愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ヘイスティングスあれこれ

夏に行ったヘイスティングスの雑感覚え書き。

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海沿いのプロムナード、雨風の強い日はなかなか歩きづらいが、この道の下、海岸レベルには屋根付きの歩道もある。

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そうここはBBCのドラマ「義理恥」のロケ地でもあったのでした

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最終回だったか、日本にいるお父さんの死を弔いにみんなで海岸に行くシーン。えらい風の強いところだなあと思ったらここだった・・。

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晴れるとこんなにいい感じ

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せりだしたところにはちょっとしたレストランや土産物屋、遊興施設がある。普段なら人でいっぱいなのかもしれないけれど、誰も乗っていないティーカップが物悲しく音楽を奏でていた。満潮で天気の悪い日はこの橋げたの下でものすごい波と渦がたつ。

一応ロマンチックな場所らしく、ここらへんで結婚パーティーをやったり写真を撮ったりするカップルも多いみたい。欄干のところには、ここでプロポーズしただ何だという記念プラークが色々ついていた。

そういえば日英合作ドラマ「義理恥」は、日本だったらNHKみたいなところが作ったドラマだけれどなかなか生生しくて面白かった。ロンドンで日本のやくざや刑事があれこれワチャワチャする話なんだけれど、ロンドンがものすごく怖い街に見える。ただ後半、特に最終回はあまりの力わざで話をねじ伏せた感あり、釈然としない感じで終わっちゃったけれど。

後半、長与千種がおお、という配役で出てくるのはポイント高いです。

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ジェーンオースティンの世界にでも出てきそうな広場、昔はパラソルを持ったご婦人とかが歩いていたんだろうな、と風景が目に浮かぶ。今はそんな昔の面影はどこへやら、地元のヤンキー風な子達や家族がたむろっていたりする。

ある日の朝はここのベンチに座って、パン屋で買ったパイをかじっていたら、向こうのベンチに座っていた地元の大家族風な集団の中から、おっさんが私達のほうに近づいてきて「コニチハ」と言いながらへこへこお辞儀をしてくるので何やねんと思った。

どこから来たかというのでロンドンからですよと言ったら「あ・・ロンドンですか・・日帰りで来ているのかな・・・では滞在を楽しんで」とモゴモゴ言いながら行ってしまった。この時期に飛行機に乗ってわざわざ外国からヘイスティングスに来る人もあるまい、好奇心なのか、見た目がアジア人な私達に何か言いたかったのかは不明だが、どっちにしろこういう感じで声を掛けられるのはいちいちめんどくさい。何か話したくて来たとしても、普通に会話を始めるときの態度じゃないしね。そういえばイギリスに来て、こういう感じで声かけられたの初めてだったな。

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海岸にならぶ小さな小屋は、月やシーズン単位で借りることもできるらしい。ここにビーチパラソルや椅子など色々備品をしまっておいて、夏の間中楽しむみたい。

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潮風でやはりサビサビになっているところもあり、風光明媚というよりは、ひなびた感が強いこの街。人は概して礼儀正しく丁寧な感じではあるが、一方でちょっと地元のコンビニに行くと、薬とアルコールをたしなんでいる感じの方々が大量にいてうおっとなることもあった。

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ミステリー小説にはまる子供、近くにあった犯罪博物館にも寄ってみた。「バールのようなもの」など実際の犯罪用具の展示があったり、なんとこの犯罪博物館に泥棒が入ったことがあるらしくそんな展示もあったり(笑)

しかしかなり本気の殺人犯の展示もあって、小説とは違う生生しい現実に子供は恐怖のどん底に。そりゃね、犯罪はエンターテイメントじゃないからね。

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昔の新聞記事の切り抜き展示もあったが、本題とは関係ない、人生相談欄が気になってついパチリ。1960年代ぐらいのだったか、「子供も学校に行きはじめたし、また仕事をしたい」という女性の相談。でももうタイプの腕も落ちてしまって自信がないらしい。タイピングがスキルだった時代。

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そして小路で見つけたタイプライターを模した門。

ロンドンで、もう中学生

実際にはまだ小学生ですが、現在イギリスの小学校で最終学年をやっている小さいさん。

来年9月にはもう中学生です。ヒ~!!!!!

