダペストに行った。思えば初の東欧への旅。飛行機で2時間半ほどで着いてしまう。

ハンガリーというと、オーストリアハンガリー帝国、フランツリストにハンガリー舞曲・・・歴史と文化にあふれる国というイメージしか自分にはないのだが、意外と若いイギリス人の間では、さっと飛んでパーティーをする場所、という位置づけもあるらしい。

なにしろ物価がイギリスと比べてずいぶん安いので(ビールはイギリスの3分の1ぐらいだったか)週末に行ってわーわー騒いだり、スタッグパーティーといって結婚前の独身最後のバカ騒ぎをしに行く人たちも。

行きの飛行機では不幸にも、座席がそんなバカ騒ぎをしに行く若者グループの前になってしまった。20代前半の男性グループがフライト中歌うわ騒ぐわ下品なことを叫びまくるわで耳はわんわん、頭は痛くなるしたまらん・・と思っていたら、そのうちの一人が何故だか座席の間から私達のことを指でつんつんし始めるまでになったので、とうとう触んなテメエとブチ切れた。

CAさんにも言いつけてきつく注意してもらい、すみませんこいつバカでーとヘラヘラ笑う仲間を無視して、keep your hands to yourself と幼稚園生がよく先生に言われるセリフを相手の目の奥までじっと見据えて言っておいた。さすがに怒られたのでこちらにはちょっかいを出さなくなったけれど、着陸準備中も何度も立ち上がろうとしてCAさんにマイクを使って座れ!と注意されるなど落ち着きのないグループであった。

そんなこんなで入国前から嫌なスタートとなってしまったが、いずれそういう若者は酒飲んで騒いで現地の人とトラブルになってボコボコに殴られているといいな❤

ブダペストの空港からは、街の中心に行くバスが出ているので、それに乗ってしまえば簡単である。支払いも乗るときにコンタクトレスでピッで終わり、40分ぐらいで着く。途中にアメリカ資本のチェーン店ばかりが入ったショッピングモールなどを通り過ぎる。街はやはりウィーンの雰囲気を少し思い出すが、それよりちょっと古いというかボロッとした感がある印象だった。

結構夜遅くに着いたが、結構人出があり、パン屋さんなんかも夜なのに開いている。普通のパン屋さんでもおいしそうなケーキが並んでいてうわーいとなる。

宿はまたAirBnBでとった。何しろ物価が安いので、かなり安い値段で借りたアパートが滅茶苦茶広かったのでびっくりした。

いかにも大陸風の、こういう大きな建物がだーっと並ぶ通り

おそらく観光客向けに貸し出している部屋が多いのだろう、このあたりのアパートの巨大なドアの横には、こうやってレンタル向けに鍵を入れてあるロックボックスがいくつも設置されていた。ここから我が家の鍵もゲット。

外からは見えないが、中に入ると中庭的なものがあり、それをぐるっと囲んでアパートがある。

多分だけど、1920年代とかそれくらいの建物なんじゃないかと勝手に思う

廊下などは暗くてちょっと怖い。この緑の扉がアパートの入り口になっている・・のだけれど、我が家の宿にはこのドアが二つあり、一つはキッチンにつながっていて、あかずの扉になっていた。

後から現地の人と話をしてああなるほど、と思ったのだけれど、そこは昔は「召使い用の別の出入口」だった模様。なるほど、召使い・・・

入り口から入ると、右手に小さなトイレ、左手にキッチン、まっすぐ行くとダイニング、ダイニングの横にメインのバスルーム、ダイニングの奥にリビングがあり、リビングの隣にベッドルームがある。そして写真にとるとわかりにくいのだが、天井が異様に高い。優に3メートルはある。お屋敷だ!

これは一体なんだろうと思ったら、昔使われていた暖房器具のよう。

そういえばこのアパート、もう一つベッドルームがあるはずなのだが・・と思ったら、玄関入ってすぐにあるキッチンの奥にあった。窓は玄関のある回廊に面していて、天井は高いがベッドが入ったらもう終わり、ぐらいの牢獄チックな狭さである。日中でも日当たりの悪かったこの部屋、おそらくここは召使いが寝泊まりした場所だったのかもしれない。

本当は子供がこの部屋で寝るはずだったが、アパートが広いうえに私達のベッドルームから遠く、キッチンを隔てて隔離されているような感じも怖くて結局使わず、ソファベッドで寝ることとなった(苦笑)

朝、窓から見える風景。ああこれこそヨーロッパ、という感じである。下はそれなりの通りになっていて、レストランやお店が並んでいる。このアパートは4階だか最上階だったのだが、結構大きな車が通るたびに床が揺れていた。ブダペストの地盤、大丈夫か。それくらい古い所だった。