愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

イケメンフルーティストのマスタークラス

少し日付は遡りますが、ベルリン・フィルのイケメン首席フルート奏者、エマニュエル・パユさまがサンフランシスコにやってきた!さらに、サンフランシスコ・コンサヴァトリーでマスタークラスをやるというので、これは行かない手はない!


同じフルート愛好者あきあきさんをお誘いして、久しぶりにコンサヴァトリーに向かいました。ちょっと前に新装したコンサヴァトリー、小さいけれどとってもキレイ、こんなところで音楽ばっかりやっていられる子たちが羨ましい。


さてイケメンパユ様、以前ワシントンDCに住んでいたときにもソロコンサートがあり、ハチャトリアンのコンチェルトを聴いたことがあります。フルート吹きながら片足をぶんぶん振り回して、演奏しながら一回転しちゃうんじゃないかという勢いで演奏していた記憶が・・・


そしてお写真で拝見するとこんなにイケメンでございます。現在御年39歳。23歳でベルリン・フィルの首席奏者になっちゃってるんですよ。すごいよなぁ。


フルート協奏曲集  (CCCD)

フルート協奏曲集 (CCCD)

フォーレ:夢のあとに

フォーレ:夢のあとに



ちょっと嬉しい手違い(笑)もありまして、わたくしの席は一番前!かぶりつき!キャー!なぜか郵便局の集金のおっちゃんみたいなバッグをたすきがけにした、サンフランシスコシンフォニーのフルーティスト、ティム・デイさん(コンサヴァトリーのフルートの先生でもある)の紹介で登場したパユ様!!



パユ様・・・・パユ様・・・・ん・・・・・?!


イケメン、むっちむち


すっごく久しぶりに実物を見たパユさん、ちょっとよれたポロシャツに、昔の石田純一風にセーターを肩に羽織り、二日酔いですか?!という感じのモッサリ感。「いやースーツケースがまだ届いてないってばれました?」みたいな事をおっしゃっておりましたが、腹、出てるし!!おっさんやんけ!


さらにしゃべりながらステージのへりに立つので、いつか転げ落ちて、下の小さなピットに置いてあるグランドピアノに撃墜してしまうのではないかと、見ていてハラハラ。


ヴィジュアル的にはちょっと残念感もただようパユ様でしたが、でもレッスンは良かったです。

以前ジェームス・ゴルウェイさんのマスタークラスを聴講したときは、彼はやっぱり巨匠なので、喋り方もミルヒー的というか、おしゃべりだけで相手をのせてのせてのせまくる、という感じがありました。それに比べるとパユさんはもう少し的確に、実用的なアドバイスをしていた感じがしました。

学生が演奏中にはホール中を歩きまわって、そこから音チェック。演奏するときって、ホールの大きさとか、ホールの隅々までどうやって音を響かせるか、ということを計算に入れて演奏しないといけないんだ、ということに気づきました。


生徒は皆コンサヴァトリーのフルート科の学生で、8人ほどが演奏。フルート科って10人ぐらいしかいないみたいなので、ほとんど全員が受講したという感じでしょうか。みんな無難に曲は吹けるし、音も悪くない、けど緊張のせいか、若さゆえか、楽しげなコンチェルトなのに直立不動でがっちがちの演奏だったり、強弱のほとんどきこえないのっぺりした演奏だったり、表現の点で深みが足りないのぅ、という生徒さんが多かった気がしました。


いや、えらそーなことを言ってはおりますが、こればかりはやっぱり人生経験と想像力の豊かさがモノを言うと思います。自分の数少ない演奏経験の中でも、やっぱりただキレイに吹くだけじゃ全然相手を感動させられない、というのは身を持ってわかったことだし。特に自分の演奏を録音して聞いてみると、自分では一生懸命表現しているつもりでも、自分の中で思っていることの20%ぐらいしか表面に出ていない、ということはよくあります。ミルヒー的に言うと、クネクネ、はう〜ん、と大げさぐらいにやらないと全然だめじゃん!、魅せます!聴かせます!と本当に「パフォーマンス」してなんぼ、という感じ。今回の公開レッスンを聞いていて、そんなことをたくさん思い出しました。


そしてもっさり度満開のパユ様、何かの拍子に両手を上げたりすると、シャツのすそから出たビールっ腹がチラと見えたりしてうげぇーと言う感じではありましたが、やはりすごい。なぜか自分の楽器さえ持たずに登場したパユ様でしたが、毎回毎回生徒の楽器を「ちょっと貸して」とぴゅっと取り上げて、それでがーっと演奏なさるのです。同じ曲なのに、その深さとダイナミックさがあまりに違うのにため息がでました。それに、他人の楽器って、癖がついちゃったりしていて、いきなり吹いても結構ちゃんとした音がでないことってあるんですが、パユ様はさすが、そんなことをもろともしてなかったのがすごかったです。


選曲は、モーツァルトのコンチェルトや、ジョリヴィエの「リノスの歌」など、自分がさらったことのある曲も多かったので、パユ様のアドバイスは直接の参考になるかな、と思ったけれど、実際は、演奏する学生さんと私との間の曲の解釈の違いのほうが気になって、そっちのほうが面白かったです。


でもどちらかというと、私の得意な部分が不得意で、私の不得意な部分が得意な学生さんばかりだったので、パユさんのアドバイスが私にはあまり響かなかったというのもありますが・・。


限られた持ち時間で長い曲を演奏する人もあれば、「ダフネとクロエ」など、オーケストラのフルートソロのパッセージを見てもらう、というのもあり。いろいろ勉強になったし、なによりこういう公開レッスンを聴講するのは、自分のモチベーションアップには本当に最適!!!特に楽器の演奏って、自分で解釈はできていても、本当にそれを100%体現できるかといえば、頭の中では正しく鳴っているのに、それを完全に出力できないことも多いので、とにかく練習あるのみ。今は引越し準備でばたばたしてるけど、嬉しいのは新しいアパートは鉄筋コンクリートだからあんまり周囲の騒音になるかも・・・ということを気にしなくて済むし、天井がとても高いので、音響が良さそうなところ!年末は練習しまくるぞー!!

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