愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

アメリカ大使館で再入国許可証

グリーンカード=あなた外国人ですけど、アメリカにずっと住んでいいですよ、という永住権。

永住権を持ったままアメリカ国外に長く住んでいると、永住するという意思がないものとみなされることもある。私が色々読んだ限りでは、「永住権を持ったままアメリカ国外に出てもいいのは、一年のうち半年間まで」という理解。

人によっては、半年に一回アメリカに入国すればいいのだ、と行って行き来している人もいるけれど、これはどうなんでしょう?通算で半年はアメリカに住んでいなければいけないのとは違うのかな?そこらへんがなんだかよくわからない。

夫の仕事とはいえ、しばらくアメリカを離れることになるため、「再入国許可証(re-entry permit)」なるものに申し込んだ。これは永住権保持者が1年のうち半年以上アメリカを離れる時に申し込むもので、最大2年まで有効。これからアメリカに帰るときは、グリーンカードとこのパーミットを見せることになる。

更新延長はできなくて、切れる前にその都度アメリカに戻って新たに申し込まないといけないらしい。一度に600ドルですよ!我が家はイギリスに永住するつもりはないし、いずれはアメリカに戻ることになるけれど、はっきりいつになるかわからないので、次の申し込みもしないといけないかもしれない。ちょっとここら辺はドキドキするところだ。

3月頃申し込んだが、発行に何ヶ月かかるかわからなかったので、自宅に送ってもらうのではなく、発行されたらロンドンのアメリカ大使館に送っておいてもらい、イギリスに着いたら取りに行く、というオプションを選んだ。

結局こういう仕事は早い移民局、私達がアメリカを発つ前に発行完了、パーミットは私より一足先にロンドンに到着していた。大使館のウェブサイトに、大使館が預かっているパーミットの受領番号が掲載されている。これがすごくて、ただ番号をPDFのリストにして上げているだけ。結構発行されたのに取りに行っていない人がたくさんいて、2016年に届いたまま保管されているのもあったw

アメリカ大使館は最近お引越しをして、今はテムズ川の南、Vauxhallというところにある。以前はハイドパークの近くのGrosvenor Squareという、銀座ぽい感じのところにあったのだが、当時の古ぼけた建物と比べると、ものすごく近未来的。


周辺地域も、再開発が進められている地域で、工事現場だらけ。そして大使館の周辺にどーんと近代的なハイライズのアパートが立ち並んでいてかなり無機質な感じ。この周辺にものすごく巨大なショッピングモールなどの複合施設の建設も進められるらしい。

オレンジハゲ隠し野郎がなぜかこの新しい大使館のことをディスっていたが、セキュリティ的にも新しい建物は強固だし、だいたいこの移動を決定したのはブッシュ(多分息子の方?)なんだそうな。

実際中に入ると、スタートレックの何かのセットにいるような感じで全てが白くて、巨大で、綺麗で近未来的。白と透明の板の組み合わせ、みたいな(語彙が・・)。さすが世界都市のロンドンにふさわしい大使館。中に入るとうおおおおってなるもの。

エレベーターの前の壁にロバートケネディの言葉が引用して彫ってあった、気にして見ていたわけではないが、そういえばどこにも大統領の写真がかけられていなかったような気もする。

職員はイギリス人も多かった、みんな親切だった。そして無事に緑色のパスポートのような形をしているパーミットをもらって帰ってきた。

さて今回、アメリカ人の夫とアメリカ人の子供と日本人の私が、イギリスという第三国に住むことになったわけだが、私の永住権保持のためには結構短期スパンでアメリカに帰らないといけない。これが例えばイギリスがすごく気に入って、10年ぐらい住んでからアメリカに戻ろう・・と思っても、そう気軽に簡単に決められない。

アメリカ国外に出ることになって初めて気がついたんだけど、永住権を取ると国外に出にくい。今回はイギリスだったけど、日本に好きなだけ滞在して住むことも実はそんなに気軽にはできないんだなあ、ということもひしひしと感じた。

アメリカ市民権とっておけば良かったかな・・と悔やんだ一瞬だった。そうしたらそんなこと気にせずに、自分の都合でアメリカに帰る時を決められる。あー、日本がちゃんと二重国籍認めてくれたらいいのになあ・・

まあ私の場合は個人的な都合だが、現実的に優秀な研究者とかエンジニアとか、ビジネス界のできるグローバル人材(笑)など、すでに頭脳流出は起きているわけで、そういう人達が永住権をとって落ち着いてしまうと、彼らも長期的に日本には帰りづらくなるんじゃないだろうか?何か国を動かす巨大プロジェクト!とか、会社を一から立て直してください!と言われても、うーんちょっとねぇ・・ってなったりしない???

経済的にも何かもったいない。税金だってその分入らないだろうし。

などとつらつら考えながら、全ての場所で合法的に滞在できる手続きを粛々と進めるのでありました。