愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

博物館で打たれる

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2度目のワクチン接種。せっかくなら面白いところでやろうと、ネットで予約を変更して、科学博物館で受けてきました。

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前回同様、ネットで予約した時の番号を伝えるだけ。入口でアストラゼネカファイザーかを聞かれ、あとは待ち時間ほぼゼロであっという間に注射しておしまい。

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前回はワクチン受けました!のステッカーくれたのですが、今回はアストラゼネカを接種することを示すオレンジのこんなのだけ。

スムーズでしたが、その分余分なおしゃべりもなく流れ作業で終了でした。前回は会場がもう少し地元でこぢんまりしていたせいか、もう少し和気あいあいとしていて、楽しくさえあったのですが、まあそんなことは二次的なことである。無事2回目を受けられて、しかも予定を早めて受けられて良かったです。

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注射受けたついでに、展示もみてきました。

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しかしここは、医療科学の進化と発展を確認しておかねばならない。

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血管を切って血をぴゅーって出して「悪い血」を出して治療するという瀉血療法や、麻酔が無い時代の手足切断手術のためのツールや、当時の手術の様子の展示を見てぞわぞわ。何しろ麻酔がないので、切断はスピードだけが命。ぎえぇぇぇ

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医療に統計学を取り入れたピエール=シャルル・ルイさん。彼のおかげで瀉血方法が効果的でないことがデータでもって実証されました。

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白衣の天使のイメージのナイチンゲールさんも、実はゴリゴリにデータ分析する医療統計と、その標準化を推し進めた先駆者だったんですよね。プレゼンのために、わかりやすいデータビジュアライゼーションを取り入れた功績も。


ここに展示されていたのは、戦地での経験も取り入れた、新たな病院機能とレイアウトの提案でした。

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ご褒美に博物館近くのTombo Cafeのほうじ茶ソフト。ここのソフトクリームはクリーミーすぎず、ほどよく氷っぽさもあってそのバランスが絶妙です。

さて副反応ですが、注射を受けた時にアストラゼネカは2回目のほうが軽いですよ、と言われました。実際、ちょっと腕が痛いかなあと思ったこともありましたが2時間ぐらいでそれも消え、特に熱も出ず痛みも何もなく。

ただ、普段お酒をあまり飲みつけないのですが、夕方から無性にお酒が飲みたくなった・・・のは副反応なんでしょうか?!

あと翌日は、本当に体調も気分も何も悪くないのに、異様に無気力になり、ベッドから出ずに昼過ぎまでずっと携帯でお笑いを見るのをやめられず・・。夕方にはようやくやる気が戻り、あとは普通に過ごしましたが、あれは何だったんだろう。

実は人間のやる気って、ウィルスに左右されていることがあったりするのだろうか・・・?!どこも悪くないけど、異様にダラダラしてしまう時って、実は体の中で抗体が戦っている時だったりして。いやどうでしょう、せっかくワクチン打ってきたんだから、少しぐらいは副反応が出て、ちょっとはダラダラする口実を作りたかったのに、1回目も2回目もなんともなかったのが逆に悔しかったのかもしれない(笑)

パパも私より一足先に2回目を終了、その後も普通に家族でお出かけする位副反応はゼロ。とりあえずこれで我が家は大人はワクチン2回終了。

実家の両親は先日1回目を受けたようで、こちらもとりあえず半分安堵。

あとは子供だけ・・このまま無事で夏休みを迎えたいものです。

ロンドン散歩:門の外

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Aldgate Pumpの近くにある教会、聖ボトルフ教会です。

この教会、地図で見ると正式名称がSt Botolph without Aldgateとなっています。最初この「Without」の意味が良くわかんなかったのですが、

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600メートル離れたところにも、St Botolph without Bishopsgateという教会がありました。さらに西にいくと、もうひとつSt Botolph without Aldersgateという教会がある模様。

このWithoutという名前、この教会が全部昔あったロンドン・ウォールの「外側」にあったから、そう呼ばれていたらしい。そうか、Withoutというと、つい何かモノがない状態を想像してしまいましたが、Within, without the wall って意味で使われてたのか。

