ハンプトン・コート・パレス駅を出ると、歩いてすぐに宮殿の入り口にたどり着きます。駅にもパレスはこちら、と日本語ででっかいサインが出ていました。うーん観光名所。
ハンプトン・コート・パレス、ここはヘンリー8世の時代から、イギリス王朝の面々がお住いになられておりました宮殿でございます。
もともとは、ヨーク大司教だったおっちゃんが建てたものを、王様のご機嫌とりのためにヘンリー8世にあげちゃった、んだそう。
なにそれ!
ロイヤルファミリーだけでなく、その取り巻き1200人分の食事をいつも作っていたのだとか。考えると、国を治めるだけでなく、それだけの人数を直接毎日食べさせていかないといけないわけだから、王様も楽じゃない。
このキッチン、現在も稼働していて、当時の格好をしたスタッフの人が、お料理をしているところが見られます!今回は、直火で肉をぐるぐる回しているだけだったんですが、実際に作った食事は後でスタッフが美味しくいただくんだそうです。
ちょっと料理のことについて質問しただけだったのに、スタッフの人が延々と宗教革命のことまで話を広げ始めてちょっと困りましたw
王様の食堂。長テーブルがだぁーーーっとあります。王様が座る上座に座ってみましたが、権力者っていろんな人が近づいて来るだろうし、なんだか豪奢けど色々しんどそう・・というのが平民としての感想でした。
キッチン・ガーデン。お城での食糧は、畑を作りそこで収穫したものを使っていたそうです。現在、ここで収穫したお野菜や果物は、毎週火曜日に買えるんだって!
というわけで、宮殿の残りの部分は結構駆け足で見て回りました。
中世のおどろおどろしい雰囲気とはうってかわって、17世紀にウィリアム3世が住んだ「アパート」部分は、もう少しほっと安心できるような雰囲気。
関係者が出入りするような場所は広めに作ってありますが、王様の寝室などは、ああ、やっぱり実際に「住む」となるとコレくらいの大きさがホッとするのは、誰も同じなのね・・という感じのつましい大きさでした。・・とはいっても、大抵の人の寝室よりは広いかもですが。
イギリスに来ていつもほぉぉぉ・・と思うのはやはりお庭の美しさ。デザインや可憐なお花、ランドスケープのとりかたなど、真似したくてもできなそうな雰囲気、佇まいと色合いがなんともいえません。
やはり霧のような雨が多くふるので、それほど水をやらなくても良く育つんだそうで、似たようなことをしたくてもカラッからで太陽カンカンのカリフォルニアではちょっと無理そうだなあ。
長い通路にだーっと並ぶこの木のフォルムが美しい。どうやって刈り上げるんだろう。
芝生エリアには、こんな可愛いグラフィック付きのピクニックチェアーがあって、のんびりゴロゴロできます。
その昔このお城で働いていた人達のプロフィールが紹介されていて、なかなか楽しい。中にはモグラ取り係なんていう人もありました。このおっちゃんはこんな頭をしていますが、30年にわたって仕えたこのお城の庭師、ヘンリー・ワイズさん。
ビクトリア女王。このお庭を一般に開放したそうですが、まあ一般客の様々な振る舞いには閉口させられたようです。
閉館時間が近づいてきたので最後に立ち寄ったのは、チョコレートキッチン。といっても、そこにはチョコレートはなかった・・。
1700年代、ジョージ1世、ジョージ2世に仕えたチョコレート職人が使っていた、チョコレート専用のキッチン。
当時はどちらかというと、ココアのような「飲み物」として出されていたそうで、このチョコレート職人Thomas Tosierは宮殿に寝室をもらうなど、ランクの高い使用人として高待遇を得ていたそう。宮殿の外でもチョコレートショップを開いてたんだとか。
当時のキッチンが2004年に「発見」されたんだそう。タイミングがあえば、当時のチョコレートの作り方の再現をしてくれるんだそうですが、今回は残念・・・。
もう少し子供が大きくなったら、一緒にお城の歴史ツアーに参加したりするのも楽しそうです。もっともっと色々と掘り下げて見たいなー、と思える場所でした。
次回はもっと朝早くに出て、のんびりピクニックしたり、ツアーに参加したり、もっと歴史再現を見てみたいかも。次回があればだけどね。