愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ロンドン散歩:Aldgateのポンプ

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東ロンドン、Aldgateにある、ポンプ。その名も、Aldgate Pump(そのまんま)


オフィスビルが立ち並び、道路が分岐するところにぽつんと残っているこの古いポンプ。1200年代ごろには、すでにこの場所に井戸があった記載があるそう。

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Wikipediaより)

当然ちょっとやそっとの昔の写真にも、当たり前のように登場しているこのポンプ、この地域に住む住民たちの水源としてずっとこの場所にあった。今も残るこのポンプは1876年頃のものだそう、明治9年か。

今はもうハンドルも固定されていて、水は出てこないけれど、昔からロンドンに住む人達にとって、このポンプは象徴的なものだったようで、「Aldgate Pumpの東側」からがイースト・ロンドンになるんだそう。



さて、いわゆるロンドンの下町的なイメージのあるイースト・ロンドンには、イーストエンダーと呼ばれる人達が長年住んでいて、コックニーという独特の言葉を話す。

今では多くのコックニーの人達が、ロンドン郊外に引っ越してしまいつつあるようだが、それでも時々コックニーを話すタクシーのおじちゃんに遭遇したりする。下町のべらんめえみたいな感じとでもいおうか、コックニーで話されると、一生懸命聞き耳を立てないと、何を言っているのか良くわからない。

アクセントが独特なのもそうなのだけれど、ロンドンに来て初めて知ったのは、コックニーには独特のダジャレ的スラングが沢山あるということ。それを多用しての会話は、多分聞き取れたとしても意味は全く分からない。

例えば、コックニーで「電話」は「犬」。「ちょっと電話貸して」は「ちょっと犬貸して」になるんだそう。これは、phone (電話) = bone (骨)の音が似ていて、骨といえば犬だから、という連想ゲーム的なもの。他にも簡単な例だと、「階段」は「リンゴ」。stairs (階段) = pears (梨)、で梨といえばリンゴだから!!ヒー!

そしてこのAldgate Pumpもそんなコックニースラングに登場するそうで、Aldgate というとイライラ、機嫌が悪い、という意味だそう。これは get the hump = pump のダジャレだとか。は~!

隠語的な感じもあるこの言葉遊び、外国人の私が使うことも、誰かが私に使うこともないだろうけれど、トリビアとしてはなかなか面白い、奥深い英語の世界・・。

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昔は色んな人がここに水を汲みに来て、井戸端会議をしていたんだろうか。

とはいえこのポンプの水質は微妙というか時にかなり問題があり、このポンプの水を飲んだ人たちが伝染病で死ぬようなこともあったらしい。

というのも、このポンプに水を供給するパイプが、墓地の下を通っていたとかで、まあ墓地から染み出たあれやこれやが・・・・はい、もうお分かりですね(苦笑)

楽しいロンドン歴史散歩はまだまだ続く。