愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ヴェローナ8:どぉーもー

どーも、ドゥオーモでーす

ヴェローナの大聖堂(ドゥオーモ)はドゥオーモという名はついてはいるが、その前に見たアナスタシア教会のほうが大きいらしい。

しかし12世紀頃に建てられたらしいので、こちらのほうが随分古い。1187年とあったので、ちょうど義経が平泉に逃げた頃。それ以前には、もっと初期の、いわば古代クリスチャン的な教会がこの上には建っていたのだそう。

日も暮れそうな時間だったが、中に入ってみた。

何度も書くが、どうも教会というかキリスト教美術が苦手なので、やはりモゾモゾする。

教会は古いエリアと増築されたエリアがあり、古いほうは床を剥いで見ると昔のモザイクタイルが出てきたようで、そのままにしてある。

まだ通常の教会としても機能しているようだが、ほぼ遺跡に囲まれての礼拝になりそうだ。なんだろう、縄文時代貝塚を見ながらお経を読む気分とでもいうだろうか(違)

教会のもぞもぞポイントのもう一つは、墓標が教会の床に埋め込まれているという点もある。これはイギリスでも同じで、何ならロイヤルファミリーが埋葬されているような教会でもそうである。なので、墓石を踏みつけながらウロウロするような感じになる。これが日本人的感覚としてはどうも居心地が悪い。

モノによっては、上を人が歩きすぎてこうやって石が擦り切れてしまっているものも多い。そのうちツルツルのただの床となって、忘れ去られて行くのだろうな・・・、でもかろうじて顔の部分は彫りが深めになっているのが、なんとなく印象に残った。

詳細な装飾は別として、それでも大聖堂としての空間はやはり非日常を感じる場としては好きだ。

それに何よりも、パイプオルガンが好きだ。

金ぴかのマリア様もすごいが、昔の人などはやはりこういう空間に来て、自分よりも大きな存在を感じ(建てた人や組織の財力も)、畏怖の念を感じたことだろうな。

サムスミす

お友達が誘ってくれて、サムスミスのコンサートに行ってきた。しかも、初のロイヤル・アルバートホール。

さむすみす?とピンとこなくてもここらへんの曲は聞いたことがあるのではないだろうか、私も彼の曲はアメリカ時代に運転中のラジオで良く流れていていて認識した。あとこの歌はアニメ映画「Sing」でゴリラのジョニーがオーディションで歌った曲w

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BBCプロムなどクラシックのコンサートシリーズも開催されるこの場所、行きたいな行きたいなと思いつつ、中に入る機会が全くなかったのだが、とうとう行くことができた、しかもクラシックじゃないコンサートで!

1871年にできたホール、日本で言ったら明治3年からある。こういうコンサートだから、ファンがワーキャーしてごった返しているかと思ったが、円形劇場で至るところに入口があるせいか、ものすごくすんなりと入れて空いていた。

キャパは5200人ほどだそう。立派なパイプオルガンもしつらえてある。お友達がとってくれたチケット、普通の席だと思ったらなんとボックス席だった!

このホール、3-5階の層はみんなボックスっぽくなっている。階段を上り、あれ?私達の席は?違うところに来ちゃった?と少し迷っていたら係の人が私達のボックス席のドアの鍵を開けて入れてくれた!ヒョー!

ボックス席ゆうたら、後ろから売れない俳優に銃で撃たれて暗殺されるやつや!!(大統領じゃないから大丈夫)

後ろには荷物も置けるし、注文すると食べ物も持ってきてくれる。この席は4人席で前列の椅子はカップルが座ってた。

さてサムスミスである。

登場はStay with meで、やはり前奏がなるとうわーーーっと会場が盛り上がり、そこにすーっとマツコデラックス風の衣装を着たサムスミスがやって来た。この登場する前、した後、歌い出す前のうわーっとなる空気感がなんともいえず、良い。良かった。観客は最初から一緒に合唱しまくりであった。


(ビデオはこのツイートに4個貼ってあるのだが、ブログからだと一個しか見えない。ツイートをクリックすると見えることでしょう)

サムスミスの歌は結構バラード風というかスローな曲が多いので、うわーっと踊りまくる感じではない。どちらかというとじわーと聴く感じが多い気がする。歌詞も結構悲観的受身的恨み的といっては語弊があるが、ハッピーでノリノリでキャッチーという訳では必ずしもない。そのせいか、ファン層も大暴れする感はなく、結構シビルな感じ。

