愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

穴・ジョンキエール嬢・クリスマス映画

最近見た映画を羅列するよ。

Holes

穴 / HOLES [DVD]

穴 / HOLES [DVD]

  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: DVD

子供が学校の「国語(つまりは英語)」のクラスで読んだ本の映画版。本を読んだあと、クラスでも見たそうだけれど、子供の希望で家族でも再度鑑賞。

舞台はアメリカ、テキサス。無実の罪で逮捕された不運な男の子が、ひたすら穴を掘ることを強要される矯正施設に送られる。

干上がり、灼熱地獄で不毛の地となっている湖だった場所で、朝から晩までただ穴を掘る作業、名目上は子供達の根性を叩きなおすため、という理由だが、実は隠された別の理由があって・・という話。

最後に色々な要素がカチっとはまるというか、伏線がだーっと一気に回収されるというか、おおそういうことだったのか!と気持ちよく終わる良い話でした。

主人公役は、見たことあるなあと思ったらトランスフォーマーに出ていた人。その他にもシガニー・ウィーバージョン・ヴォイトパトリシア・アークエットなど結構豪華キャスト。

イギリスの小学校でもアメリカの本を読むのは意外だった、しかもこの本、アメリカの一部の学校では表現をめぐって親からの抗議があり、場所によっては「禁書」になったとか!そんな本を選んだところも、ナイスチョイス。

アメリカ英語の言い回しなど、イギリスの同級生には良くわからない部分はうちの子ともう一人アメリカ人の同級生が色々説明してあげたそう。

Holes (English Edition)

Holes (English Edition)

穴 HOLES (講談社文庫)

穴 HOLES (講談社文庫)

Lady J

Netflixではまったおフランスのテレビドラマ「Call my agent」。芸能事務所を舞台にしたドラマで、毎回ゲストに有名俳優が本人役で出てくるのが面白い。

このドラマに出てきた本物の俳優さん達の作品を見てみようと、Netflixで見つけたのが、ドラマの第一話に登場したセシル・ドゥ・フランス主演の映画。

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おフランス語のタイトルは「Mademoiselle de Joncquières(ジョンキエール嬢)」、英語版のタイトルは「Lady J」。

でもここに出てくる「ジョンキエール嬢」が主人公、というわけでもなく、セシル・ドゥ・フランス扮する未亡人が、女好きの侯爵に引っかかったあげくに捨てられてしまい、その復讐のためにちょっといわくつきの「ジョンキエール嬢」を使って侯爵を陥れようとする話。

キャストの数も動きも少なく、結構淡々とお貴族の会話が続く、いかにもおフランスで作られそうな感じの映画。そしてこの映画の原作は「運命論者ジャックとその主人」という1796年に書かれた本だというからさもありなん。

従者ジャックとそのご主人が旅の間の退屈しのぎに、男女関係のあれこれを語ったもので、このジョンキエール嬢の話も、その中のエピソードの一つなんだそう。この本、主人が色々話をする間、途中でどんどん邪魔や茶々が入って話が進まなかったりと、面白いフォーマットになっているんだそうです。

フランスの古典文学の映像化、で急に思い出したのが、学生時代フランスの友人宅でクリスマス休暇を過ごした時、パリにある友人の親戚のおばあちゃん家で見たスタンダールの「赤と黒」のテレビドラマ版。

食後につけたテレビでやっていて、結構な愛憎劇にみんな引き込まれてしまったのだけれど、連続ドラマだったのでちょうど良いところで「次回へ続く」になってしまい、友人とおばあちゃんと3人でこの続きどうなるのー!とキャーキャー大騒ぎに。

途中でハッとおばあちゃんが本棚に原作本があることを思い出し、大急ぎで本を持って来て、結末がどうなるか、本の一番最後のページを開いて読みあげ始めたのだけれど、最後の1ページだけ読んだだけで話の流れがわかる訳もなく、3人で大笑いした思い出が。かわいいおばあちゃんだったなあ。

家の本棚にちゃんと「赤と黒」があったというのも今思うといい感じだなあ。果たしてあのおばあちゃんの棚に「運命論者ジャックとその主人」はあっただろうか。

とにかくこの映画は、出てくる衣装やお屋敷のインテリアなどビジュアルがとても素敵。

復讐劇もなんとなくベルばらにありそうな古典的な感じ(ローアン大司教を騙す、みたいな)で、結構安心して(?)見ていられる。いかにもクラシック、という感じの話だけれど、ビジュアルの美しさのせいか、退屈には思わなかった。

あと友人役で、Call my agentにノエミ役で出ていたロール・カラミーが出ていたのも良かった!

marichan.hatenablog.com

Nativity3

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子供のクリスマス映画といえば、アメリカだったらホームアローンとか、シュワちゃんがおもちゃ取り合っててんやわんやの大騒ぎになるやつとか?色々クラシックなものがあるけれど、これはイギリスに来るまでその存在を知るよしもなかった、コテコテイギリスの小学生向け映画。

完全に子供のチョイスで見たこの映画、シリーズ物になっていて、既にこのシリーズの1,2も過去のクリスマスに見させられているw

我が子の学校もそうだけれど、イギリスの小学校は、公立でもクリスマスは学校行事として、全校生徒が教会に行って歌歌ったり聖書読んだり、キリスト降誕劇(Nativity)をやったりする。

映画では毎回、この降誕劇の出し物をめぐって色々とてんやわんやの大騒ぎが起こる。たいていは学校対抗の何かしらの大会があり、子供達が歌って踊るミュージカル仕立てなのだが、今回あったのは「クリスマスフラッシュモブ大会」w

そしてこの3作目ではOFSTED(教育監査局)の視察官が来るというので校長先生が大騒ぎして、色々対策を講じようとしたのがてんやわんやの発端で…というのもイギリスならでは(笑)この視察で学校のランクというか評価が決まるので、実際かなりプレッシャーは切実なのだった。

この映画のシリーズ1,2にはなんとデイヴィッド・テナントが出ている。

あとThe Crownでハロルド・ウィルソン首相役でかなり真面目な演技をしていた俳優さんが、ライバルとして登場していて、変なかつらを被ってガンナムスタイル風のダンスナンバーを踊っていたりもする。

ロバに頭を蹴られて記憶喪失になり、バリバリの堅物から子供のようになり、アホなことをしまくるお父さん役の人はサーの称号を持つ役者さんだったりもする。

結構イギリス演劇界の守備範囲の広さを思い知らされると言えばそんな感じもする映画であるw