愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ヴェローナ5:ヴェローナうろうろ

ヴェローナ実質2日目は、ケーブルカーに乗ってサンピエトロ城のある丘の上へ。

ケーブルカーは無人運転で比較的あたらしく、すーーーーっと短時間ですぐ頂上に到着。多分階段を上がって行っても結構すぐだったと思う。

どの観光地もお約束通りケーブルカー頂上にはちょっとしたレストランがあり、ヴェローナのパノラマビューを見渡せる。ボーイフレンドにダメ出ししながらインスタ向けポーズをとって写真を撮らせている観光客をよそ眼に、これまた今も昔もそんなに変わっていないんだろうな、と思われるヴェローナの市街地を見下ろした。

よく中世のイタリア都市を描いた絵画などを見るけれど、本当に眼下にそういう景色が広がるのがとても不思議な感じがする。

カリフォルニアや日本、そして欧州と、街の雰囲気の違いは建物の他に、植物の緑の違いもあるなあといつも思う。こうやって見ると、この辺りにはおとぎ話でしか見たことが無いような、ものすごく背の高い、先がとんがった木が沢山生えている。

川と丘(山?)に囲まれた街、丘側には城壁が見える。あれはなんだろうねーと言いながら写真を撮っていたら、地元の人だろうかカタコトの英語で、ちょっと岸田今日子風に「中世の・・・城壁・・・」とだけ言って去って行った。

下りるのは階段で、もう階段を下りる先から両側は普通の民家のようだ。中にはちょっとボロッとしていて廃屋のようなところもあったが、時々人が出てきたりもする。一部はもしかしたら民泊みたいな感じになっているのかもしれない。こんな観光客が右往左往するど真ん中に住んでたらどんな気持ちだろうか。

下界に戻り、サンタアナスタシア教会へ。

・・に向かうも、結婚式があるようで一般客は立ち入り禁止になっていたので、入口からちょいとのぞく。お花を搬入したりベンチに飾りつけしたり、クラシックカーが前で待ち構えていたので多分きっと結婚式。

ヴェローナでへぇぇと思ったのは、当時の有力者スカラ家のお偉いさんのお墓、こんな感じで屋外に石棺を晒す感じで安置されていたところ。普通はせめて教会の中とか教会の地下とかにあったりするのを見てきたけど、なんで外にしたんだろう。雨風もあるだろうに・・・

続きまして~、ミニスカルキ・エリッツオ(Miniscalchi-Erizzo)博物館へ

当時のフレスコ画が外壁にまだ少し残っている。ここはもともと15世紀に作られたミニスカルキさん家、ここに1970年代まで実際人が住んでたそう、今は一家の色んなコレクションが展示されている。

人気もあまりなく、客は最初から最後まで私達のみ。展示の説明もあまりなく、全部イタリア語なので、さーっと見てしまったが、今はもう途絶えてしまったミニスカルキ家が所有していた甲冑やら宗教画、家具などの調度品、お皿などなど・・・

最後の当主マリオさんは1950年代に逝去、奥さんが70年代に亡くなるまで住んでたっぽい

しかしこんなに古くてだたっぴろくて薄暗い(展示品に直射日光を避けるために余計そうなのかもだけど)こんなところ、住みやすかったのだろうか・・・

お貴族の書斎。イギリスのお城でもよく見るけれど、ここに所蔵されている本、どれだけちゃんと読まれたんだろう。レファレンス系のものも多いように見受けられた。どんなことが書かれているのだろう。当時の常識、当時の基礎知識や政治、哲学、歴史が詰まってるんだろうなあ。

夕食は泊っているアパートでまた自炊。ご飯を食べ終わるともう外に出なくなって久しいけれど、子供が生まれる前は食後こそ活動の時間だったんだよなぁ・・せっかくの旅先で、このまま屋内にじっとしてるの勿体ないな、という気持ちがむくむく。

しかしティーンの子供はもう家でゴロゴロしていたい気分満載だったので、一人でお留守番してもらい、1時間ほど大人だけで夜の散歩へ。

結論、行って良かった!

