愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ショスタコの夜


同僚とだんなとサンフランシスコ・シンフォニー。オスヴァルト・ゴリジョフの「Last Round」ピアゾーラへのオマージュは弦楽隊が全員起立で演奏、「マッチョに・クールに・そして危険に」などという但し書き付き。


サンサーンスの「ピアノコンチェルト2番」はフランスのピヤニストジャン=イヴ・ティボーデ。バルコニー席でキーボードがよく見える場所からピアニストを見下ろす。1楽章はまだピアノに対話中?でも最後はピアニストの世界にずるずる引き込まれる。フランスのピアニストはやっぱり白バラが降っていたような(Fromのだめ)。


しめはショスタコ10番。スターリンにいぢめられ、なんとプロコフィエフやハチャトリアンまでショスタコさんをいぢめていたとは!芸術が政治に利用されていた不幸な時代の音楽は黒羽が降ってくるというかやっぱり色はグレー、短い春があってもやっぱり黒い何かが渦巻く感じ。少ない出番をじっと待つ後部列の打楽器管楽器の皆さんを観察するのも面白い。木管のソロが多いのもうれしい感じ、ピッコロ2本という設定も!ショスタコさんは自分のイニシアルをDE♭CB(レミ♭ドシ)という音に置き換えて曲に忍ばせていたとのこと、ひっそりこっそり忍ばせていたのかと、聞き逃すまいと耳をそばだてていたら、ここかしこからショスタコさんが「オレオレオレオレ」と激しく自己主張してきたのに同僚と笑う。


指揮はイスラエル死海を案内してくれた石立鉄男そっくりのツアーガイド・チャーリーにこれまたそっくりのセミヨン・ビシュコフ。何度かこのシンフォニーには足を運んだけれどはじめての大喝采。木管隊にはうおーと掛け声がかかるほどのスタンディングオベーションショスタコ好きになった!