愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

Social Crimes: A Novel by Jane Stanton Hitchcock

日本でもアメリカでも、本屋に寄るのは好きなのだけど、いざ買うとなると何を買ったらいいのかよくわからない。別に固定して好きな作家がいるわけでもないし、意外と本代ってかさむし。アメリカのありがたいことは、ソファーとカフェがついていて、いつまでも長居できる本屋さんが多いので、いざとなったらそこに居座って本のタダ読みができちゃうところ。しょっちゅうこれをやるのはつらいが、今までに買うまでもないが読んでみたいかな、と思った小説のうち4冊ぐらいは本屋で読破したかも。


で、週末、旅行のガイドブックを探しに行った時にたまたま手にとったのがこの本。しょーもなそう、とおもいつつめくっていたら、ニューヨークのハイ・ソサエティーで起こるスキャンダル、殺人、みたいな話で、ついついはまってしまい、最初の2章ぐらいを読み終わったところで時間切れ。また時間があったら・・・と思っていたら、だんながこっそりアマゾンで注文してくれていた。でも、ほんとしょーもない話なんですよ、これが・・・せめて古本屋で買えばよかったかも・・・。でもあまりにも典型的なソープオペラすぎて、読み出したらとまらない。


お話は、オクラホマの田舎でニューヨークの大富豪と出会い結婚した女の人が主人公。であったとき、彼女は20代で大富豪は50代という典型的パターン。大富豪は奥さんが死んだのをいいことに、このおねえちゃんと結婚。その後仲良く20年連れ添い、ニューヨークの社交界の中心として華麗な生活を送っていたところに、若い未亡人、しかもフランス人、しかも元伯爵夫人が出現。奥さんとこの伯爵夫人は仲良い友達になるのだけど、ある日ダンナが心臓発作で急死、遺言状を開けてびっくり、この伯爵夫人が遺産相続することに。全てを奪われ、わなにはめられたことを知った彼女は復讐を誓う・・・って、なんか何とかミステリー文庫みたいや・・・。


でもアホなのは、このおばさん、普通の小説の主人公みたいに用意周到ではないので、莫大な財産を受け継いだ伯爵夫人に思いつきで嫌がらせをするもんだから、逆に賢い伯爵夫人にめちゃめちゃやられ返されちゃう。それで読む章ごとに、このおばちゃんがずたぼろになっていく・・・。アホや、と思いながらも、ここまでされたらどんなすばらしい復讐を最後にするのかわくわくしてしまい、結局昨日の夕食後、一気に読んでしまった・・・そして気がついたら夜中の3時半であった・・・。あ〜


絶対これは奥様お昼の劇場とかでやったら人気になる・・・・というか、テレムンド(ヒスパニック専門チャンネル)のソープオペラとかで既にやってそう・・。豪華なドレスを着た上流階級の化粧けばけばのおばちゃんが、ワイングラスを持った手を怒りにまかせてわなわな震わせるとかさー。


でもハイ・ソサエティーなんて実際こんなもんなんだろうなー。毎晩着飾って、オペラとか見に行って、パーティーに出て、慈善事業やって・・・。でも金の切れ目が縁の切れ目というか、落ちぶれるとあっという間にゴシップのネタにはされるわ、取り巻きはいなくなるわ。実際にニューヨークタイムズとかワシントンポストとかを読んでいると、社交欄みたいなのがあって、どこの誰がどのパーティーに出たとか出ないとか、写真つきで紹介されてたりする。社交界専門の雑誌とかもあって、そこにはセントラルパーク沿いの18億円もするコンドミニアムの広告やら、メイド・執事紹介サービスやら、豪華だけど、毎晩こんなこと繰り返してたら滑稽に感じるに違いないパーティーの写真などが載っている。ま、興味のある人は見てみてください。http://www.newyorksocialdiary.com/partypictures.php 


この本、既に映画化の話が出ているらしい・・・Telephone Boothとか監督した人がやるんだって・・・。TVドラマでとめとけばいいのに。こけそう。