愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

憧れの生ジョージマイケル!!!


私の小中学生時代のアイドルといえば、光GENJIもまあそうなんですが、何といってもやっぱり「ジョージマイケル」そして「ワム!」でした。これもインド映画好きと同様、今となっては大声ではいえない感じになっていますが・・・(笑)ただ、当時好きだったアイドルもミュージシャンも、どういうきっかけで聴き始めたか大体覚えているのに、なぜかジョージマイケルだけはあんなにはまっていた割に、なぜ聴き始めたのかまったく思い出せません。ワム!の曲がキャッチーで楽しいというのもあったけれど、でも何といってもジョージマイケルのあの深くて伸びがあって美しい歌声にそれはもうはまりまくっていました。


といっても、90年代前半なんて、インターネットも何も無い時代・・・洋楽雑誌を買ってみたりして動向をなんとなくキャッチするものの、それほどお金と情報収集力がある中学生というわけでもなかったので、実際に動くワム!ジョージマイケルをビデオで見る機会はほとんどなく、アメリカの文通相手にもらった彼の写真の切り抜きを下敷きにはさんでみたり、ポスターを部屋に貼ってみたり、あとはもう一生懸命CDを聴くばかり。辞書を片手にがんばって英作文をして、ファンレターを書いて送ったこともありました。そうしたらジョージマイケルファンクラブから入会のお知らせみたいなダイレクトメールが、なぜか香港から来た・・・。入会しなかったけど。


アルバムFaithが出たときは、アメリカに出張に行ったおとうちゃんに頼んで現地でCDを買ってきてもらいましたが、今考えるといかにも日本のサラリーマンみたいな父ちゃんが、あのCDを購入する姿はちょっと滑稽だったに違いないです。お父ちゃん、ほんとありがとう。


FAITH

FAITH


多感で大きな夢はあって、でも学校はつまんなくて、早く大人の世界に入りたい、でもそんな考えばっかりで実際には力も知恵もなーんもなくて、とりあえずは目の前の受験勉強という壁にぶちあたって、将来への希望や不安で満ち溢れていた中学校時代。当時は前髪をカーラーで巻いて、ケープでスプレーして固めるというのが流行ってて、そのせいか、当時のジョージマイケルのアルバムを聴くと、そんな思いと共に、通っていた塾の夏期講習でがんがんにかかっていた冷房の中で、自分の前髪からぷーんと匂ってくるヘアスプレーの匂い、を思い出します(笑)


ジョージマイケルはツアーをするときは日本から始めていて、行きたいなあとぼんやりとは思ったものの、財力も行動力もない子供だし、ほかに行きたいという人もいないし、生ジョージを見るなんてことは当時は夢のまた夢でした・・。しかし昔洋楽雑誌の文通コーナーに「ジョージマイケル好きです」って載せてもらっていたことがあり、それをみて住所から電話番号を割り出したらしいぜんぜん知らない女の子から電話がかかってきて(当時は家の住所を雑誌に載せるなんて、おおらかな時代だったよな・・・)、「ジョージマイケルのファンなんですよね?コンサート行かないんですか?なんで行かないんですか?」なんていきなり問い詰められてものすごくびびったことも・・・。多分その子も一緒に行く人を探してたのかもしれないけど、好きとは言ってもそこまで行動を起こすことさえ考え付かなかった私はものすごく驚いたものでした。


そんなずっと憧れだった割に、ものすごーく遠い存在だったジョージマイケルがベイエリアに来るというからには、もう行かないわけにはいかない。もう財力も行動力も昔よりはある30代だし。でも一緒にジョージマイケル誰か行かない?と聞いて回るも、ジョージマイケルと聞いて苦笑するアメリカ人の友人達・・・くそぅ。仕方ないので旦那と2人だけで行ってきました。


結果:ほんっと、行ってよかった。ほんっとによかった。彼の歌声や昔の曲を聴いて、昔を思い出して感動するのかなあとも思ったけれど、ぜんぜんそんなことはなくて、自分の過去のおセンチな気持ちなんかどうでもよくて、ただただ今目の前で歌っている彼の声と、歌に感動した。特にアメリカ人の中には、昔彼がアイドル的な位置づけだったのもあるし、その後ゲイであることをカミングアウトしたこともあって、ジョージマイケルというと鼻でわらう人も多いのだけれど、本質を見ないでそういうことで判断する人はやっぱりアホというか、世の中の本当に素晴らしいものを享受できない可哀想な人たちだ!むきぃぃぃ!!ジョージ最高!!!!とまで思ってしまった。そういえば、会場の入り口でもゲイ反対、みたいなクリスチャンの人たちがプラカードを持ってプロテストをしていて、集まったお客さんたちのことまでののしり始めたので驚いた。あー、そういえばジョージマイケルってこういう攻撃の対象になるんだ。平日の夜、しかも地の果てサンノゼくんだりまでプロテストするようなことか?


