夏のコペンハーゲンは、熱中症になる!と思うほど日差しが強い日もあったけれど、11月のロンドンがこれほど凍てつくような寒さなので、今コペンハーゲンに行ったらもっとすごいことになっているのだろうか。
寒さと、日照時間の短さにどよーんとなりがちなこの時期。さんさんと太陽が照り付けていたコペンハーゲンの写真をぼんやり見つめながら、終わらない旅日記、行ったところを駆け足で。
塔
救世主教会の塔は、歩いて登ることができ、コペンハーゲンを一望できる絶景スポット。出発前に見た旅番組でも紹介されていたけれど、塔の上のほうはちょっと手すりが付いているだけで、高所恐怖症の人にはかなり恐ろしいスポット・・というのに子供がビビったため、パパだけ登頂。
この教会の近所にはヒッピーのコミューン的な場所、クリスチャニアという場所もある。1000人ぐらいの人達が自分ルールで暮らしているエッジーな場所。キレイで整然としたコペンハーゲン、そして社会保障がえらくしっかりしたデンマークという国の中に、ある意味無法地帯的なそんなエリアがあるのはとても面白い。
カラフルなミュラル(壁画)や独特の雰囲気のあるこの場所は、観光地にもなっていて、ヒップなフードトラックが来る場所にもなっているけれど、基本的に住人達は不法占拠した場所に住んでいる形。ドラッグディーリングもされているので、定期的に警察のガサ入れもある模様。うむ、キレイなジャイアンならぬキレイなオークランドってところか?!
私と子供は今回足を踏み入れなかったけれど、塔に上るために別行動をとったパパはちょっと後で見に行っていた。
ボート
とっても観光客的行動ではあるけれど、コペンハーゲンのボートツアーは、面白かったしやってよかった。おススメです。
運河がたくさんあるコペンハーゲンを、ずいぶんテンションの高いデンマーク人のガイドのお姉さんと、無口なスウェーデン人のキャプテンが案内してくれる。
コペンハーゲンの近代建築を海から眺めてみたり、
頭がぶちあたってしまいそうなくらい低い橋の下を通ったり、
間違って大砲を打ってしまい、市民の夏の別荘地に着弾して家を破壊しちゃった軍艦や、王様の見えるところだけキレイだったらいいや、と、王宮に面している側とその反対側の外壁や窓の感じがまるでびんぼっちゃま君的になっている建物やらを眺めたり、
例の世界3大がっかりの人魚像、と、それにむらがる観光客を海のほうから遠巻きに冷やかしてみたり。
ガイドのお姉さんは、客のデモグラフィーに併せて英語とドイツ語でペラペラペラペラとしゃべり続けていた。
狭い運河を通過するときには、たいてい橋の上にいる人達や、運河沿いに座ってぼーっとしたりサンドイッチを食べているような人達が、わ~っと手を振ってくれる。時には運河沿いの家の窓をばっ!と開けて、中から盛大に手を振ってくれたおばあちゃんもいた。一瞬仕込みなんじゃないかと疑うほどのフレンドリーさ。
前に座っていた観光客はそれを見て「人寂しいのかしら・・」。そうなのか?!
博物館
パパが高い塔に一人で登ってワキャワキャしている間、私は子供を連れて国立博物館へ。
デンマークといえばバイキング。子供は学校でバイキングに関するプロジェクトをしたりして、随分とバイキング文化に興味を持っていたのでちょうど良かった。
バイキングというと、角の生えたヘルメットをかぶって・・というイメージがあるけれど、あれはそれこそワーグナーのオペラの衣装のデザインで後から勝手についたイメージらしい。
バイキングの当時の衣装は、劣化してあまり残っていない部分もあるらしいが、出土したものや、色々想像をたくましくした再現写真はこんなかんじ
角、あるっちゃある。これは夏の装い・・?
展示は興味深かったがなにしろ冷房があまり効いておらず、長時間逗留するにはちょっと辛い感じであった。
この博物館は子供むけ展示コーナーが充実していて、海賊船や、昔の学校の教室や、インドの雑貨屋のセットのようなところで子供達が遊べるようになっている。子供がハマってしまい、結局そこで数時間つぶすことに。
結構イギリスから遊びに来ている観光客や、ニューヨークに住んでいて里帰り中だというデンマーク人一家など英語を話す子供がたくさんいたので、子供は相手をとっかえひっかえ、えんえんと楽しく遊んでいた。まあ、子供にとっては、観光よりもこうやって遊ぶ方が楽しいに決まってるか。いや、かくゆう私も街をただウロウロするのもいいけれど、やはり何かを実際にやったり、人とコミュニケーションをとれたほうが楽しいもんなあ。
で、このニューヨークから里帰り中の孫の相手を1ヶ月もしてさすがに疲れはてたという、デンマーク人のおじいちゃんと世間話を延々とする羽目になったのであった。だいたい孫や子供の自慢話で終わったけど(笑)
しかしその家族に、この博物館でやっているチンギスハーンの展示がとても良いというのを聞いたので、デンマークでモンゴルもあるまいとスルーしようとしていた展示が見れたのはとても良かった。展示場全体がモンゴル仕様になっていて、モンゴルの大草原の様子がプロジェクションされたり、バーチャルな焚火を囲んでテムジンの物語を聞いたりすることもできる。
最近の博物館の展示はバーチャルなものがたくさんあったり、インタラクティブですごく良いですね。