日本、アメリカ、イギリスと、学年の始まる月や、学年の数え方がそれぞれ異なるため、夏生まれ、現在10歳の小さいさんは、日本では小学校4年生ですが、アメリカでは5年生、イギリスでは6年生です。

アメリカの小学校からイギリスの小学校に編入した当初は、文法の微妙な違い、厳しいペンマンシップ(筆記体などアメリカよりしっかり教わります)、算数もアメリカより進んでいる上にフランス語の授業まであって色々心配でした。

でも勉強も追いつき、クラスの学級委員的なことをするなど、新しい環境でもそれなりに楽しくやってこれたようです。

先日は、最終学年になって初めての保護者面談があり(電話ででしたが)、逆にこちらがへええと驚くほどの高評価を先生からいただき、ホッとするやら、ほんまかいなと思うやら。

そして来年からは中学生。地元の公立校に行くことになりますが、その申し込みがもう早速ありました。

日本やアメリカだったら、自分の学区の家の近くの中学校にみんな行くことになるのですが、イギリスはちょっと勝手が違った。

まず、入学条件があえば、ロンドン中のどの学校に行ってもOK。

入学条件も学校によって色々で、家と学校の近さだけで生徒を選ぶ学校もあれば、選抜テストの成績で選ぶ学校、そして公立でもキリスト教など宗教系の学校もあり、そういうところは教会に通っているかどうか、などが選考ポイントになったりします。

また学校によっては、音楽や体育、技術系などの特別枠の選抜試験があるところも。

まあ現実的にはそんなに遠くまで通学することはないので、家から近いところを選ぶことになりますが、自分達が住むバラ(区、みたいなもの)以外にも隣町の学校も考慮に入れることができます。

そして何しろ学校によってカラーが違うので、自分の子供にあった学校はどこか、随分色々考えることになりました。

とにかく近隣住民の子供達を全部受け入れる、すごく一般的な学校もあれば、試験で上位の子だけ取る学校、また試験の結果でグループをいくつかに分け、それぞれの成績グループから生徒を取る学校、女子校、共学校。

マンモス校もあればちょっとしか生徒を取らない所もあり、ごりっごりに勉強させる進学校、テクノロジー系や、アート・音楽に力を入れる学校などなど・・・。

様々な学校の中から、希望する6校を選んで申し込みをしないといけません。そう、必ず第一希望に行けるとは限らないから・・・(ヒー!)

さらにイギリス、公立でも中高一貫です。なので、高校受験がないですが、この先7年間過ごす学校が今ここで決まってしまう(実際は、後半他の学校に移ることもあるようですが)。

そんな環境なので、やはり将来の大学受験などを見越して、普通に公立に進学することは考えず、私立受験をする子、あとは公立校でもグラマースクールといって、独自のむずかしーーい入学試験を課して成績トップの子ばかりを取るような学校が別にあり、その受験準備を4年生ぐらいからしている子も周囲にはぼつぼついました。

我が家はそんな受験勉強開始の年である4年生の時にこちらに引っ越してきたので、そこら辺のことを完全に理解していなかったのと、色々話を聞くにつれて、アメリカでのんびり育ってきた我が子にいきなりそんな受験勉強をさせるのは無理!こっちで大学行くわけでもないし!と思い、受験路線は当初から考えませんでした。

それでも周囲の子が家庭教師だ何だと言っているのを聞くと、うちの子は大丈夫なのかな?と意味もなく焦る気持ちが出てこなかったわけではありませんが・・・。

ロンドンに越してきた時も思いましたが、子供の学校選び、本当に自分の教育観や価値観が何なのかを、すごく考えさせられます。

大学受験が目的なのか、それだけに限らない、ライフスキル的なものを身に着ける力をつけてくれればそれでいいのか。

学校によって生徒の自主性を育むアプローチも様々で、進学校として評判が良いところがかなり(イギリスにしては)軍隊式で、日本の公立中学であまり良い思いをしてこなかった身としては、ウッと思ってしまったりも。

アメリカや日本のように、公立だったらもう近場の決まった中学校に進学、というほうが迷うことなく楽だったのに!なんて思ってしまいましたが、選択の自由がある分、自分達の考えをしっかり持って意思決定をしなければいけない、という大きな責任が伴うのでありました・・・。

