愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

げげげのげ

近所のカフェで借りた水木しげるの本2冊読む。彼の話は面白いけどちょっと痛々しい。うまくいえないんだけど。働くって、なんだろー。


陳健一の両親の話「麻婆豆腐の女房」を読んでから麻婆豆腐が食べたくてしょうがない。ちなみにこの話、まもなく中華料理屋の陳家に嫁ぐ身として、読んでいてうんうん、わかる、という部分が沢山あって面白かった。父ちゃんが出身地の村に凱旋帰国してがっかりした話とか、包丁一本で仕事をわたりあるくとか、パパがママを大事にすることとか・・・。


料理の鉄人はアメリカでも大人気だし、この話をうまく翻訳できたら面白いかも、なんて思っている。ちなみにFood Channelで働いている知り合いがいるのだけれど、料理の鉄人の吹き替えプロダクションは日本でやっているとのこと。あのフクイサン!という呼びかけとか、臨場感がそのままうまく翻訳されているのはすごくいい仕事だと思う。ちょっと前に、料理の鉄人のロゴが入ったTシャツを着ているおばちゃんを見かけたことがあるけど、背中にはローマ字で大きく「Fukui-San!」と書いてあった・・・。


そういえば話は飛ぶが、この間買い物に行った時、レジの前に並んでいたヒスパニックのおばちゃんが持っていた大きな巾着袋・・・そこには「Mr. Croket」(スペルはママです)の文字が。よく見ると物まね四天王のコロッケが千政夫の物まねをしているイラストに、出身地KUMAMOTO、Bloodtype Oなどと書いてあるではないか。どこで手に入れたんですか、そんなもの。でも昔マンハッタンを歩いていたら、日本と全く接点の無さそうな、よぼよぼに年を取った黒人のおばちゃんが、なぜか阪神タイガースの帽子をかぶっていたことがあったな・・。


ええと、麻婆豆腐の話だっけ。家の近くに、どこにでもありそうな中華料理屋があるのだが、アメリカ人向けの酢豚とかそういう退屈なメニューのほかに、中国人向けの裏メニューを持っていて、北京語で話しかけるとそっちのメニューを持ってきてくれる。ブタの耳とかそういう嬉しいものが普通に出てくるのだけど、ここのシェフがどうやら四川省出身らしく、ちゃんとした本当の麻婆豆腐を出してくれるのだ。


日本で出てくる麻婆豆腐もかなり日本風に手が入っているのだけど、四川のやつは、黒胡椒とか山椒とかがたっぷり入っていて、黒っぽい。唐辛子で辛いというよりは、胡椒がものすごい利いてる感じで、鼻炎のひどい私にとっては、鼻が通る美味しさだったりする。陳健一の本を読んだ直後に勇んでこの店に行き、いつもの麻婆豆腐を食べようとしたのだけれど、ものすごいショックなことに、出てきたのはアメリカ人向けのブラウンソース麻婆豆腐だった。どうやらいつものシェフが居ないらしい。春節前でお休みなのか?オーナーと喧嘩して出て行ってしまったのか?すごく気になる・・・・