愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ベルギー旅① 思い立って、ベルギーへ。

前々から計画していた旅行がガドウィック空港のドローン騒ぎで流れてしまいがっかりしたが、キャンセルされたフライトのお金も戻ってきたし、翌週に思い立ち、クリスマス後にベルギーに行った。

もともと行く予定の場所ではなかったのだが、一度友人を訪ねて行ったことがあるパパの提案で、もともとの旅費よりも安く済むしと言うかなり消極的な理由。ベルギーと言うと、フランスとオランダに挟まれて、つい通過してしまいがちな場所ではある。かくゆう私も大昔、パリからアムステルダムに電車で行くのに思い切りスルーした記憶しかない。

ロンドンからは、飛行機でも1時間かからない。帰りの空港でたまたまおしゃべりした別の家族には「ベルギーだったら飛行機より電車じゃね?」と言われたが、実際空港に行く手間を考えると、電車に3時間乗っていた方が良かったかもしれない。それくらい実は近い。

ベルギーといえば、フライ。フライと、ビールと、ワッフルと、ムール貝。それくらいしか基本的な知識がない。

「ベルギーのどんなところに興味ある?」と入国審査のおじさんに聞かれる。

子供「えっと、ワッフル!」私「フライも食べに来た!」旦那「いや、ベルギーには歴史も建築もあるから・・・」

審査官のおじさんは、あの都市はどうだ、ここはどうだ、と聞いたことがない地名をどんどん挙げてくるのだが「この街は、1から10で言ったら、8ぐらいいいよ」と残りの2はどうしたと気になるようなおすすめの仕方をしてくれる。

「イーペルはどうだ」と第一次大戦でイギリスがドイツと戦った都市名を挙げたおじさんに、旦那が「イギリスにとっては思い入れ強い場所だよね、それにつられてアメリカ人も・・」と言うとおじさん、「でもまあ、Brexitはさすがにつられて一緒にやらないよね、ハハハ」

・・・とは言ってもアメリカはアメリカで変な大統領に悩まされてますけどね。「でもたくさんの人が彼に投票したんでしょう?」と言われたが、まあそんなシンプルな話でもない。

気がついたらこんなに喋ってていいのか?と言うくらい世間話をしていて後ろが少し詰まっていた。ベルギーの入国審査、和やかすぎる。

空港はこじんまりとした作りで、日本の地方都市の大きな電車の駅のような佇まい。そこから電車に乗り、ブリュッセル中央駅に向かう。フランス語とフレミッシュの表示に一瞬戸惑う。意外に英語の表示はない。言語の違いもあるが、国によって掲示板の大きさからプラットフォームの表示の仕方、矢印の使い方さえ微妙に違うので、自分の認識を微調整しないといけない。旦那はプラットフォームの番号表示を、階の表示だと思い込み一瞬ややこしいことになった。って、ここは一体何階建てだ!

外からみるとかなり年季の入った電車だが、中は意外と快適。昔の東海道線常磐線中距離電車のような感じでゴトゴト進む。窓の外は、どの国の線路沿いにもありそうな、ごちゃっごちゃっとした景色。周囲の建物の感じはレンガ色で、線路沿いの景色だけは、なんだかあまりロンドンにいるのと変わらない気がする。

しかしここは大陸ヨーロッパ。駅につけば、なんとなくロンドンとは様子が違う。戦後建てられた駅らしいが、なんとなく戦前戦中を思わせるのは、鉄道関係者で戦争の犠牲になった人達の記念像なんかがどーんとあるからだろうか。

というわけで、あまり事前知識のないまま、駆け足のベルギー旅、始まります。