愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 ふりぽー!


結婚式の後、徒歩で向かったのはリストランテ・フリポー(Ristorante Flipot)。昨日行った、「ワインセラーの熊ちゃん」の兄弟店のようです。なんとなく古めかしい内装、古いピアノがあったり、とってもクラシックな雰囲気。


まずは入り口近辺にぎゅうぎゅう詰めになって、みんなでワーキャーとオードブルを頂いております。


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食べ物にたどり着く間にも、老若男女、何人もの人から声をかけていただきました。「あなたが日本人の友達のまりちゃんね!ベッちゃんからもう色んな話を聞いてるよ」「フルート良かったよ」と本当にびっくりするぐらい、色んな人が私のことを知っていて、驚きました。でもそれだけ、普段からベッちゃんが私のことを周囲の人にわーわー言ってたんだな、と思うとすごく嬉しかったです。


テーブルには、わざわざ「英語がわかるお友達」を配置してくれていたベッちゃん。その中には、ニューヨーク在住のべっちゃんのいとこもいました。私たちがニューヨークで丁稚奉公している時も、彼女がたまに晩御飯を食べに行ったりしていたいとこ。いつも話にはのぼっていたものの、会ったことの無かった彼女にもここで初めて対面。彼女も、当時からずっと私のことはベッちゃんから聞いていたらしく、「うわー、とうとう会えたね!」とお互いが実在の人物であることを確認しあって喜んだり。そして、ベッちゃんのもう一人のいとこは日本人女性と結婚して東京在住なんだとか!今回奥さんは来なかったけど、彼だけ東京から参加。思いがけず、日本語でもおしゃべりすることができました。そしてベッちゃんの同僚で、サルディニア島出身のAちゃん。サルディニアには、私のもう一人のイタリア人の友人がおり、以前訪れたことがあったので、ここでも思いがけず、地元の話でもりあがったり。


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そして、もうすんばらしいお食事のオンパレードです。ちゃーんとメニューを持って帰ってきたので、一応どれが何の料理だかわかるぞ!


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Insalata di Erbe di Campo, Mele Golden, Funghi Porcini all’Olio di Noci
野生のハーブ、りんご、ポルチーニ茸のサラダ、くるみオイル


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Sformatino di Erbe di Campo e Petali di Topinanbour alla Fonduta Dolce di Toma d’Alpeggio


いわゆる「フラン」です。中はハーブ、かな。ちなみに上に載ってるスライスは、「キクイモ」です。


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Cipolla Cotta nel Sale Farcita ai Tre Arrosti ed Amaretti


この玉葱が・・・・今回の料理のなかでも、このシンプルなやつが、うおーーーー!という位深くて美味しかったです。


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Raviolini di Guinca e Punte di Ortica al Timo Serpillo di Montagna


ラビオリのちっちゃいの。中に入ってるのは、メニューがイタリア語なので、もちろん何だかよくわからない。周囲の人に聞いても、「イタリア語でもよくわからない」・・でも突然だれかが、これは英語で「Poison Ivy」だよきっと!とな。えー!!山の中で、間違って触っちゃうとかぶれたり痒くなったりするアレですか!実際は、Poison Ivyじゃなくて、Stinging nettle(イラクサ)のようです。でもこれも、ヘタに皮膚にさわると痛くなったりして大変らしい!触って毒になるものも、料理しちゃえば美味しいのね。タイムも入ってます。Guincaはたぶん何かのお肉なんだけど、なんだろう。


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Cosciotto di Agnello cotto el Fieno Maggengo
Patate arrostite alla Cenere


羊さんの足を牧草で包んで焼いたもの。野性味たっぷりなお味です。でもこのお肉が来るころにはお腹がいっぱいで、最後まで食べきれなかった。


でも最後の最後にこれです!どーん!


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ピエモンテ産のチーズプレート!!!!!テーブルいっぱいに並べられたチーズの数々。ピーポ君のお父さんがチーズ大好きで、披露宴のディナーにはぜったいチーズ欲しい!というリクエストを出したんだそうです。ピーポパパ、ありがとう!!!!


なんですかこのワラみたいな、草みたいなのに包まれたのは!


