愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

クロアチア③:ディオクレティアヌスさん家

スプリットの街並みは、過去に廻った地中海の国の色々な旧市街を思い出させる佇まいがある。

色々な勢力に支配されていたことで、実際建物の中にはなんとなくトルコ風だったり、ウィーン風だったり、ベネチア風だったりするものもある。


しかしなによりこのスプリットの旧市街のユニークなところは、ローマ時代の皇帝が、自分が隠居するために建てた宮殿がもとになっているということ。

宮殿を建てたのはこの人、ディオクレティアヌスさん。

皇帝になったのは284年、日本はまだ古墳時代だったころですよ。

ローマ皇帝の中で唯一、引退しまーす!と宣言してちゃんと引退できた皇帝だそうで(他の皇帝は殺されたり在位中に死んだりしている)、生まれ故郷近くのこの場所に宮殿を作り、予告通りここに引っ込んだんだとか。

ローマ帝国が崩壊した後は、ここに人が住みつき街が形成されていったそうで、実際に城壁を見ると普通に窓があり、アパートや店舗の一部になっているのがわかる。

宮殿といっても全部が皇帝の住まいというよりは、要塞的な感じだったらしい。

ローマ帝国が滅びてからは、ここが宮殿だったということもしばらくは忘れ去られていたが、今は世界遺産になっているとのこと。

Youは何しにクロアチア

エジプトからぶんどってきたらしいスフィンクスの像が、もう何千年もしれっとここに置いてある。

宮殿の地下も見学できる。古代ローマの建築がここまでキレイに残っているのは珍しいらしい。

地下は貯蔵庫として使われたり、油を搾る作業をしたりする場所としても使われていた。そして何よりも最近は「ゲーム・オブ・スローンズ」の撮影に使われたことでも有名。

クロアチア共和国文化遺産に座らないように!」

古墳時代の建物の上に、人々が知らず知らずのうちに座るどころか住み着いちゃったと思うとこれまた壮大な話。