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この地図のオレンジや青の点が、昔の壁が残っている場所、そして~gateと呼ばれる門があったところ。教会はこの門の近く、そしてこの線に沿ってあった壁の外側にあった、というわけなんですね。

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ローマ時代の壁の残り、時々見かけます

ロンドンにいくつかある~Gateと呼ばれる地名、もうどこにも門は残っていないけれど、昔はこのローマ時代に建てられた壁の内側、外側を行き来するための門がいくつもあって、その名残だったんですねぇ。虎ノ門にもう門が無いのと同じか。

この他にも、St. Botolphと名付けられた教会はBillingsgateにもあったそう。でも1666年のロンドン大火で焼けてしまい、再建されなかったとか。

こうやって地図で見ると、昔のロンドンって本当に狭かったんだなと感じます。そんな中にいくつも教会が建てられた聖ボトルフさん、日本でいったら奈良時代ぐらいにイギリスにいた聖職者らしい。

Sufforkというロンドンよりずっと北にある場所に修道院を建てたり色々したらしいのですが、彼の死後300年ぐらいして、当時の王様が彼の遺体をバラバラにして運び、ロンドンを始め色々な場所に埋葬したんだそう。頭部はあっち、胴体はこっち・・・ヒ~

ロンドンではウエストミンスター寺院に運ばれたそうなのですが、ロンドンに運び込まれる時はさらに4つにバラバラにして、上記の4つの門からロンドンに入った・・・・ので、それにちなんで門の近くに教会が建てられた説があるらしい。

あと、彼は農業や旅の聖人とみなされているそうなので、旅人を見送ったり迎えたりする門の近くに教会がある、というのは頷けます。

さらにBostonという地名も、もともとはこの聖ボトルフにちなんだものなんだそうです。「Botolph's town」という意味なんだとか、あーーなるほど。

イギリスにあるボストンは、Sufforkよりももっと北のほうにある小さな町。

地図で見ると、街の中心にはちゃんと聖ボトルフの教会がありました。

ロンドン散歩:Aldgateのポンプ

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東ロンドン、Aldgateにある、ポンプ。その名も、Aldgate Pump(そのまんま)


オフィスビルが立ち並び、道路が分岐するところにぽつんと残っているこの古いポンプ。1200年代ごろには、すでにこの場所に井戸があった記載があるそう。

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Wikipediaより)

当然ちょっとやそっとの昔の写真にも、当たり前のように登場しているこのポンプ、この地域に住む住民たちの水源としてずっとこの場所にあった。今も残るこのポンプは1876年頃のものだそう、明治9年か。

今はもうハンドルも固定されていて、水は出てこないけれど、昔からロンドンに住む人達にとって、このポンプは象徴的なものだったようで、「Aldgate Pumpの東側」からがイースト・ロンドンになるんだそう。



さて、いわゆるロンドンの下町的なイメージのあるイースト・ロンドンには、イーストエンダーと呼ばれる人達が長年住んでいて、コックニーという独特の言葉を話す。

今では多くのコックニーの人達が、ロンドン郊外に引っ越してしまいつつあるようだが、それでも時々コックニーを話すタクシーのおじちゃんに遭遇したりする。下町のべらんめえみたいな感じとでもいおうか、コックニーで話されると、一生懸命聞き耳を立てないと、何を言っているのか良くわからない。

アクセントが独特なのもそうなのだけれど、ロンドンに来て初めて知ったのは、コックニーには独特のダジャレ的スラングが沢山あるということ。それを多用しての会話は、多分聞き取れたとしても意味は全く分からない。

例えば、コックニーで「電話」は「犬」。「ちょっと電話貸して」は「ちょっと犬貸して」になるんだそう。これは、phone (電話) = bone (骨)の音が似ていて、骨といえば犬だから、という連想ゲーム的なもの。他にも簡単な例だと、「階段」は「リンゴ」。stairs (階段) = pears (梨)、で梨といえばリンゴだから!!ヒー!

