愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

オンラインで観葉植物を買う。

在宅勤務が1年近くになると、もう少し部屋を居心地よくしたいなという思いが沸いてくる。賃貸だし、次またいつ引越をすることになるのかと思うと、あまり大きな高価な家具やインテリアのものは買いづらいのだが、それでも英国暮らしも3年目になり、腰かけ生活でも居心地よくするための努力は惜しまないほうがいいのではないか・・ともようやく思うようになった(遅い)


で、部屋に飾る観葉植物を最近ぼちぼちと集めている。


前にも書いたが同僚で観葉植物を集めるのが大好きな人がいて、彼女の家には60以上のプラントがあるんだそうだ。彼女が毎回インスタであげる家の様子は、あちこちに緑が沢山上手に置いてあって、とてもお洒落で素敵。会社のオフィスも、彼女の手で沢山観葉植物が飾られていて、狭いながらも気持ちよいスペースになっていた(もうオフィスには一年ほど足を運んでないけど・・涙)。


インテリアの記事などをオンラインで見ていても、下手に絵を飾るよりは・・と壁を植物で埋めるようなものもよく見かけて、やっぱり目に青葉だよな・・と毎日長時間PCを見続けてしょぼしょぼした目で考えるのだが

エアプランツさえ殺してしまう私に、観葉植物を選択し、育てる自信はない。ガーデニング命な国民性のイギリスには、園芸センターが沢山あるし、個人の植木屋さんみたいなのもあちこちにあるのだが、そこに並ぶものの中から何を買ってよいのやら、とんと見当もつかない。あと今の生活、車が無いから買っても運ぶのが大変。

そんな時インスタで見つけたのがこのサービス


何のことはない、観葉植物をオンラインで買えるサービスなのだけれども、このサイトの作りが初心者にも買いやすいように、すごく上手に、お洒落に作ってある。

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まず商品名。本当の植物じゃなくて、IKEAの商品名みたいなニックネームがついている。

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例えばこれは、葉っぱがどんどん伸びて垂れ下がってくるので「ラプンツェル」。

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どんな環境があっているか、どれくらいお世話が必要かの簡潔な説明もある。あと、観葉植物を殺さないためのお世話ポイントのビデオもついてくる。結構普通の植木屋のサイトに行くと、ごちゃごちゃ色々書いてあることもあるのだが、初心者にはもうこれくらいがちょうどいい。サインアップすると、週に1度お世話ポイントのメールも来る。


植物を選ぶときは、サイズの他に、置きたい部屋や光の当たり具合、世話がどれくらい必要かの難易度、サイズといったフィルターで絞り込める。

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スッキリしてお洒落な植木鉢もオプションで選べる。注文して数日後に、家に配達に来てくれた。


今買える植物は、室内用にほぼ特化していて、90種類ほど。以前と比べてちょっと品揃えが増えてる気がするけれど、これを条件で絞り込むと、結構チョイスは限られる。


普通の植木屋のサイトにいくと、その倍以上のチョイスがあったりするのだが、初心者にとっては、チョイスが多すぎない、というのは実はそんなに悪くない。


ロックダウンになって色々なものをオンラインで買うことが増えたが、それこそアマゾンで何か買おうとして検索しても、あまりのチョイスの多さに選ぶのに時間がかかったり、レビューを読んでみても何に基準を置いて決めればよいのかわからなくなって結局買わない、なんていうことがよくあるけれど、このサイトはそういう軽い精神的負担が少ないのが印象的だった。


で、このサイトから我が家に来たのはこちら。


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オリヅルラン」のクリスさん。ベッドサイドテーブルに鎮座。

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サンセベリア」のスージーちゃん。あまり水を必要としないので、テレビ台の横に電化製品とともに置いてある。

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「セイヨウタマシダ」のバーティー君。湿気を好むのでお風呂場に。小さな葉っぱがぽろぽろ落ちてくるのがちょっと。時々散髪をする。

上記のクリスさんの写真は買った時のものだが、今はこんなにぼさぼさになった。

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新しい株も気がつけば沢山出てきていたので、propagation中(日本語では何というのだ?!繁殖?)。

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一緒に写っている多肉植物は、色々育てるうちに多少自信がついて(?)近所で買ったもの。ハート形のは「ヴァレンティーノ」、もう一つは「シュミット大佐」この二つは子供が命名水耕栽培している多肉植物は、ベランダ園芸している同じフラットのご近所さんが分けてくれた。


本当に植木などすぐに枯らしていた私が、この数か月でこんなことをするようになろうとは。


実際コロナになって、植物や土いじりに癒しを求める人が増えているのは本当のよう。前にも書いたが、最初のロックダウンでは閉まっていた園芸センターは、2度目のロックダウンではエッセンシャルビジネスとして、開けていてもOKになった位。