でもそんな中でも結構好きな「Latch」を歌ってくれた時は、ビデオの通りサムがジャンプ!と煽るのを待つことなく、嬉しくて飛び跳ねてしまった。この曲はDisclosureというデュオとのコラボ曲なのだが、彼の曲は結構他のミュージシャンとコラボしたもののほうが好きかもしれない。

しかし最近のコンサートは、ビデオ撮るのがオッケーであるがために、ビデオを撮って記録に残しておきたい気持ちと、その場の雰囲気と音楽に没頭したい衝動との葛藤が生まれてしまう。ちゃんとビデオを撮りたいと思うと手ぶれを気にしてじっとしてしまうし、ワーキャー言うのもちょっと控えてしまう。そういう点、ちょっと自分の中で整合がつかなかった感がある。

今動画を見てみると、前列の人達もたいていは携帯をかざしている。前に座っていたカップルも、コンサート中はお互いのことそっちのけでじーっと座ったまま動画撮ってた時間が長かった(笑)隣のボックス席に座っていた人は、携帯2個使いでずっと撮影しておりまさかネット中継してるのか?という感じであった。コ

ンサートを楽しみたいのか動画を撮りたいのか、みんな両方うまいことバランスをとってやっているのか。でもやっぱり動画を撮っておいたおかげで後から記憶をよみがえらせてまた反芻するきっかけにはなっている。うむむ。ちなみにこのコンサート、TikTokでライブ中継もしていたそう。

さてサムスミス、デビュー当時は見た感じもイギリスの地方でも見かけそうな典型的なイギリス兄ちゃんっぽくも見えたのだが、ノンバイナリーだというのをカミングアウトし、今の一人称はthey/themである。だから日本語で書く時には彼とよんではいけないのかもしれない、でもそういえば日本語では一人称としてのTheyの訳はどうなってるんだろう?

そんなサムのコンサート衣装もなかなか良かった。途中シャツを踊りながら脱ぐサービスも(笑)、会場をゲイバーみたいにするよ!と言っていたけれど、そういえばこのコンサートに来ている人は結構年齢層高めで、レディガガのコンサートがハロウィンパーティーみたいになるのとは違って、特にそういうフォロワーがいてワーキャーする感じでもなかったかも。

とつらつら色々書いてしまったが、生サムスミは、本当に本当に本当にとても良かったのだった。変な話、プロのぶれない声、パフォーマンス、知っている歌好きな歌を同じ空間で本人が目の前で歌っていて、空気を伝ってその周波数にまるっと包まれている感は本当になにものにも代えがたい感覚がある。

最後は(比較的)新曲Unholyをバックダンサーとの振り付け付きでやってスパーン!と終わらせたのも良かった。フューチャリングされているキムペトラスはトランスジェンダーの歌手なんだそうで、チャートのナンバーワンを数週間獲得したこの曲は、ノンバイナリーとトランスジェンダーの歌手が初めて1位を取ったある意味歴史的な曲なんだって!ということで最後にトロフィーを持ってお祝いも。

カミングアウトしたのがいつか実はよく知らなかったのだけれど、以前みたインタビューでも特に最近はもっと明るくポジティブな感じの歌を作ってる、みたいなことを言っていて、実際以前は実らない思い・・的な曲が多かった気がするけれど、こちらはある意味吹っ切れて自分の欲望に忠実な感じの歌になっている。TikTokとかダンス曲としても最近よく使われてる気がする。

それにしても、こうやってトップノッチのパフォーマンスをぽっと見に行けるところは本当にロンドンの良いところだなあと思う。サンフランシスコも都会といえば都会だが、やはりそこを拠点にしている、という人はあまりいないのでどうしても郊外の大きなスタジアムでツアーで来る、みたいな感じだったから。

ヴェローナ7:スーパー金持ちマッフェイさん家

ヴェローナ3日目。この街がすっかり気に入ってしまった。

大きな川もあり(水の近くにいつも住みたい)、お天気も良く(洗濯を干したらすぐ乾く)、太陽の日差しも程よく(じめじめのロンドンから来たから余計)、街並みは美しいがごみごみしていない。

川を渡れば旧市街だが、川をまた渡り返すと立派なアパート群、その一階に入るスーパーやカフェ、なんだか様相は違うのに日本の街中の住宅街をもっと広くしたような感覚もあって、懐かしい感じの居心地の良さもある。

泊まったAirBnBは川沿いのそんなアパートの一角だったが、中も新しく改装されていてとても快適だった。ロビーはちょっと古めかしいのだが、すごく不思議なことに義理両親の家と同じ匂いがした。義理両親の家の匂いは、中華米というかジャスミンライスみたで、料理のせいだと思ってたんだけど、あれは古い家の匂いなのだろうか???