そしてこのAldgate Pumpもそんなコックニースラングに登場するそうで、Aldgate というとイライラ、機嫌が悪い、という意味だそう。これは get the hump = pump のダジャレだとか。は~!

隠語的な感じもあるこの言葉遊び、外国人の私が使うことも、誰かが私に使うこともないだろうけれど、トリビアとしてはなかなか面白い、奥深い英語の世界・・。

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昔は色んな人がここに水を汲みに来て、井戸端会議をしていたんだろうか。

とはいえこのポンプの水質は微妙というか時にかなり問題があり、このポンプの水を飲んだ人たちが伝染病で死ぬようなこともあったらしい。

というのも、このポンプに水を供給するパイプが、墓地の下を通っていたとかで、まあ墓地から染み出たあれやこれやが・・・・はい、もうお分かりですね(苦笑)

楽しいロンドン歴史散歩はまだまだ続く。

初出勤

コロナが始まりずっと在宅仕事が続いていましたが、先日久しぶりにオフィスに行ってきました。

 

2020年2月に私は在宅を始めたので、実に16ヶ月ぶりの出勤です。ヒ~!

 

何が大変って、朝起きたら着替えもそこそこにコンピューターの前に座ればよかったものが、着替えて化粧して荷物まとめて電車の時間を見計らって駅まで行って…と実に会社に行くまでの手順が物凄くあったこと!

 

さらにあまりに会社に行っていなかったため、会社のキーをどこにやったか探すのに一苦労😅

 

普段オンラインやSNSで連絡を取り合っていた同僚ですが、リアルに目の前で会うとテンションもあがる!わー!生身の人間だー!と久しぶりの再会を喜び、お喋りで随分盛り上がってしまいました。

 

ついでにランチも…

 


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そう、会社に久しぶりに行ったのはボスがランチ奢ってくれるというからそれに釣られて行ったのであった…

 

ここのところお天気も暑いくらい良くなってきたロンドンなので、久しぶりの外でのランチは気持ちよかった…。

 

しかしオフィスに出勤すると仕事は捗りませんね…。久しぶりなのもあって喋りも止まらないし、周囲の雑音もあるし、ランチだ何だで時間は取るし、何より通勤は時間取る!

 

ランチはもう2回行ったよ…


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特に今の仕事はいつもチームメイトと顔を合わせないといけないものでも無いので、これからは2週間に一回ぐらいの頻度での出勤にしようかなと考えています。たまに顔を合わせるほうが、お互いありがたみも増すというか、新鮮というか、やっぱり良いですね。

 

 

ロンドンのテムズで船を漕ぐ

最近ローイングはじめました。

ってマシーンでザーザーと紐を引っ張るやつじゃなくて、船に乗ってみんなでえっちらおっちら漕ぐやつです。

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イギリスっぽいと言えばぽいスポーツ。
川辺に色んな学校のボートクラブがあって、中学生高校生ぐらいからみんな稽古をしたりしている。

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毎年ケンブリッジ対オックスフォードのボートレースもテムズ川で開催されていて、テレビ中継が入ったりとかなり注目度は高い。これはコロナになる前年の試合。

ローイングの経験は無いけれど、大昔ワシントンDCでドラゴンボートをしばらくやっていたことがあり、漕ぐのは意外と得意。そして水の上を飛ぶように進む感覚が忘れられず、せっかくそこに川があるからやってみよう・・と大人クラスにサインアップしてみた。

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練習は朝早い!かなり夜型なので、平日仕事の前の早朝練習は結構キツイ。毎回、朝起きられるか前日から緊張してしまう。

ボートは4人乗り。男女2人ずつの素人集団に、コーチがつく。コーチは船の切っ先に座って指示を出してくれる。

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(この写真に写ってるのは、たまたま見かけた全然関係ないチームw)

ボートハウスでボートに金具を付けて用意をし、川までボートを運ぶ。

ボートを川に浮かべたり、船に乗り込む時にはざぶざぶと川に入っていくので、長靴を履いての作業。学校のチームなどは、この長靴の色も決まっていたりして、なかなかかわいい。