夜の街はまた人通りも増して、賑やか。昼間は気づかなかった路地裏のレストランに灯を頼りに見つけてみたり、外の席でディナーを楽しむ人達が食べているものをのぞき見してみたり。

ここは多分昔は市場か何かだったのかなぁ、そこをうまい感じにレストランの席にしてあった

子供が大きくなったらまた一緒にこういうところをブラブラしたり、ちょっとバーに入ったりできるかな、いやそんな歳になったらもう親と旅行なんかしてくれなくなっちゃうのかなー

2022日本里帰り日記㉑:最終回

日本滞在記最終回。

6年ぶりの日本にいる間、この他に一度だけ高校の友達とちょっと集まったり、

じーじと一緒に畑で野菜を収穫したり、

子供はじーじばーば相手に英語教室開いたり、

いとこ達と一緒にスイッチで遊んだり、

なぜか皇居にも足を延ばして東京だよおっかさん的に二重橋を拝んでから銀ブラしたり(どこにいっても看板や音や商品の情報過多でクラクラした日本だったけれど、さすがにここら辺はそうでもない所が多くて良かった)

弟一家も含め家族3代でテニスをやったり(テニスなんてもうずいぶんやっていなかった70代のじーじばーばも参加したのには驚いた、どうも人間、実際より自分は20歳ぐらい若い体力気力があると思ってしまうものらしいです)

品川ではベイエリアの友達と一緒に水族館に行ったり(相変わらずデートスポットと一般の子供が喜ぶスポットがかぶる日本なので、なかなか混雑して大変だったが)

最後の最後まで久しぶりの日本を満喫しました。

子供の学校のスケジュールのこともだけれど、昔に比べてコロナだ、戦争だで本当に日本が遠くなってしまった。以前はもう少し気軽に気楽に里帰りできたものを、こんなに故郷が遠くなってしまうとは。年を取るにつれ、時代を経るにつれ世の中はどんどん良くなり色んなことが楽になると思っていた子供時代(苦笑)まさか外国に住んでこんな思いをすることになろうとは、思いもしなかったなあ。

ヴェローナ4:ヴェローナの美味しいものその1

ヴェローナでの最初のお昼ご飯は、パパがセレクトしたEnocibusというお店

enocibus.com

かなり細い小路にあります。

結構遅めのランチで行ったので客は私達だけ。とっても静かな店内、店のおじちゃんがゴテゴテの80年代の音楽が流れるラジオをかけてくれましたw

私が頼んだのは、ソテーしたマッシュルームの乗ったポレンタ(ひきわりトウモロコシのおかゆみたいなのを固めて焼いてある)。この焼き加減、どうなんだろうと思ったら中がびっくりするくらい熱々クリーミーで良かった!

パパは魚卵のパスタ。子供はペストのパスタを注文(写真無し)。どのお料理もちょっと塩が効いてる感じだったけど美味しかった!

ヴェローナに行く前に美味しいお店を調べていた時、Twitter友達のメロさんが10年前だけど・・と以前ヴェローナに行ったときのブログ記事を紹介して下さったのだけど、たまたまパパが選んだお店、メロさんも行ったお店でした。実際感じの良いカップルがやっていて、食後にはチョコレートはいどうぞ、とサービスしてくれました。

melocoton1.exblog.jp

ヴェローナ滞在中、外食は昼だけにして、夜はスーパーで食材を調達、自炊してました。パパも私も料理するのは苦ではないし、地元のスーパーに言って地元の食材を色々試すのが好きだし、安くあがるし1石3鳥!

スーパーでは、あちこちで見かけた朝鮮人参入りコーヒーに??となったり

京野菜かと思うような巨大なすび

柿も売っていたけどすごい巨大!

今晩の料理はパパのターン。

ししとうみたいなのを売っていたので、それをオリーブオイルでグリルしたもの、美味しいハム、サルディニアのチーズ、モッツァレラとトマトのサラダ(プチトマトがすんごいすんごい甘くて美味しい)、そしてスパゲッティのように見えますが、この辺りの名物、ビゴリというパスタです。スパゲッティより随分太目で、もっちりしているのが特徴。ちょっと太さや形が変わるだけでパスタって食感も味も印象も変わるから毎日食べても意外と飽きませんでした。

ヴェローナその3:城で大喜利

イタリアというひとつの国が出来たのがそもそも近代で、昔はそれぞれの都市を色んな権力者や王侯が支配していた時代が長かった。というわけで、イタリアにいくとたいていそこのお偉いさんが建てたお城とか教会とかお屋敷とかがドーンとあります。

カステルヴェッキオ(古城)博物館も、14世紀当時の有力者スカラジェリ家が建てた城塞を、博物館に仕立て直したもの。近隣にはヴェネチアだ、ミラノなどを支配するスフォルツァ家だと強者が多かったので、こういう城塞を建てて、来れるもんなら来いや!と備えていたらしい。

実はこの博物館、カルロ・スカルパという著名な建築家が城塞を博物館にするにあたってのデザインを担当したのだそう。どおりで、展示もなんとなくスペース感が独特だったりしたのかな

なんだこの変な階段!と思って登ったのも彼のデザインだったらしい。後で知りました。彼は仙台で亡くなったというのもそれこそ今Wikipediaで知りました。


(この写真はWikipediaより)

