愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

初夏の夜のお笑い

子供が修学旅行で家をあけた某日、夫と久しぶりに夜の街に繰り出し、コメディクラブに行った。最後にスタンドアップコメディを見たのはたぶん子供が生まれる前、しかもデーブ・シャペルがサンフランシスコに来た時ではなかったか。

アメリカでは、有名なコメディアンがやってくるようなお笑い専用の「コメディクラブ」に足を運ぶことが多かったが、ロンドンで初めて行った場所はパブの2階の狭い部屋に椅子を15脚ほど押し込んだスペース。狭くて絨毯にはビールの匂いが染みつき、ドアの向こうにあるトイレの匂いもほのかにするような場末感ただよう場所ではあるが、空調が効いていることが売りである。値段もひとり5ポンドだったか驚くほど安かった。今回は芸人さんたちが新ネタを披露してくれるという。披露というか実際に受けるかどうか、この観客で実験してみるという算段らしい。

御覧の通りマイクと客の距離がほとんどないに等しいので、観客全員まんべんなく客イジりの対象となった。こういう場所での客いじりは、たいていどこから来たか、連れがいる場合はその関係や職業を訊かれる。今回はスコットランドから来たという笑い上戸の3人組が、どんなジョークにも腹を抱えて笑いこけ、最後には涙まで流していたので、スコットランドにもお笑いってあるよね?まさか変な薬やっていないよね?と逆に芸人たちは多少不安になった模様であった。

新ネタということもあり、登場した芸人はみなそろって手にネタを書いていた。イギリスの場合、手のひらではなく皆手の甲にネタを書いていて、最初は腕時計を見ているのかと思ったら、ネタのタイトルが書いてあるらしい。やはり使い込んだネタというわけではないので多少滑ったものもあったが、月曜日の夜からお手軽にビール片手に安く笑いを手に入れられるというのは、なかなか良いものだなと思った次第だった。