愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロンドンのテムズで船を漕ぐ

最近ローイングはじめました。

ってマシーンでザーザーと紐を引っ張るやつじゃなくて、船に乗ってみんなでえっちらおっちら漕ぐやつです。

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イギリスっぽいと言えばぽいスポーツ。
川辺に色んな学校のボートクラブがあって、中学生高校生ぐらいからみんな稽古をしたりしている。

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毎年ケンブリッジ対オックスフォードのボートレースもテムズ川で開催されていて、テレビ中継が入ったりとかなり注目度は高い。これはコロナになる前年の試合。

ローイングの経験は無いけれど、大昔ワシントンDCでドラゴンボートをしばらくやっていたことがあり、漕ぐのは意外と得意。そして水の上を飛ぶように進む感覚が忘れられず、せっかくそこに川があるからやってみよう・・と大人クラスにサインアップしてみた。

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練習は朝早い!かなり夜型なので、平日仕事の前の早朝練習は結構キツイ。毎回、朝起きられるか前日から緊張してしまう。

ボートは4人乗り。男女2人ずつの素人集団に、コーチがつく。コーチは船の切っ先に座って指示を出してくれる。

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(この写真に写ってるのは、たまたま見かけた全然関係ないチームw)

ボートハウスでボートに金具を付けて用意をし、川までボートを運ぶ。

ボートを川に浮かべたり、船に乗り込む時にはざぶざぶと川に入っていくので、長靴を履いての作業。学校のチームなどは、この長靴の色も決まっていたりして、なかなかかわいい。

いつも川岸から見ている時は、長靴はその後どうしてるのかな、と思っていたけれど、長靴のまま船に乗り、中で脱いで席の手前にしまっておく。こういうのもやってみないとわからなかったな。

足台にはクロックスみたいなのが据え付けてあるので、靴下をはいた足をそこに突っ込み、船を漕ぐ。プロとかだったらもっと自分用にカスタマイズしたしっかりしたシューズが着いていたりするんだろうか。私にはちょっと大きすぎるので、時々スポッと脱げそうになる。

練習で今のところ一番難しいのは、オールのフェザリング。船を漕ぎながら、オールを90度回転させて、羽の向きを水面と平行にしたり垂直にしたりを繰り返す。特にオールが水に入っていない時には、羽を水面と平行にさせて、空気抵抗を少なくしたりする必要がある。

しかしボートを漕ぐという行為は、オールを上下させたり、腕を出したり引っ込めたり、足を曲げたり伸ばしたり、体を倒したり起き上がったりともう色々な動きが入るので、そこに手首を使ってオールを回転させるという行為をさらに足すと、どんどん動きがややこしくなっていく・・・。

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あんまり役にたってるのかわからないけど、家でも棒を持って回転の練習。

その次に難しいのは、やはりみんなで漕ぐタイミングを合わせること。何しろみんな素人なので、なかなかフォームも怪しいし、タイミングも合わない。そしてこの船、結構揺れに敏感なので、皆がバラバラに漕ぐと左右にグラグラ揺れるのであった。

実はあまりに揺れるので、朝早いし寝不足だった日などは気持ち悪くなって吐いてしまった・・・(苦笑)まさかー、こんなところで船酔いを経験するなんて!!!

以来前日の夜から酔い止めを飲み(よく眠れるし)、朝もう一錠追加し、ジンジャーエールなども飲んだりしてなんとかやり過ごしているが、特にパワーだけで漕ごうとする男性がぐいぐいやったりすると、わさわさ揺れて酔う気がする・・・

あとやはり漕ぐ人数が少ないほうがペースを合わせやすいからか、2人だけで漕いだ時には面白いぐらいすいすい進んで、ものすごくエキサイティングだった。

以前やったドラゴンボートは、もっと大人数で漕ぐ上に左右2人ずつなので、船底がもっと横に広がっていて、かなり安定してたんだな。

さらにドラゴンボートは、前に座ってる人が太鼓をたたいて漕ぐタイミングを教えてくれたので、動きをシンクロさせるという点でここまで苦労はしなかった(ただし、船を漕ぐ時の奴隷みは強かったかもwww)

一方ローイングのコーチは言葉で色々教えてくれるけれど、タイミングについては指示がないので、生徒だけで漕いでいるとどんどんペースが速くなり、フォームが崩れ、船は揺れてパニックに陥ることも(陥ってるのは多分私だけ、苦笑)私が一番前に座ることが多く、みんな私の動きに合わせて漕ぐことになっているので、そこらへんも難しい。

と色々初心者だし、まだまだにわか仕込みなので大変なことのほうが多いが、フォームがうまくはまって船がぐんぐん進むのは楽しいし、テムズ川からの景色を朝日を浴びて水辺から見たり、横を水鳥が泳いだり、気持ちいい瞬間も沢山ある。

時々モーターボートの上から拡声器を持ってコーチががなっているような本格的なローイングチームが練習するのにすれ違う。時々オリンピック選手も練習しているのに遭遇することも(教えてもらわないと誰が誰かわからないけど、みんなすれ違う時挨拶したりするのもいい感じ)。

もうこんなスポーツ今季限りで辞めてやる!(早!)と思う瞬間と、ああやっぱり楽しいなと思う瞬間が何度も交差しているテムズ川のボートだけれど、漕いだ後の筋肉痛も気持ちいいし、いい運動、いい経験になっている。この船酔いだけどうにかなればなあ(苦笑)