年末に訪れた美しい街ブルージュ。そんなブルージュを舞台にしたこんな映画があります
(アマゾンのストリーミングで見れます)殺し屋達の鎮魂歌・・洋画の日本語タイトルってなんでこうなるの・・
もともとのタイトルは、In Bruges、ブルージュにて、ぐらいなもん。
ブルージュに行く前に旦那がウヒャウヒャ笑いながら見ていたのと、ブルージュに行ったと言ったところ同僚にもおすすめされたので、旅のあとで見てみました。
コリン・ファレルが主演しているこの映画。まだまだ経験の浅いヒットマンの彼がヘマをやらかしたため、ほとぼりが冷めるまで身を隠しておくようにとボス(レイフ・ファインズ)に言われ、世話役先輩ヒットマンのおっちゃん(ブレンダン・グリーソン)と一緒に送られたのがクリスマス前後のブルージュ。
殺し屋には似合わない、可愛らしくておとぎ話のような小さな街に滞在することになった2人。
それでも先輩のおっちゃんはブルージュ散策を大いに楽しみ、こんなしけたところに閉じ込められているのは嫌だと騒いでいたコリン・ファレルも、麻薬の売人をしている地元の女の子や、映画撮影でブルージュに来ているアメリカ人の小人症の俳優などと知り合っていきます。
しかしヘマの責任はとってもらおうと、先輩ヒットマンに彼を殺すよう命令するボス。そしてそれを躊躇する先輩ヒットマン。そしてあれやこれや、ワチャワチャ色々ある映画です(いつもながら、はしょりすぎ)。
と書くとすごくベタなギャング映画っぽいんですが、実はこれ、なかなか良いブラック・コメディでした。
ドンパチドタバタやってワハハ、っていう感じのアクションコメディでは決してないんです。かなりダークだし、最後救われる話かというとそうでもない。でも最後、ああ、こうなるか、とストンとなる。
そしてこんなことが、こんな平和で美しい場所で起きている、というコントラストがなんとも言えないのと、ちょっと皮肉なセリフにうひゃ、と笑ってしまいます。
ブルージュではロケ地となったバーにこんなんが出ていました
この塔のてっぺんで、あんなことやこんなことが、ああ・・。
あの先輩ヒットマンは、なんであそこまで「優しい」んだろう。
そしてこの映画に出てくる女性2名、麻薬密売人の女の子と、宿屋のおかみさんは、どちらも何か吹っ切れた、不思議な強さを持った感じのキャラクターに描かれています。ちょっとこれは監督の理想の女性像じゃないかなと思った。
そして最後のボスの筋の通し方・・思えばそれぞれのキャラクター、ある意味みんな純粋な感じもします。これはかなり仁義と任侠の理想像みたいな映画なのかも。
コリン・ファレルも、ブレンダン・グリーソン(ハリーポッターでマッドアイ・ムーディーだった人)もアイルランド出身の役者で、映画の中でも役柄はアイリッシュのヒットマン。バリバリのアイルランド訛りで話している素朴な感じな2人もなかなか良いです。
そしてコリン・ファレル、彼の映画を今まであまり見たことがなくて、ベタな役者なのかなと思っていたら、いやいやどうして。ぶっといハッチョロ眉毛をさらに下げまくって、これまたヒットマンにしては素朴で純粋でないかい?と思える感じの、迷えるヒットマンの兄ちゃんを演じています。ってこの演技でゴールデングローブ取ってたのか。
脚本もアカデミー賞にノミネートされたんだそう。
そんなことを差し引いても、結構好きな映画でした。日本では公開されなかったのかな?広く一般におすすめできる映画ではないかもしれないけど、好きな人は好きなはずです。
おまけ豆知識:クリスマス前後のブルージュは、あんなに空いてないw
おまけ日記:アメリカの中西部の天気がすごいことになってますが、イギリスにも寒波が来ているようで雪模様。と言ってもロンドンは場所によって降ったり止んだり・・。昨晩は夜じゅう降るような話にもなっていたので朝楽しみに起きたら・・なーんにもなかった。今日も時々雪がちらつきますがほぼ冷たい雨。そんな中、川沿いを歩いたら凍えました。生きてる証拠やね!