前日中に入りそびれた教会を見学した後は、エルベ広場にあるパラッツォ・マッフェイ博物館に行った。ヴェローナの銀行家、スーパー金持ちマッフェイさんのお屋敷だった場所だそう。

前回も地元のお金持ちのお屋敷のアートコレクションを見たが、ここのは比べ物にならないほど良かった。また宗教画ばっかりだったら嫌だなと思いながら入ると、ものすごくセンスよく古いものと近現代のものをアレンジして置いてある。

なんならピカソなども普通に置いてある。

フォンタナ。子供の時にこの黄色いバージョンの写真を見て、アートって良く判らない、と言語化せずに思った記憶がある。

昔のヴェローナ。道が舗装されてないのと人々の服装が変わったのと、道端に寝転がらないだけで、街並みや橋や山の様子は昔から変わっていないんじゃないだろうか

そこらへんをウロウロしている学芸員さんたちのファッションもなんだか素敵だったので、素敵な袖ですねなどと思わず褒めてしまった

ちょっとだけ日本の浮世絵もあった、北斎の他に気になったのがこれ、説明では歌川国貞とあるが署名は豊国となっていて「???」あとで調べたけど浮世絵師も何代目とか襲名があったり名前を変えたりしていたらしい?ややこしい!ちなみにこれと同じものがヤフオクで4000円ぐらいで売られていた。

インスタ映えのコーナーもしっかりある。動くアートのインスタレーションもある。なんだかとても良くて楽しい。

エレベーターに乗って屋上に行くと、エルベ広場を望むことができる。なんでもこの屋敷は神殿跡に建てられたのだそうで、それにちなんでこういうギリシャ神話の神様の像が飾られているのだそう。

4年生位の時ギリシャ神話にドはまりした子供、神様の様相をちょっと見ただけですぐに誰でどの話かわかるので、いつもどれが誰かを解説してくれる。ついでにローマ数字も読めるので、色々なところに彫ってある年代なんかも読んでくれて便利である。

ちょうどお昼時だった広場、近隣の建物から食器の音がしたり、美味しそうな匂いや話し声が聞こえたりする。昔のスーパー金持ちは、こんなプライムロケーションに住んで、下々の者が行きかう姿を窓から見ていたのだろうかなあ。どんな風景だったんだろう。

助産師を呼べ!

9月にカリフォルニアに里帰りした時、あまりにアメリカへの里心がついてしまい、ロンドンに帰らなければいけないのに、このままではいけない・・・と「イギリスっぽいもの」を見て気分をイギリス寄りにしよう、と見始めたのが、イギリスのテレビドラマ「Call the Midwife」。

BBCのウェブサイト(イギリス在住者向け)、Netflixなどでも見られます

www.bbc.co.uk

おお、日本からだとアマゾンで見れる!プライムビデオまたはレンタルだと1話100円で見れるらしいぞ!日本語のタイトルは「コール・ザ・ミッドワイフ ロンドン助産婦物語」だそう、なるほど

第1話

第1話

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1950年代、戦後のロンドンは戦勝国とはいえドイツ軍からの空襲の被害や物資不足でまだまだ復興の真っ最中、特に労働者階級が多く住んだイーストエンドなどは、貧しい人達があまり衛生状況も環境も良くないところで、重なり合うように生活している。

このドラマは、そんなイーストエンドにある修道院(といっていいのかな)を拠点に、助産師、ナースとして町の人達の世話に奔走する修道女とナースの物語。

これが、イギリスにおける妊娠出産、そして医療の変遷、そして人々の暮らしや考え方、文化の変遷を知る上ですごく面白い上に、なかなかハートウォーミングで一度見出したらハマりにハマってしまいました。

国民全員に無料で医療サービスを提供し始めたのはイギリスが最初だそうで、このナースや医療資格を持つ修道女も、地元の医者とタッグを組み、そういった医療サービスの一部として、自転車に乗り往診をし、自宅出産の世話をする。

それぞれの出産にドラマや色々な背景があり、なんというか、無理やり表現すると、NHKの連続朝ドラと、コウノドリを混ぜたような要素もある感じのドラマです。

なにしろシーズン11まである長寿番組。朝ドラ要素は、働く女性が主人公であり、キャストの入れ替えはあるものの、ナースや修道女、地元の医者や彼らを取り巻く下町イーストエンドの人々・・と毎回おなじみの顔が出てくるので、色々なキャラクターに愛着がわいてくるところ。