欧州でちょっと辛いのは、古い博物館の展示というとどうしてもキリスト教美術の展示になってしまうところ・・。なぜだかわからないのだけれど、どうも昔からジーザスが貼り付けにされていたり、聖者が拷問受けまくっていたりする絵とか、抱いているジーザスのプロポーションが赤ちゃんというより小型人間でキモチワルイ中世の聖母マリアとか、どうも苦手で・・。

大昔バチカンに行ったときは、教会の権威をこれでもかと見せつけるキラキラさにも閉口し、エルサレムの教会でもなんとなくもぞもぞ気持ち悪くて早々に出てしまった位。なのでこの博物館でも沢山展示されている貼り付けジーザスなどはうわーっと素通り、そんな中でも何かユニークさが出ている展示を探しては心の平穏を得ていました

聖職者のリアルな肖像画は、もしも現代だったらシリーズを心の中で大喜利できるので楽しい

おそらくこの博物館一押し、売店でもこの絵のグッズを結構売っている

アディジェ川にかかる橋 確かこれは第二次大戦で壊されて再建したもの

大昔からある街並みに現代の人々が歩く 昔は服装が違った位で今見える風景とあまり変わらなかったのかもしれない そう考えると時間の流れというのがとても不思議に感じる。

ヴェローナ2 広場、目を回してはいけない円形劇場

毎回激しく歩き回る陳家のバケーション。旅から帰ると疲労困憊、バケーションのバケーションが必要…なんて感じになることも。しかし今回は病み上がり?だしのんびりしたい…

 

とりあえず朝は時差もあって(1時間イタリアのほうが早い)のんびり寝坊。その間にジョギングに行ったパパ、早速イタリア人のおばあちゃんにつかまりパーキングメーターの使い方がわからないからと助けを求められたそう(爆)どう見ても地元の人に見えないのに!どこに行ってもしょっちゅう道を聞かれます(苦笑)


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朝は近くのバールというか外カフェにて。雨続きで寒かったロンドンと比べて日差しが強い。右隣の席ではイタリア人のおばちゃん同士が伝票をめぐって本気のバトルを繰り広げ(私が払う!いや私が!)左隣の席にいたおっちゃんは道端の席なのにテーブルの上に携帯と車のキーを置いてプッとどこかへいってしまった。なかなか安全のようだ、ヴェローナ

 

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川幅はテムズ川に負けるものの、結構流れは激しめのアディジェ川。ここを渡り旧市街へ


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同じヨーロッパと言っても、やはり島国イギリスと大陸ヨーロッパは違う空気感、サイズ感を毎回感じる。ローマ時代からの建造物、中世から変わらない細道に石畳、そしてそんな中でこそ映えそうなおしゃれな服がブティックに並ぶ。

 

ふと入った教会ではパイプオルガンの演奏というか先生と生徒がかなり本気のレッスンをしており、こんな環境でこそうまれる音楽やこんな環境で音楽ができることの素晴らしさや羨ましさでいたたまれない気持ちにもなるなど。


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ローマ時代からあるエルベ広場。そしてヴェローナロミオとジュリエットの舞台としても有名で、この広場の近くにはジュリエットの家なるものもある。とはいえ実在の人物だったか定かではないジュリエットさんの家というのもアレでして、往年の映画の衣装とか色々展示してあるらしい。結局そこには足を向けることはなく。



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とりあえず向かったのはヴェローナのアリーナ、ローマ時代の円形劇場。入り口近くには観光客寄せのローマ時代の兵士がいる。劇場に向かって歩いていたらぬっと立っていたのでびっくりしてうわっ、ボンジョルノ!そのうちひとりはスパスパタバコ吸っており公式?コスプレ兵士ではなかった模様


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ここは今でもなオペラの公演があったりするらしい。今はオフシーズンになり改装というか何か足場を組んで色々工事していた。昔はここでグラディエーターがライオンと闘ってたのかなぁ、過去ここを整備したときには何とは書いてなかったけど色んな「死骸」も出てきたそうな…

 

石段はローマ時代の時からそのままなのか、けっこう急だしツルッとしている、これは千年の歴史のなかで絶対何かを観戦中に足を滑らせて頭をかちわった人がいるに違いない・・、というか私数日前までめまいに苦しんでいたのに、こんなに三半規管を試されるところにいるとはどういうこと・・。


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一番上まで登ると太ももの後ろがぞわーっとしました(笑)


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見渡すと競技場の半分は汚れで真っ黒。半分きれいになっているのはケルヒャーでも使ったのかねぇなどと軽口をたたきながらも奈落の底に落ちないように恐る恐る歩いたのでした。