いつも川岸から見ている時は、長靴はその後どうしてるのかな、と思っていたけれど、長靴のまま船に乗り、中で脱いで席の手前にしまっておく。こういうのもやってみないとわからなかったな。

足台にはクロックスみたいなのが据え付けてあるので、靴下をはいた足をそこに突っ込み、船を漕ぐ。プロとかだったらもっと自分用にカスタマイズしたしっかりしたシューズが着いていたりするんだろうか。私にはちょっと大きすぎるので、時々スポッと脱げそうになる。

練習で今のところ一番難しいのは、オールのフェザリング。船を漕ぎながら、オールを90度回転させて、羽の向きを水面と平行にしたり垂直にしたりを繰り返す。特にオールが水に入っていない時には、羽を水面と平行にさせて、空気抵抗を少なくしたりする必要がある。

しかしボートを漕ぐという行為は、オールを上下させたり、腕を出したり引っ込めたり、足を曲げたり伸ばしたり、体を倒したり起き上がったりともう色々な動きが入るので、そこに手首を使ってオールを回転させるという行為をさらに足すと、どんどん動きがややこしくなっていく・・・。

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あんまり役にたってるのかわからないけど、家でも棒を持って回転の練習。

その次に難しいのは、やはりみんなで漕ぐタイミングを合わせること。何しろみんな素人なので、なかなかフォームも怪しいし、タイミングも合わない。そしてこの船、結構揺れに敏感なので、皆がバラバラに漕ぐと左右にグラグラ揺れるのであった。

実はあまりに揺れるので、朝早いし寝不足だった日などは気持ち悪くなって吐いてしまった・・・(苦笑)まさかー、こんなところで船酔いを経験するなんて!!!

以来前日の夜から酔い止めを飲み(よく眠れるし)、朝もう一錠追加し、ジンジャーエールなども飲んだりしてなんとかやり過ごしているが、特にパワーだけで漕ごうとする男性がぐいぐいやったりすると、わさわさ揺れて酔う気がする・・・

あとやはり漕ぐ人数が少ないほうがペースを合わせやすいからか、2人だけで漕いだ時には面白いぐらいすいすい進んで、ものすごくエキサイティングだった。

以前やったドラゴンボートは、もっと大人数で漕ぐ上に左右2人ずつなので、船底がもっと横に広がっていて、かなり安定してたんだな。

さらにドラゴンボートは、前に座ってる人が太鼓をたたいて漕ぐタイミングを教えてくれたので、動きをシンクロさせるという点でここまで苦労はしなかった(ただし、船を漕ぐ時の奴隷みは強かったかもwww)

一方ローイングのコーチは言葉で色々教えてくれるけれど、タイミングについては指示がないので、生徒だけで漕いでいるとどんどんペースが速くなり、フォームが崩れ、船は揺れてパニックに陥ることも(陥ってるのは多分私だけ、苦笑)私が一番前に座ることが多く、みんな私の動きに合わせて漕ぐことになっているので、そこらへんも難しい。

と色々初心者だし、まだまだにわか仕込みなので大変なことのほうが多いが、フォームがうまくはまって船がぐんぐん進むのは楽しいし、テムズ川からの景色を朝日を浴びて水辺から見たり、横を水鳥が泳いだり、気持ちいい瞬間も沢山ある。

時々モーターボートの上から拡声器を持ってコーチががなっているような本格的なローイングチームが練習するのにすれ違う。時々オリンピック選手も練習しているのに遭遇することも(教えてもらわないと誰が誰かわからないけど、みんなすれ違う時挨拶したりするのもいい感じ)。

もうこんなスポーツ今季限りで辞めてやる!(早!)と思う瞬間と、ああやっぱり楽しいなと思う瞬間が何度も交差しているテムズ川のボートだけれど、漕いだ後の筋肉痛も気持ちいいし、いい運動、いい経験になっている。この船酔いだけどうにかなればなあ(苦笑)