愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ニース旅⑦ ニース色々覚え書き

ニースの旅、その他色々細かいことを。

  • 本当は電車に乗って、カンヌやモナコにも行ってみたかったけれど、パリほど酷くは無いものの、ストライキの影響で電車の運行が不定期だったので諦めた。Airbnbのホストのおばちゃんは、カンヌはちょっとビーチはあるけど、他に特に見るものは何もないから行かなくてもいいわよ、だそう。


  • 隣町のアンティーブには足を伸ばした。ニースはやはり都会な感じだが、こちらはもっと鄙びていい感じの海沿いの街。確かフィッツジェラルドの小説もここら辺が舞台になっていなかったか。ピカソが住んだ海沿いのお城、今は美術館になっているものの、残念ながら休館日。寒くてごちゃごちゃしたロンドンからニースにやってきて、それだけでも癒されると思ったけれど、さらにもっと落ち着いた場所に来て、さらにホッとした感。年を取るとだんだん、こぢんまりした所のほうが良くなるのかな。

  • アンティーブでは街をウロウロしたり、あまりに天気が良かったので、これまたビーチでひたすら太陽を浴びたり。目の前では他所のおじちゃんも寝転がりながら読書中。ニースにも沢山来ていると思うけれど、アンティーブでは特にイタリア語が良く聞こえてきた。駅の案内もフランス語とイタリア語で書いてあったり、ランチに入ったお店では、店主のおじちゃんがフランス語とイタリア語ごちゃまぜで話しかけてきたり。
  • うまく説明できないし、こんなことを言うと色々誤解もあるかもしれないが、ヨーロッパの中で実はフランスは自分の中であんまり住みたいと思える場所ではない。と言っても、文化とか言葉とか、興味がある部分も多々あるんですが・・特にパリはいつも冬に来るせいか、都会すぎるからか、住んで色々経験すると辛そうなイメージが自分の中で何となくある。でも今回もう少し南のほうに初めてやってきて、ここらへんはなぜか好きになった。自分の中では相性がなかなか良い、イタリアに近いからだったりするのかも・・・。


  • ラビオリ専門店がいくつかあった。そこで買ったラビオリを茹でて、ビーフシチューと一緒に自炊ディナー。ラビオリは頼むと、必要な数をここからカッターで切って売ってくれた。ビーフシチューとラビオリを一緒に食べるのがここら辺の食べ方だとか。そんなところもちょっとイタリアっぽい。


  • アンティーブの往復に乗った電車。ホームに電車が入ってくる時になる音楽は、なぜかTRFの「マスカーレード♬」と全く同じの3音。時々機関銃を持った鉄道警察みたいな人達が乗り込んで来る。アフリカ系の乗客一人になぜかターゲットをしぼり、尋問していた。駅の電光掲示板には、イタリア各都市が行き先に表示されていたりして、ああ、出来るものならそんな遠くにも行ってみたい。
  • やはり過去にテロ事件もあり、クリスマスマーケットも、ヨーロッパ各国でテロの標的になったりすることもあり、年末の雑踏にはそうでなくても警戒中の軍人さんが結構ウロウロしていた。一度は、私達と歩く方角がたまたま同じだったようで、気が付くと15分ぐらい、周囲を数人の機関銃をぶら下げた軍人5人ぐらいに囲まれる形でずっと歩く羽目に。ああいう軍人さんって、手を機関銃に添えて、ちゃっちゃと歩くわけではなく、周囲を見回しながら結構独特のペースでゆっくり目に歩く。まあ安心ちゃ安心だけれどやはり銃口が近くにあるとドキドキしますね。
  • ニース市内を走るトラムはとても便利。チケットは乗り場の機械で買い、社内の機械に通して印字する。意外と皆さん正直にちゃんとチケットを買って機械に通していた。お年寄りが乗ってくると席を譲ると同時に、お年寄りが持っているチケットを機械に通してあげる光景も。駅名のアナウンスは、はっきりくっきり聞こえるように、ということは全く意識しておらず、駅によって子供の声だったり、異次元シンセサイザーみたいな音楽と一緒にささやくような声で言ったりするのが不思議といえば不思議だった。


  • ニースにはナポレオンも何度か滞在していたとかで、彼が逗留していた建物がある場所はボナパルト通り、になっている。こちらはポケストップにもなっています(笑)。軍人として彼がここに来た当時は、まだここはイタリアだったそう。


  • 騙し絵になっている窓。窓はホンモノだけれど、窓枠の白い装飾部分はよーく見ると・・・・絵!


  • この建物に至っては、壁一面、窓から何から全部絵!


  • ニース美術館、こじんまりしているが思いのほか良かった。丘のほうにあり、あまり人の出入りもない。お屋敷を美術館にしたところで、この近辺に滞在して活躍したアーティストの作品が展示されている。フランス語で少し説明がある程度で、ああこれは見たことある絵だな、程度の浅い知識で見るしかなかったが、中でもインパクトがあったのは、ギュスターヴ=アドルフ・モッサ。ニース生まれで、この美術館のキュレーターをしていたこともある人だそうだが、1900年代初頭に描かれたイラストレーションは、現代のアート系のアニメのイラストかと一瞬思った位だった。


  • 美術館の中庭のベンチでのんびり日向ぼっこ。隣のベンチに座っていたアジア人女性、私達がベンチでのんびりしていた間30分以上、片時も携帯をはなさず、セルフィを撮っているのか、ずっと携帯で自分の顔ばかり見つめていた。謎だ。全部フランス語だしわかんないつまんなかったーと言って美術館から出てきたアメリカ人女子も、いかにもアートを楽しんできました然のセルフィーはしっかり撮って帰って行った。ううむ。


  • もう少しいたかったよな、と思いつつも、大晦日の日にニースを後にして、ロンドンへ。帰りの飛行機には、大晦日の夜に思い立ってロンドン行きのチケットを取ったという若者2人が後ろに乗り合わせてきた。乗ってきた時から既に随分酔っ払っていて、フライト中も歌を歌い続けたりと大騒ぎ。ロンドンで年越しをした後とんぼ返りするつもりらしいが、ロンドンに着いてもどこに行くかは決めておらず、クレジットカードは持っておらず現金は手持ちの300ユーロ、しかも携帯の充電はすでに切れつつあるらしい。それでも飛行機の中で頼むと高くつくジャックダニエルの小瓶を一人2本ずつ注文し、空港からロンドンに行く電車のチケットも買い、着陸後は極寒のロンドンに向かって薄着、手ぶらのまま、うおーとものすごい勢いで走り去っていった。この後どんな冒険をしたのか、無事にその後ニースに帰れたのか、気になってしょうがないが知る由もない。