そんな中、都市部に住み、今まで植物の世話などあまりしてこなかったし、園芸センターにもちょっと行きづらいな・・という若い世代をターゲットにしたこのビジネスは、なかなか良いところをついている。2015年にこのビジネスを始めたという若いファウンダーも、スーパーで観葉植物を買ってみたものの、世話の仕方がわからず、ダメにしちゃった経験からこういうビジネスを始めたらしい。


私が最初にこのサービスを使ったのはまだコロナの騒ぎも始まった頃で、配達範囲はロンドン市内のみだったけれど、今では全国発送可、さらにヨーロッパにオペレーションを広げようとしているらしいので、かなりいい調子の模様。LinkedInを見ても従業員が100人に達する勢い。CEOはブランド戦略の仕事をしていたらしい結構若い人で、やはりその部分が上手な印象。£7mほど資金調達済みのようで、エンジニア系とマーケティング系の求人が今でも出ている。


これに追従してるのがもう一件あり


しばらくはThe Patchのサービスを使っていたのだけれど、他の植木屋サイトと比べてみると、モノによっては割高なものも多い。特に今人気の「スイスチーズ・プラント」と呼ばれる植木の値段がべらぼうに高かったので、もうここから買い続ける必要もないしな・・・と見つけた、こちらもロンドンにベースを置くスタートアップのサイト。

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こちらのサイトから選べる植物は40種類ほどとさらに少ない。配達もロンドンのみ。

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植木鉢の種類も少なめ。

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お世話の仕方や注意点情報はこんな感じ。


気が付いたのだが、観葉植物、大きめのものを買おうとするとどこであっても結構お金がかかる。特に鉢代。今回は、ここで植木だけ買い、鉢はオンラインで別のところで買うことにした。で、届けてもらったのがこちら。


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前回も紹介したこちらはアフリカのZZ プラントと呼ばれるもの。日本名ザミオクルカス。我が家ではZZと呼ばれている。


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こちらはスイスチーズ・プラントと呼ばれるもの。日本名ホウライショウ。葉っぱが大きくなるごとにスイスチーズのような穴が開くのでこう呼ばれている。我が家では子供がスイスと呼んでいる。最近インテリアにこれを置くのが流行っている気がする。インスタとかでも良く出てくる。それでどのサイトを見ても高い。ここのは初回割引も使ったのでちょっと安めであった。


ここの会社は2019年10月創業なので、完全に追従型な感じ。ファウンダーはこちらも若い兄ちゃんで、投資銀行で働いてメンタルをやられたのが植木に興味を持ったきっかけ、なんだそうだ。やはり緑に癒しを求めたのね。


オペレーションも全然小さくて、LinkedInを見てもまだ片手で数えるほどしか従業員はいない。マスクしてたからはっきりわからないけど、もしかしたらうちに届けてくれた人がファウンダーだったかもしれない。


Patchのほうが色んなサイトで、オンラインで観葉植物買うならここ!と紹介されているのに対して、こちらのほうはまだまだ認知度も低め。値段や品ぞろえ以外で違いといえば、こっちのほうが、Ethical/Sustainableなオペレーションを心がけてます、的なメッセージがあるのと、あっちがスマートなベンチャー!という印象なのに対して(マーケからCRMからサプライチェーンからかなりがっつりちゃんとデータ分析している)こちらはもう少し素朴なスタートアップ感があるところ?今のところ安めなので、またこっちで買おうかなとは思っている。


資金調達も、今度オペレーション拡大のためのクラウドファンディングをするというので、ちょっと少額参加してみることにした。クラファンを募るビデオも、一生懸命楽しい感じに作ってあったりしたので、ちょっと応援したくなったw


どちらの会社も、届けてくれる植木は、多分他の園芸センターで売っているものと変わらないものなんだとは思うが、彼らのブランディングマーケティングにしっかり私は乗ってしまった。でもおかげで色々慣れてきたので、今後はそこまで臆することなく他の店でも買えると思う。全くダメダメだった消費者を、園芸の世界に引き入れてくれたという点でも、秀逸なサービスだなと思った。


と、色々植木を買っては嬉しがってインスタストーリーに写真をあげていたら、アメリカのお友達に「そんなに植木買って、アメリカに戻ってくる気、ないでしょう」と指摘されてしまった。実はまさしく植木を買いながら、これ、いつかアメリカ戻ることになっても、もって帰れないんだよな・・と思っていたところだったので、苦笑。少なくとも鉢は持って帰るよ!!


そして60ほどの植木が家にある同僚ほどになると、植木は自分で増やしたり、時には道端から拾ってきたりしているそうだ。確かに、イギリスに引っ越す前のムービングセールでも、植木を引き取りたいという人は沢山いたなあ・・・。