愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

子連れコペンハーゲン⑤コペンハーゲンお笑い歩きツアー

最近は旅行のたびに、よく歩きツアーに参加するようになりました。現地の人と話せる機会になるし、ガイドブックではわからないことも色々教えてくれるので、使わない手はない。

今回は、スタンドアップコメディ風に色んなジョークをかましながら案内してくれるというツアーに参加しました。今回参加者は私達だけでしたがデンマークのことや歴史面白情報を色々仕入れることができて楽しかったです。

ブルートゥースといえば、色んな機器を無線でつなげる技術ですが、もともとはデンマークが誇る王様ハーラル1世のニックネーム。でも待ち合わせ先に高々と掲げられているのはファーウェイのロゴ看板でした~、という軽いボケからツアースタート。

コンゲンス・ニュートー広場にある、17世紀の王様クリスチャン5世の銅像。フランスの王様の銅像が格好良く馬に乗っているのを真似して作ったんだそうですが、ちょっとしたデザインミスがあり、こんな形になっています。

馬の下に人が寝そべっていますが、これは後から足場強化のためにつけたんだとか。・・というのも、王様と馬の重量と、馬のポーズと、銅像の材質に色々問題あり、このまま建てるとバランス崩して銅像が倒れてしまうような代物だったようです。

よーく見ると、上半身はうつ伏せなのに、下半身は横向きでしかも左足は膝を立てて、馬のお腹を支えている、というものすっごい不自然なポーズになっています。はからずも王様が人民を足蹴ににしているような変な図になっている・・(苦笑)。

デンマークの観光名所というとここ、ニューハウン。色とりどりの建物が並ぶこの場所は、今はぼったくりのレストランと観光客向けの店が並ぶような場所になっていますが、以前は荒っぽい船乗りが集まり、売春宿など船乗り相手の店が並ぶようなところだったそう。

この場所に童話作家アンデルセンが長年住んでいたことも有名ですが、複雑な人生を送る人達が集まるこの場所は、物語づくりのインスピーレーション、ネタの宝庫だったとか。

アンデルセンの作品は子供の時に読んだけれど、作者の人となりや生涯についてはあまり良く知らなかったかも・・ガイドさんの話では結構人をイラっとさせる、ちゃっかりタカリ気質なところもあった、変わった人だったみたい。ディッケンズとも親交があったものの、彼の家に空気を読まずに長逗留して、最後には追い出されたりしたらしい。

童話作家というとどうも心のキレイな・・というイメージを持ってしまいがちだったのですが(なんでだろう)、まあ必ずしもそんな訳ないですよね・・ニンゲンダモノ

そういえば知らなかった、第二次大戦中のデンマーク。戦争中はドイツに占領されているのですが、抵抗してもこりゃ無駄だと、戦ったのは2時間ぐらいだったそう(!)。それでも王様は国の首領として国内に残り、毎日馬に乗って街を回り、国民を励ましたんだそう。このお尻向けている銅像がその時の王様。

レジスタンス運動も結構あったそうで、デンマークにいた7000人強のユダヤ人は9割が「レスキュー」されて、中立国だった隣国スウェーデンに逃れたりしたんだそうです。これは初めて知りました。

デンマーク全体でも戦争中の戦死者は3,000人だそうで、2時間でドイツ軍への抵抗をあきらめた話とふくめ、まあ真面目に戦ってないデンマーク人、というブラックジョークになっていましたが、国によって戦争への対処の仕方がこんなに違ったとは。それこそ金髪で目が青くていかにもアーリア人だったから、ナチスも信用してあんまり手出ししなかったんじゃね?だそうですが、そういえば北欧史って本当に何も知らなかったかも。

隣国スウェーデンとのライバル意識はすごい。歴史的にスウェーデン領になっていた時代が長いというのもあるらしいですが、今ではスポーツマッチなどで「健康的な」ライバル関係だとか。

IKEAの商品名も、玄関マットやトイレのブラシなどにはデンマークの名前がついてるんだよ!なんて言っていましたが本当か(笑)スウェーデンのものは何でも目に入ったら、棒でたたくのが義務だ!そうです。

デンマークにもロイヤルファミリーは健在で、ツアーでは歴代の王様(ほとんどの王様の名前はクリスチャンかフレデリック)の面白エピソードも色々聞きましたが長くなるので割愛。今もロイヤルファミリーが住んでいる甘えん坊・・じゃなくてアマリエンボー宮殿は、建築途中で資金不足になったらしく、この立派な柱も木製のハリボテでした。叩くと空虚な音がします。

イギリスのように、こんな格好の兵隊さんが宮殿を守っています。が、イギリスとは少し違い、直立不動というわけではなくて結構自由にふらふら歩き回っている感じ。この格好で姿勢も悪くだらだら歩かれると、ものすごく違和感が・・笑

この宮殿、建物と一般を隔てるフェンスも何にもないので、ちょっと観光客が宮殿の壁に寄りかかったりするといちいち行って注意しないといけなくて、なかなか忙しそう。衛兵は高校生か大学生?と思うような若い感じの子も多かったです。

こんなに近づける建物の中に住んでいるロイヤルファミリー、皇太子妃はオーストラリア人だそうで、世界の中で覚えても全く役に立たないデンマーク語をいち早く覚え、国民に愛されているらしい。で、子供達を自転車にのっけてここらへんを普通に走ってるんだそうです。ガイドさんも一度遭遇して手を振ってくれたことがある~♥なんて言っておりました。

宮殿ハリボテ建築の理由のひとつになった、超お金と時間がかかったフレデリック5世の銅像。まず台座がものすごい大理石でできている上に、完成まで20年ぐらいかかったらしい。宮殿より銅像にお金かけちゃった、と。

宮殿近くにある比較的新しい公園はデンマークの造船王によって作られたそうだけれど、まあ結局は税金対策ですごいお金が戻ってきた話など・・こうやって色々書くとあまりお笑いの要素が文章の中にうまく拾えていないんですが、バイキングネタからスウェーデンいじり、結構ブラックジョーク満載で随分笑いながら歩きました。

で、ガイドさんと別れてからちょうど衛兵交代式をやっていたので見ようと思ったら・・・私の背丈から見えた風景はこれwww

ガイドの兄ちゃんは高校時代アメリカ(しかもカリフォルニアのモデストww)に交換留学した経験があるそうで、その時のことから、コペンハーゲンのサッカーチームの話など色々教えてもらいましたが、やはりロイヤルファミリーネタが面白かった。デンマーク、現代のロイヤルファミリーも、昔のロイヤルファミリーも、皆さん結構キャラが立ってる人が多いようです。このツアーに行った後日、ロイヤルファミリーが埋葬されている大聖堂にも行ったのですが、棺を見ながら、あああこの人が例の・・と、おかげでかなり楽しめました。そんな話はまた今度。