そして今年はコロナの影響で、学校見学に行けないのがキツカッタ!どの学校も、説明会は全てバーチャル。

学校見学は早いうちからしておいたほうがいい、という助言をいただいていたので、去年のうちにめぼしい学校の見学はある程度済ませてはいたのですが、全ての学校の雰囲気をつかめないまま、最終判断を下さないといけませんでした。

ただバーチャル説明会であっても、学校のカラーが垣間見れたのは面白かったです。

厳格だと評判の学校は、校長が1人顔出しもせずに淡々とプレゼンをして15分ぐらいで終わってしまい、質問もその場で受け付けず後でメールで返事すると事務的だったり。

色んな先生が入れ代わり立ち代わり登場してリアルタイムできちんと答えたり、インタラクティブなバーチャル施設紹介のページを作ってくれた学校もあったり。

そして先生の一人がセルフィースティックを使って学校内をリアルタイムで徘徊し、授業中の教室に乱入して生徒や他の先生に絡みまくる様子を中継してくれる学校もあったり(笑)。

そんなこんなで、子供の希望も聞きながらうんうん考え、私達の地元の学校の他に、隣り合う二つの町にある学校も希望に入れ、希望順位もこれまたうんうん考えて、最終締め切り1週間前に申し込み終了・・・!!!

希望する1校は後にテストがあるのでちょっと準備が必要ですが、最終的に生徒を選ぶのは学校ではなくて、全ての申し込みを取り仕切る市の教育委員会みたいなところらしいので、もうあとは運を天に任せるしかありません。結果は来年3月にわかります。

それにしても、まだまだ10歳なのに、もうこんなことを考えないといけない年齢になったなんてーーー!!来年からはバスとか一人で乗って通学かーーー( ;∀;)

おフランス語進捗状況、ブラッドリークーパーに腹を立てる

今年から細々と始めたおフランス語。もともとの目標は、子供の時に読んだフランスの児童書を、原書で読みたいというものでした。

marichan.hatenablog.com

とりあえずDuolingoというアプリを暇があればやる、というのをしばらく続け、特にフランス人とフランス語で交流したいという気持ちは全くなかったのに(笑)、だんだんフランス語をしゃべりたくもなってきたため、6月からは週に1度、オンライン授業も取り始めました。

アプリは隙間時間を活用できるのがとても良くて、今のところ83日連続で続けられています。比較級や未来形を覚えたり、文章も随分長くなってきて、最近ようやく過去形に到達。

Duolingoはとにかくパターン練習をこれでもか、これでもかと続けるので、ゴロゴロ寝転がりながら、本当にあまり一生懸命覚える気力を持たずにやっても、意外と単語や文法の定着率が高いのには驚いています。

やはりゲーム感覚でやっているからか、あんまり勉強している感覚もないのに、それなりに覚えられているのが嬉しい。それぞれのレッスンには、一応文法の解説がついているのですが、私はつい解説を読み飛ばして、そのまま問題に飛び込んでしまっています。

が、逆にカチカチに説明を読んで文法を覚えず、何度も間違えながらも繰り返して練習するからか、子供が感覚的に言葉を覚えていく感じを再体験しているような気がする。

新しい文法や単語も、最初はこんなの本当に覚えられるんだろうか・・と不安になるけれど、後になるとちゃんと身についているんだからやはり毎日の「筋トレ」って大切ですねえ。

最近までは「この豚は村一番太っています」みたいな一言文章ばかりをやっていましたが、最近は結構長い文章を読んだり、聞き取り文も長い説明を聞いて、文章題に答えるようなパターンも出てきました。

Duolingoがやっているポッドキャストや、子供向け番組(ぺパピッグとかw)も、半年前までは全く分からなかったことを考えると、フランス語がちゃんと意味を持った音に聞こえ始めて、結構わかるようになってきているのが、自分でもちょっと驚き。

しかしフランス語の難しさは、簡単な順から、読む、書く、話す、聞く、だと思います。これが多分スペイン語とかイタリア語とかもっと発音がハッキリしたものだったら違うのかもしれないけど、とにかくフランス語は聞き取りが難しい!!リエゾンも多いし、もぞもぞ喋ってる感じがするし・・・。