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どれが何の種類なんだかはよくわからないまま全部いただいちゃいましたが、臭いのあり、強いのあり、優しいのあり。強すぎるのは、はちみつで中和していただきます。


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いただいたワインはこちら。


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この他に、Moscato d’Asti Az. Agr. Mustela 2008, Brut Arturo Bersano Riserva 2007


それにしても、このテーブルで一番輝いていた(?!)のは旦那かも。よく喋るし、背は高いし、声はでかいし、ジェスチャーはイタリア人以上に大げさだし、そして酒にも強い。そして国際関係オタク(?)なので、ヨーロッパの歴史にそれはそれは詳しく、さらに映画オタクなのでイタリア映画にも詳しく、話は盛り上がりまくる。イタリア人にとっても、旦那はアジア人のステレオタイプから完全にかけ離れているものだから、面白かったみたい。なんだかみんなの注目の的、話題の中心になってました(苦笑)。話が1968年のヨーロッパの社会運動の話になったとき、酒が回ったのか、熱弁を奮いながら、いきなり全然意味のない場所で感極まり、急に涙声になる旦那。何なんだ一体。恥ずかしい・・・。


丁稚時代にも思ったのだけれど、イタリア人と話していると、結構歴史とか政治の話が普通に出てくるような気がする。といって、知識をひけらかすためという感じの話し方ではなくて、本当にさらっと普通に当たり前に出てくる。そしてその話が面白い。歴史が長いだけ、それが普通の知識としてあったり、そしてその存在がもっと近いのかも。披露宴のテーブルでは、ずっとそんな話が繰り広げられていました。


そして、ブレにブレてしまったウェディングケーキの写真


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ウェディングケーキはミルフィーユ!後でベッちゃんに聞いたところによると、実はこのケーキ、注文とは違うものだったんだそうですが、いや奥さん、今まで行った結婚式で食べたケーキの中で、一番美味しかった!!お腹いっぱいだったのに、おかわりしたい位。


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そして新郎新婦がテーブルをまわって、砂糖がけのアーモンドを配ります。


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もうこの時点でお腹ぱんぱん。最後にまた出てきたこんなデザート・・・一個も食べられませんでした。もう何週間もたってこの日記を書いている時点で、ああ食べておけば良かったのにと後悔してももう遅し。


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この日記を書くにあたって、この素晴らしく美味しかったレストラン、何だったんだろう・・と調べてみたら、実はこのレストラン、ミシュラン2つ星なんですって。へぇ。そして急に話は飛びますが、最近読んでいるイタリア料理に関する本の中で、本場のイタリア料理を習得するために、世界中からイタリアにやってきて、「インターン」として無給で地元のイタリアンレストランで働く、「キッチン奴隷」の話があります。そして「キッチン奴隷」で一番多いのは、日本人なんですって。今回の旅で、美味しいレストランで食事するたびに、旦那は「この厨房の奥には、日本人やアメリカ人のキッチン奴隷が働いてるのかもしれないなあ」なんて言っていましたが、実際ネットでこのレストランの名前を検索していたら、ここで修行した日本人がかなりの数いることも判明。そして、イタリア旅行中、このレストランを目指してわざわざトッレ・ペリチェにご飯を食べに行く日本人もいるらしい。ブログ記事もヒットして、これまたびっくり。恐るべし、ピエモンテ。恐るべし、食いしん坊日本人!素晴らしい。日本でも、トッレ・ペリチェの味が楽しめるなんて。本当に何でもあるなあ、日本。


朝日新聞のこんな古い記事は、羊の牧草包み焼きのレシピまでついてました。
http://www.asahi.com/life/food/italian/TKY200506020275.html


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宴もたけなわ。ダンスも何もない披露宴ではありましたが、最後には新郎新婦からみんなへ感謝の言葉あり、それを皮切りに色んな人がかってに演説をはじめ、「バーチョ!バーチョ!(キスしろ!)」の大合唱あり、みんなワインでほろ酔い気分で、楽しくあったかく、そしてなにより美味しかった披露宴でした。お客さんが帰り始めた頃にはとっぷり日も暮れ。ようやくベッちゃんと話し込む時間もでき。


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最後の最後にお開きになった後には、お疲れの新郎新婦はそっとしておいて、若いもんでまた飲みにいきました。あれだけ飲んだ後で、さらに1リットルのビールを空けた旦那。さらにみんなから面白がられていました。


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いやー、いい一日だったね。


Ristorante FLIPOT
http://www.flipot.com
Corso Antonio Gramsci 17 - 10066 TORRE PELLICE
Tel +39012191236 Fax +390121953465