そして舞台がロンドンの「下町」なので、イギリスにおける色んな義理人情的な部分も見れる。一方で、当時の価値観の変化も見て取れるので、例えばカリブ海アイルランドパキスタンなどからの移民に対する人々の態度、妊娠中絶に対する考え(と法律の変遷)、シングルマザーの問題など、人々の厳しい偏見や残酷な面も明らかになる。

さらに朝ドラっぽいなあと思うのが、当時はやった音楽(「ママー、ローリングストーンズのコンサートに行ってもいい?」)、当時皆が食べていたお菓子(日本だったらグリコのなんとかみたいな感じの)、皆がテレビを囲んでみている番組や流行のファッション、そしてちょっとした当時の事件やイベント(イギリスがワールドカップで優勝したり、ケネディが暗殺されたり、女王様が出産したり)などが、ドラマの中でちょこちょこ小道具として出てくるところ。

日本の朝ドラも、そんな感じじゃないですか?これが、イギリスに来てまだまだ日が浅い私にとっては、イギリス人の「懐かしポイント」がどういうのか良く判って、すごく参考になりました。

長寿ドラマなので、舞台も1950年代から60年代になると、人々の暮らしも、日本風に言うといわゆる長屋っぽい暮らしから、団地っぽい暮らしに変わったり、ファッションもどんどん明るく大胆になって行くのを見るのも面白い。

そして出産に限らず、様々な医療の変遷も見て取れます。興味深かったのが、人々が病院というものに当初非常に恐怖と不信感を持っていたという点。国民医療が無かった時代は、病院、というかそういう施設は、貧困層がぶち込まれて動物のように扱われる場所、というイメージも強かったようだし、きちんと免許を持たない民間医療に頼ることもあったのでしょう、なかなか医者に行きたがらない人も多かったよう。

出産も自宅でするのが当然で、産院だと至れり尽くせりのお世話をしてもらえる、というのは到底信じられなかったようです。一方、助産師が家に定期的に立ち寄りチェックアップをしたり、それが終わればお茶を飲みながら世間話をして関係を築いた上での出産というのは、今の時代にとっては非常に贅沢にも感じました。

ドラマではこの他にも、サリドマイド児やアフリカにおける女性の割礼問題、出産時の麻酔の導入など毎回様々な話題を取り上げています。

あまりに夢中になって見過ぎて、11シーズンあるドラマをほぼ1か月半ぐらいで見終えてしまいました。この番組は毎年クリスマスにスペシャルエピソードが放送され、そこから新しいシーズンが始まるのですが、2022年のクリスマススペシャルはリアルタイムで見れるのが本当に楽しみ!

ロンドンに住んでいますが、このドラマの舞台になっているイーストエンドにいるような、生粋のイギリス人、という人達と実際に知り合いになったり、やりとりする機会というのは意外になかなかありません。時々スーパーやお店の人、タクシーの運転手さんでいるかな・・といった程度。時に彼らの独特の訛りが何言ってるかわかんない!なんていう事もあり、時にそういう人達と出会うとどう対応していいのかわからなくて、ドギマギしてしまうこともあったり。

このドラマを見てさらに良かったなと思ったのは、時代設定は違えど、普段あまり交流する機会がないイーストエンドの人達をより身近に感じるようになり、おまけに彼らが使う言葉やそのアクセントも耳になじみ、理解が深まったところ。実際街中には、登場人物フレッド・バックルみたいなおじちゃんよく見かけるんですよね(笑)

また色々な土地出身の若いナースたち、そして様々な教養を持つ年配の修道女やナースたちの言葉遣いも独特で面白いです。使う言葉や表現が非常に詩的だったり、実際に詩や文学に親しみそれを普通に引用したり、日本語でいう所の「熟語」的な小難しい単語を使ったかなり大仰な話し方をするのは、見ていてちょっと真似してみたい・・と思うものの、語彙力的になかなか難しそう・・(例えばお酒飲むこともDrinkなんて簡単な言葉は使わずImbibeなどと言ったりします)。

なんというか、ドラマってその土地で生まれ育ったわけではなくても、その場所の価値観や記憶、経験を疑似体験できるのがいいなと思うんですが、このドラマはまさに、医療ドラマの一面も持ちつつ、イギリスにとっての懐かしさや義理人情、過去を振り返る上でのイギリス人のセンチメントを理解することができた良いドラマでした。めっちゃおススメ。

ドラマの原作は、実際に1950年代に助産師としてイーストエンドで働いた人の回想録。舞台となっているポプラーという地域も実在します。

ロケ地はケント州にあって、普段は博物館としても公開されているドッグヤード。今回の展示は見そびれたけど、いつか観に行きたい!