とにかくどわーっと流れるフランス語の濁流の中で、聞き取れた単語にえいやっ!としがみついて、なんとか聞き取ろうという感覚です。自分が英語を勉強してた時って、どんな感じだったのかなあ・・もう思い出せないや・・・。



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一方オンラインのクラスのほうは、初級1が終わって現在初級2。こちらは2時間のクラスが週1回、3ヶ月で完結するクラスです。あくまで口を動かす、勉強のペースを作る・・ために始めたものの、宿題は直前になってやるなど、結局三つ子の魂は百までのようで、毎回授業が始まる前はなんとなくめんどくさく感じてしまうように(苦笑)これが教室に通うのだったらもう少し違うのかな・・。

こちらは先生がレクチャーして、皆で発音してみて、文章を読んだり聞いたり、自分で言ってみたり、ロールプレイングしたり・・と典型的なフランス語のクラスです。

Duolingoで感覚的に覚えたものを、もう少し理論的に補完できるのが良い点なのですが、先生の講義があまりにカチカチの講義で、ちょっとわかりにくい。

さらに、初心者向けな割には、知らない単語や言い回し、まだ習っていない文法もどんどんぶっこんでくるので、みんな「??」状態。全部わからなくても、なんとなく勘で目星をつけて理解をする、という練習も兼ねているようだけれど、全くの初心者にはちょっと辛いかもしれない。

実際そうなのか、初級2のクラス、始まった時は生徒が12人いたのですが、今週の授業では5人に減っていました。そして授業中にさらに2人脱落してしまい、気がついたら残っていたのはたったの3人!

私もだんだんキツくなってきたので、初級3のクラスはこの先生と取るのはやめようかな、なんて思い始めていたのですが、逆に3人ぐらいのほうが沢山話せるし、アットホームになってきたので、脱落者多発で逆に良くなったかも(苦笑)

しかし最近はネットの教材や、今までの講義形式とは違った形で言語を覚えることができるようなテクノロジーが沢山あるので、こういった「教室での集団講義」的なフォーマットの限界をより感じるようになったかもしれません。

自分のペースで、自分のニーズに合わせようとすると、やはりマンツーマンや超少人数じゃないと、こういう形式の勉強はツライ。うーむ。

そんなこんなで、クラスがめんどくさく感じるなど、ちょっと勉強も中だるみかな・・と思い始めたのですが、最近「フランス語を話す有名人」的なYouTubeビデオを見ていたら、俳優のブラッドリー・クーパーが、通訳なしでフランスのテレビのインタビューを受けているのを見つけました。

www.youtube.com

フランス語喋れるアメリカ人の俳優さんは結構いて、色んなビデオがあがっているんですが(ジョディーフォスターなんかぺらっぺら)、なんだか彼がこんなにペラペラなのは意外!!

なぜ意外と感じるのかさえわからないんですが、実はこの人ジョージタウンを卒業しているそうな!そして、フランス語は大学の時フランスで6か月のプログラムを取ったので喋れるんですー、とか言っている。まじか!ってか6か月でここまで喋れたら天才すぎるんじゃないか?!

多分絶対それだけじゃないとは思うけど、なぜか私は彼の流暢なフランス語を聞いていたら、うわーすごいなーという感心を通り越して、なぜか妙に妬ましく腹が立ってきたのでした。なんじゃこの変な感情はwww

どうも私は女性よりも男性をライバル視する傾向があるらしく、例えばジョギングで女性ランナーに抜かされてもなんとも思わないのに、男性に抜かされると急にうおーってなって抜き返そうとしてしまう・・(苦笑)

どうもブラッドリークーパーにも似たようなライバル心(?!)がメラメラと出てきてしまった模様。くそー。がんばるぞー。

しかし彼の6か月は私の6年ぐらいですかね・・でもおかげで、また勉強頑張るインセンティブができたかもw 

いまだにフランスにすごく興味があるわけでもないし、フランス人はめんどくさいなと思うことも多いのに(笑)なぜここまで頑張ってるのかよくわかんないんですが、今までわからなかったことがわかるのが面白いというのもあるかもしれません。

おまけ

ヘイスティングスの美味しいもの

8月の間、イギリスではEat Out to Help Outという、政府が支援する外食キャンペーンみたいなのをやっていました。言うたらGo To Eatみたいな感じのものですが、汚職事件・・じゃなくてお食事券がもらえるとかではなくて、平日月~水曜日に外食すると、食事代が半額になるというもの。

