愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

子連れサンディエゴ旅➂街の成り立ちがわかるバルボアパーク

サンディエゴのダウンタウン北にある巨大な公園、バルボアパーク。中には有名なサンディエゴ動物園もあります。

周辺を散策してみると昔住んでいたワシントン DC に似たような風景があったり(この橋がなんとなくロッククリークパークを思いださせた)、 公園横にある新旧混じるコンドミニアムの数々は、オークランドを思い出したり。って、無理に自分の知っている場所に繋ぎ合わせて考えるのはやめたほうがいいかもしれないけどな。

公園に向かって歩いて行くと、いったいこれは何だというような建物が見えてきます。何かの宗教施設だったのか、何かメキシコ時代のコロニアル風の建物なのか。

今は数多くの博物館が入っているこれらの建物、実は1915年にサンディエゴで万博があった時に作られたものなんだそう。元々は1、2年持てばいい感じで建てられたハリボテ風な建造物。それが補強され、今も残されているんだそうです。

確かに・・このロンドンのグローブ座を模した劇場なんていかにも・・。

タワーに登るツアーに参加してみました。11人ほどの参加者全員カリフォルニア在住。なんとなくテキサスから来たのだと勝手に思った白人の家族は LA から。そして白人のおじさんだと思っていた人はメキシカン。サンディエゴに30年ほど住んでいて、最近になって市民権を取ったそうで、自分の街をもっとよく知りたいと参加したそう。

もともとハリボテ風な建物だったからか、あまり一度にたくさんの人を入れられないみたい、定員は14名ほど。8回建ての階段を登っていきます。

このタワーを案内してくれたお兄ちゃんの説明が非常に興味深かった。

サンディエゴ元々はそれほど大都市ではなかったそうで、もっと人を呼ぶために万博の誘致を計画。しかしサンフランシスコと候補地を巡って争うことになり、1906年に大地震に見舞われていたサンフランシスコの方に軍配が上がったのだそうです。

万博って人を集める経済機会として今も昔も重要だったんですねぇ、と言っても私が覚えているのはポートピアやつくばの万博ぐらいですが・・。

サンディエゴは万博を開催すると同時に都市開発を思いきりしようと考えていたようで、なんと公園にアクセスする橋の下、今はハイウェイになっていますが、当時はここに水を引いてベニスのようにゴンドラを浮かべ、ダウンタウンにあるリトル・イタリーまでそれで行ってもらおうという壮大な計画を立てていたそうです。

当時の完成予想図も見せてもらいましたが、今見てもこの橋ものすごく高さがあるし、水がそんなに豊富でないサンディエゴでこれだけの水を引こうと思ったらものすごいお金がかかる!無理ー!ということでその計画は断念したそうです。

万博会場がサンフランシスコに決まってからも、開催をあきらめられなかったサンディエゴの人々。

一方サンフランシスコのほうは、自分たちが万博するのにそれにぶつけて同じ時期に別の万博をやられても面白くない。サンディエゴの万博には政府の資金を出さないよう、当時の大統領タフトにかなり政治的プレッシャーをかけたようです。

それにも負けず、サンディエゴの人々はなんと自分たちでファンドレイジングをして、結局サンフランシスコの万博と同じ年、1915年に自腹で万博開催を決行したんだそう。

ちなみにサンフランシスコで開催された万博は、日本語では「世界万国博覧会」でも英語では「パナマ・太平洋国際博覧会(Panama–Pacific International Exposition)」。サンディエゴの方は、「パナマ・カリフォルニア万博(Panama-California Exposition)」って名前も紛らわしい!!

どっちもパナマ運河が開通した記念万博だったようです。

そんなイベント会場として使われたのがここバルボアパーク。そして万博をきっかけに周辺に住宅地も発展し、人も増えたと言うから万博効果ってあるんですね。

さらに万博で展示された珍しい動物たちをその後移動させて作ったのが、かの有名なサンディエゴ動物園というわけなのでした。 都市計画って面白いなぁ。

一方サンフランシスコの万博会場で今残っているのは Academy of Art(この間バレエ見に行ったところ)ぐらい?実際万博をやったことでサンフランシスコも復興したんだろうか。


公園ではドッグランの中で犬が走り回っていたりジョギングする人もたくさん。芝生では子供たちが走り回り、かたや軍の入隊志願者が入隊テスト前のフィットネス強化のために鬼軍曹に怒鳴られながら飛んだり跳ねたり 腕立て伏せをしたり いろんな風景が見れます。


またサンディエゴは横浜と姉妹都市なんですね。お茶屋さんや日本庭園のようなものもありました。

旅に出ると訪れた街がどのようにして発展していったのかちょっと気になってしまいますが、今回は思いがけずここが実際に町が発展する中心地だったということが知れてとても面白かった。どこに行っても、地元の人が案内してくれるちょっとした歴史ツアーって参加してみると面白いかも。

もう少し時間があったら動物園も公園ももっと散策したり博物館も色々見学できたけれど、ここはまた改めて行ってみたいです。