ヴェローナ6:ヴェローナ美味しいもの集その2

ヴェローナで借りたAirBnBは、個人というよりは短期アパートを貸している会社所有のところだったのだが、逆にそのぶん管理がしっかりしていてとても良かった。

チェックインの時も、係の人が鍵を持って建物の前で待っていてくれて、部屋を案内してくれた後は、地図を見ながらヴェローナで見るべきところを色々教えてくれたり、おススメのレストランも色々とリストアップしてくれた。

民泊の醍醐味は本来こういう交流を貸主とやるところなんだろうけれど、AirBビジネスが蔓延してからは、セルフチェックインで誰とも会わないことも多くなった。私こういう話をするのが仕事だけど、本当にヴェローナのことを教えるのが大好きだから、と係のお姉さんが熱心に色々教えてくれたのはとても良かった。

ヴェローナ実質2日目のランチは、おススメしてもらったお店へ

Ostregheteria Sottoriva 23

www.sottoriva23.com

川沿いを歩いて行くと、数本奥まったところにあるお店。外にテーブルが沢山並んでいて、家族連れも多い。ウェイターの本当に若いお兄ちゃんも一生懸命英語で対応してくれた。

主にヴェローナ名物、といわれる色々なお料理を頼んでみた。

carne salada、中世に肉を長期保存するために作られたレシピで、ランプ肉を塩の他にワインや様々なスパイスに20日ほど漬け込むのだそう。これを薄切りにしてそのまま食べたり、焼いて食べたりもするとのこと。

薄切りのお肉は、カルパッチョよりも柔らかく、生肉っぽい食感が残っていてとても美味しい。お酒を飲む人ならこれをおつまみに飲むのはとってもよろしいのではないだろうか。

見た目、小豆を煮たのか?と一瞬びっくりするが、こちらはリゾット。Risotto all'Amarone、これはヴェローナのアマローネワインという赤ワインで煮てあるのでこんな色になっている。食べてみると、ちょっと酸味のきいたワインの風味と、たっぷり溶け込んでいると思われるチーズのまろやかな味が重なって、なんともくせになる味。

このリゾットはロンドンに帰ってから、パパが赤ワインを使って作ってみたけれど、やはり違うワインを使ったからか、色は似た感じになったけれど、味はもっとまろやかな感じになった。

こちらは子供が頼んだビゴリパスタ。宿で自炊した時に使った、この地域で食べられている、太目の麺。これにトリュフソースがかかっているので、優勝間違いない味だった。パスタもやはりプロが茹でているので、いい感じにもちっとしていた。

続きまして、こちらは驚くなかれ馬肉のシチュー。に、ポレンタが添えてある。ヴェローナは馬肉のほかに、ロバ肉も伝統的に食べるのだそうだ。馬の肉は牛肉よりも脂っぽくなく、あっさりしている。ソースはウスターソースをより深くしたような味わいだった。イタリア料理といっても、本当に地域によって違うものだ。

宿の近くにあるジェラート屋さんにも寄った。

terraecuoregelato.it

このお店は山羊のミルクを使ったジェラートが売り。季節柄カボチャや栗などもあった。栗とチョコレートにしてみたけど、ちょっと暑い日には濃すぎた・・

美味しいジェラート屋さんかを見極めるコツは、ショーウィンドウにホイップしたジェラートが山積み(?)になっているのではなくて、銀の蓋の容器に入っていて中が見えないお店が良いとどこかで聞いた(フレーバーはメニュー表を見る)。このお店もご多分に漏れずジェラートは全部銀色の蓋がしてありました。

この日の自炊は、私のターン。スーパーで売っていた野菜、昨日の残りのししとう的なもののグリル、フェンネルを茹でてオリーブオイルとレモン(すごく巨大なレモンを売っていた!)とパルミジャーノチーズで、ラディッキオとオレンジのサラダ、パックで売っていたシーフードサラダ、そしてルリジサというハーブのラビオリ。

キッチンにパン切りナイフしかなかったけど、意外と大丈夫だった。スーパーの野菜は、スーパーの野菜ではあるんだけど、やはり輸入物が多いイギリスと比べるとイタリア産のものばかりだし、種類も今の季節を考えると全然豊富で、大きさ、味の濃さとも地の味があるものだった。きっと市場で買えたらもっともっと良かったんだろうな~。

以前イタリアに行ってホテルに泊まっていた時は、やはり外食ばかりになって胃がもたれていたけれど、家で野菜をもりもり食べれてとてもちょうどよかった。