このキャンペーンに登録したお店でのみ有効ですが、うちの地元でも、今までガラガラだったお店に人がいっぱい入っていて、それなりに集客効果はあったみたい。レストラン経営しているお知り合いによると、これはこれでなかなか大変だったみたいではありますが・・。

ヘイスティングスでもお店は予約無しでは入れないくらい満杯だったので、ホテルで食べたり、お店からテイクアウェイすることも多かったです。

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この辺りは海の街ってこともあり、フィッシュ&チップスが美味しいらしい。有名な専門店もあるみたいだけれど、そこに行く機会はなく・・でもホテルのラウンジで子供が頼んだのも、カリッと揚がっていてとても美味しかった。グリンピースも冷凍ではなくて、フレッシュのしっかりしたもの。

ライの街にあったチョコレート・カフェ、Knoops。ロンドンにもお店があるのだけれど、シェイクもチョコの割合を指定できたりするのが楽しい。この大きさは2人がかりでもちょっと飲み切れなかったけど。

knoops.co.uk

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店先にシンプルな焼き菓子が並ぶカフェ。甘いものそんなに受け付けないけれど、こういうのを見るとテンションあがる。

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ホテルの近くにあった、シリア・レバノン料理屋さん。前日お店を通り過ぎたら、ショーウィンドウのペンキを塗っているところで、移転新装開店だと言うので、早速オープニング日のディナーに。とてもこぢんまりした家族経営のお店。ちょっと寒い日ではあったけれど、メゼをいただいた。立派な銀のティーポットに入ったフレッシュミントティーも。

そして美味しかったのが、この鳥レバー!この他にも写真を撮り忘れてしまったけれど、カウンターいっぱいに中東のフレッシュなお菓子がどわーっと並んでいて、翌日の朝ごはんにとバクラヴァなどいくつかお持ち帰りした。

www.libancoast.com

本が壁いっぱいにどばーーーーっと並ぶ素敵なカフェ。いつか海を一望できる丘の上にこんな感じで本が並ぶ書斎を作るのが夢。ただコロナの昨今においては、このカフェの混み具合はちょっと警戒。本も昔は気軽に手に取って見ていたけれど、この時代は触る前も後も手を消毒する現実。子供はここでアガサクリスティの短編集を見つけてしばし読書した。

www.tripadvisor.co.uk

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子供がドはまりして、2回行ってしまったBBQレストラン・・・なぜここまで来てアメリカンなバーベキュー、とも思ったが、実際イギリスのお肉は美味しいので、こだわって料理されたお肉は間違いなくさらに美味い。このお店、ビーチ沿いにある半地下風になったスペースにポップアップのような形で出ていたのだけれど、スモークされたビーフブリスケットなど、アメリカで食べるのと遜色なくとても美味しかった。普段は別の場所でピザがメインのお店をやっているようで、夏が終わり今はこのロケーションは閉まっているみたい。行けて良かった。

www.tommyspizzeria.co.uk


写真は撮らなかったけれど、混雑していたのでテイクアウェイにしたネパール料理も美味しかった。旅行だから当然だけれどこれだけ外食したのは本当に久しぶりだった。ちょっとは経済に貢献したかな。

www.gurkhachef.com

ヘイスティングスの城と息苦しい洞窟

夏の小旅行話の続き。

滞在も後半になって気持ちよいお天気に。ああ、空が広い、そして雲がドラマチックなことよ。

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アメリカでも海の近くに住んでいたけれど、お天気の変わりやすいイギリスで見る空模様のほうが、とてもダイナミックで芸術的なものにも思える。

青い空とそこに無限に広がる色々な形の雲を見ていると、なんとなくシスティーナ礼拝堂の天井を思い出す。ちょっとここから神話の神様でもひょっこり出てきそうな雰囲気がある。

誰かがこんな景色を巨大な機械で投影しているんじゃないか、誰かが描いた雲の絵を空に張り付けてあるんじゃないか、なんだか自分の縮尺が良くわからなくなる。

もう、雲を見ているだけでも一日ぼーっと過ごせる気もする。もしそんなふうに1週間ぐらい過ごせるものなら過ごしてみたい。家ごもりと仕事と携帯をいじりすぎて悪くなった視力回復のためにも(苦笑)。