Youtubeのリンクが埋め込み無効になっているのだけれど、なつかしのこの曲。ライブではゴスペルバージョン。日本でもCMで使われてた→http://jp.youtube.com/watch?v=O7Iiz1g1WLk


ワム!時代から最近のアルバムまで、バランスよくいろんな曲を歌ってくれたジョージさん。思えばもう御歳47歳。また髪の毛を伸ばされて、相変わらずのサングラス、そしてちょっとだけむっちりしてたかも。出てきたときは、きゃー!と思うと同時に、結構ちっちゃいギリシャ人のおっちゃんやんけー!とも思ってしまった。そしてジョージマイケルを見てわーきゃー騒いでいたファン層も、その服装からギャルかと思いきや実際には軽く40歳は過ぎているおばちゃん集団ばかり・・・私の隣は総髪白髪の白人カップルだったし、2列先に座っていたのは、私の両親ぐらいの歳格好のアジア人のカップル。そしてゲイのカップルもちらほら。なんて広いファン層なんだ・・・。


お尻ふりふりのFaith→http://www.youtube.com/watch?v=iSvHpvHFXU0


考えたらワム!のデビューが1982年、私が8歳の時なので、当時、今の私の年齢ぐらいだった人たちがワム!を聴き始めたとして、今60歳ぐらい。ワム!は中国で一番最初にコンサートを開いたポップスターでもあるので(人民服を着た当時の若者がワム!の音楽で踊っているドキュメンタリー映画がある)、あの中国人ぽい老夫婦、もしかしたらそれがきっかけて聴き始めた・・・なんてことがあったらおかしいね、なんて旦那と話してました。思えば私たちは観衆の中でも若いほうだったかもしれません。ひゃー。あと、すごくかわいかったのは、会場に入るために並んでいたときに、彼女にアイマスクをつけて、目隠しさせてつれてきている男の人がいたこと。サプライズなプレゼントだったんでしょうね。


走るときにたまに聴く曲。ビデオもすごい格好いい↓


自分が逮捕されたときのことをパロディにした歌「Outside」ではちゃんとおまわりさんのコスチュームで出てきました(笑)でもジョージマイケルが本当に素晴らしい歌い手だと思うのは、オリジナルもなのだけれど、ほかの人の曲をカバーして歌うとき。今回のコンサートでは歌わなかったけれど、ボニー・レイットのこの曲を彼が歌ったのをアルバムで聴いたとき、不覚にも涙がつつつーと出てきました。オリジナルではボニー・レイットがものすごいのんきな声で歌ってるのですが、彼がこの歌を歌ったとき、この歌の本当の意味というかその深さがものすごく見えてきて、悲しいのと切ないので号泣。ほかのビデオはいいから是非これはクリックして聴いてみて下さい・・・。↓



今回のコンサートではポリスのこの曲のカバーを。これも、妙にエネルギッシュなポリスのオリジナルより、歌の本質をさらけ出してしまっているというか、深いような気がしてしまう。



もうあまりの体験に何を書いていいのかようわからなくなって、ただのビデオ紹介みたいになってきたけれど、自分の憧れだったそのゆるぎない、美しい歌声を、時と場所を越えてとうとう目の前で聴くことができて、本当に幸せでございました。旦那曰く、私の目はハートになりっぱなしだったそうで(笑)結構ぎゃあぎゃあ騒いでいたかもしれません。もうこれが最後のツアーになるかも、という話だったので、余計にいってよかった。実はもう一度ぐらいツアーを追いかけていきたい位。あれからもう数日たってこれを書いているのに、今でも頭の中は彼の曲でいっぱい。一人でジョージマイケル祭り開催中です。


フレディーマーキュリーへのトリビュート。これも泣けるよ。この最後が特に泣けるのだけれど、実はジョージさん、観客にこれを仕向けるのが癖みたい・・というのも今回のコンサートでわかった・・・笑。