愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

テストを求めて三千里

中学校に通う子供、週に2回、自分で綿棒を鼻に突っ込んでコロナの簡易抗原検査をしています。もう自分でやるのも随分板につきました。

テストの結果は、NHSのウェブサイトに陰性でも陽性でも報告します。イギリスでコロナのデータが多いのは、こういうのをちゃんと組織立ってやっているからでしょうね。当然ながら症状が無くても検査できますし、無症状の陽性者もずいぶんこれで見つけられていると思います。感染者数が多く見えるのは、ちゃんとテストしてるから、というのは絶対あると思う。

さて、このテストキット、子供は学校で貰ってきます。前も書きましたが、大人もNHSのウェブサイトから申し込めば無料で送ってくれるし、地元の薬局などでピックアップすることもできます。無料だから買い占め・・は無いけど、もらい占めを防ぐために、申し込むとコードが発行されて、それを持って薬局に行く仕組みです。

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こちらが今までにNHSから支給された、歴代のテストキットの箱。テストじたいのデザインも、時が経つとともに鼻と喉グリグリから鼻だけでオッケーになったり、キットのデザインにも改善が見られたりと、短い間に随分変化を遂げています。製造元もそれぞれ違って、一番上の初期型(笑)は福建省厦門、二番目のは浙江省湖州市、そして浙江省杭州市の会社となっています。

中国の会社だから怪しい、というのじゃなくて、短期間で素早くこれだけ海外の色んなベンダーとどうやって契約したのかな~、とイギリスの政府調達プロセスに興味津々。ポリシーやプロセスをぱっと変えて、それの対応もすごい早いんですよね、イギリス。連邦政府の言うことなんてすぐに聞くわけもないだだっ広いアメリカや、イギリスとは規模的には似てそうだけど細かすぎてすぐにアップアップなっちゃう日本ともまた違うアジリティがあり、まあ文句を言う人も多いけど、全体的には良くやってるよなあ、という気がします。

このテストで陽性が出た場合は、PCR検査をします。これはテストセンターに行くか、NHSのサイトで注文すれば翌日にはテストキットが届く仕組み。家でPCRテストして、ポストに放り込めばOK。

・・と、普段からコロナかどうか、定期的にあまりストレスもなく確認しながら生活していたので、年末アメリカに行ったときに、そのテスト事情の違いにおおぉ、となってしまいました。

ちょうど年末は冬休みだ、旅行だ、人が集まるパーティーだ、そしてオミクロンだと色々な要因が重なったのもありますが、まずテストキットが手に入らない。家でやる簡易テストは薬局などで買えるようですが、まずお金を払って買わないといけないというのと、とにかく品薄でどの薬局に行っても売っていない。月曜日に入荷です、とあるから月曜の午前中に行ってももう売り切れてた、などなど。私達に会う前に、お友達がみんなテストをちゃんと受けてくれたの有難かったのですが、テストを受けるために結構走り回っていて、こんなにテストキットを探すの大変なんて知らなかったよ・・・とちょっと申し訳ない気持ちに。

あとは自治体がやってる無料のテストサイトとか、お金払ってやってる民間のところに行ってテストを受けるしかないのですが、どの場所が空いてるか、もう予約でいっぱいか、随分遠くまで運転しないといけなかったり、有料なところは後で保険でお金は帰ってきたりするようですが、何十ドル、時には100ドル以上なんていうのもあってこれまたびっくり。

イギリスではNHSというものすごい社会保障制度に守られている訳だけども、もう究極の自由経済の世界は、こういうことなんだよな・・・ということをひしひしと感じた次第。

新年あけて、子供が学校に戻るためにもテストが必要になりますが、そのテストの仕方や、家でやる場合にはキットの受け取りなど、なかなかみんな大変そうな様子がその後も伝わってきました。なんでもアメリカでは、テストキットを作っている会社の一つがアボットで、アメリカ国内で製造してたらしいのですが、去年の夏ごろコロナが落ちついてた頃に、価格維持や在庫を抱え過ぎないために、結構な量のテストキットを破棄、職員も大分リストラしたらしい(という当時の記事を目にした)。そしたらオミクロンが流行っちゃって、今品薄で大変なことになっちゃった、というのもあるみたい。うぬぬ。

イギリスでは抗原検査→PCRという流れがもう出来上がってますが(最近は抗原検査で陽性だったらPCRしないで確定、隔離になっているけど)、最初っからPCRしたりとテストの仕方も人や場所それぞれ、っていうのも違っていました。

そうこうしているうちに、イギリスでもホリデー前に検査キットが品薄になり、NHSのウェブサイトでも在庫切れです、と表示されて注文できなかったり、薬局でピックアップできるコードは発行されてもいざ薬局に行くと在庫が無い、ということがしばらく続きました。

でもこんな時に役に立つのがツイッター

twitter.com

ここで、今ならオンラインにストックあるみたい!などとお知らせしてくれたのを見て、事なきを得ました。結局在庫薄になったのはホリデー前後の2週間ぐらいで、その後は問題なく入手できています。まあ、オミクロンはこのテストには反応しない説もあるんですけれどね・・・。