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海風に翻弄されまくった数日前とは打って変わって、家族で機嫌よく海辺を歩き、貝殻を拾い、それこそ子供が好きなポワロさんの時代には、もっと着飾った人達が歩いたであろうプロムナードから昔はもっと煌びやかだったろう建物を眺めつつ

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この崖の頂上を目指して歩いていく。

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この素敵な高低差。海の街の高低差はやはり格別。

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階段を上って着いた先は、ジブリの世界。丘の上から見下ろす海辺の街、遊園地の観覧車や豆粒のような人達が古い町並みの間を行きかっていたり、漁船が沢山停留しているのも見える。あー気持ちいい!

この丘の切っ先にあるのが、ヘイスティングス城。1066年、おフランスから船でどわーっとやってきて、ヘイスティングスの戦いでイギリス王になったウィリアムさんがここに建てたお城、の跡が残っている。

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荒城の月でも似合いそうなたたずまいであるが、10歳児はここでいきなりBee GeesのStayin Aliveのミュージックビデオのモノマネを始めた・・(爆)確かに廃墟で歌ってはいたけれどw

この石造りの城も、ウィリアムさんの後で何回か建て直しされたものの残りもの。ノルマン王朝も最初はイングランド平定などのために、あちこちにこういうお城を建て、王様はロンドンではなくあちこち色んなところに逗留していたみたい。

その後、13世紀ごろに海岸線を大きく変えてしまうような嵐が何度もやってきて、前日に訪れたライの街などは港町として機能しなくなってしまったそうなのだが、このヘイスティング城などは、その時の嵐で崖もろともだいぶ崩れ落ちちゃったんだとか(!)

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その後もわちゃわちゃあってどんどん廃墟となっていった城が発掘されたのは1800年代になってからだそうで、その後はバラ園を作り、そこでお茶ができるようなちょっとした観光スポットになったこともあったそう。

今ではこんなだだっ広い石組みだけが残る場所で、入口にある掘っ立て小屋にいるジャックブラックのようなもっさりした兄ちゃんに現金で入場料を支払い、廃墟の敷地内にある小さなコンクリでできたオーディオルームで、受付の兄ちゃんが時間になるとふらっとやってきてビデオ再生してくれる短いドキュメンタリーを見るのと、なぜか兄ちゃんが掘っ立て小屋に連れてきたらしい飼い猫を見るぐらいのアトラクションしかない。

しかし昔はここに権力者が集い、教会で祈り、宴を繰り広げたりしたのかなと思うと、イギリス版春高楼の花の宴もあながち間違いではないのかも。

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(この丘の上には、ケーブルカーでも行ける)

城のすぐ近くには、「密輸アドベンチャー」というアトラクションもある。数百年前、貿易関税がめちゃくちゃ高かった時代、フランスに近いこの辺りの街では、密輸が横行していたらしく、ここではその時の様子が展示されている。

セント・クレメンス洞窟という、結構な長さのある細長い洞窟の中に、当時密輸された品物やら帳簿やら、そしてボタンを押すとライトが付き音声が流れだす、当時の様子を模したハリボテ人形の数々が設置されている。

行ったことはないけれど佐渡金山とかああいうところにありそうな感じの展示。実際この洞窟に、密輸したものを隠したり、そしてここで密輸の罪を犯したものの処刑もされたこともあったらしい。

とにかく薄暗く、空気は悪く、そこにB級ハリボテが大量に設置されているので不気味なこと極まりない。ボタンを押すと牢屋に閉じ込められた人形がドアをガチャガチャやって助けてくれぇーなんて声が流れてくる。ヒ~

そんないかにも地方の観光アトラクション的アトラクションを、先客カップルとソーシャルディスタンスを保ちつつ進んでいくのだが、展示は思ったより長いし、マスクをしているので息苦しいしで、出口の明かりが見えたときには随分ホッとした。

戦争中はこの洞窟は防空壕として使われたり、戦後はここが洞窟の中のオサレなダンスホールとして使われていたこともあったとか。

ロックダウンの疲れをいやすため、のんびりしたいとやってきたヘイスティングスであったが、結局一日10キロぐらい歩いてなんだかちょっと、だいぶ疲れた。