愉快的陳家@阿拉米達島

ちょっと雑だが愉快な暮らし。サンフランシスコ・ベイエリア日記

ロンドン2016 ⑧ 議会に潜入!

今回、ロンドンタワーやバッキンガム宮殿といったロンドンお約束の観光地には全く足を運びませんでした。でも行ってみたいと思っていたのが、議会。
 
(ちなみにバッキンガム宮殿は去年見に行ったら、なんと衛兵交代式で兵隊さんが滑ってすってーん!て尻もちついてた!!)
 
ビッグベン、ウエストミンスターアビー、そして議会のあるウエストミンスター宮殿と、観光スポットが密集するこのエリア。徒歩や観光バスでやって来た観光客でぎうぎうです(写真ではそうも見えませんが)。
 
 
ツアー客が団体でどわーっとやって来て、慌ただしく写真とっては引き上げて行きます。一方で、芝生でちょっとスナック休憩する人達も。
 
 
このチャーチル像、ロンドンオリンピックの開会式で、ヘリに乗った007とエリザベス女王に手ふってたやつや!(ロンドンオリンピックの開会式と閉会式、なぜか今だに妙に心に残ってるんですよね・・)

 


台風中継中


テムズ川沿いにそびえ立つビッグベン、そしてウエストミンスター宮殿、やはりこのスケールと雰囲気は、その場に立つとうおお!となります。何か空気感が全然違う。

 
Brexitが決定してまだ1ヶ月もたっていなかったロンドン。1300年代から議会制度を取り入れているこの国で、色んなことがわちゃわちゃ決められている議会の中を実際この目で見てみたい!と、ツアーに参加することにしました。
 
議会ツアーはオーディオツアーと、ガイドによるツアーがあります。オーディオツアーは色んな言語があるのに、残念ながら日本語はないみたい。
 
今回は、ガイドさんによるツアーに参加してみました。議会のあるウエストミンスター宮殿とは別のビルでチケットを購入して、見学者用の入り口から入ります。これから委員会か何かにプレゼンでもするんでしょうか、コンサルティング会社のロゴ入りパネルを持った2人も通り過ぎていきました。
 
空港風のセキュリティチェックをすると、ウエストミンスターホールでツアーガイドと待ち合わせです。
 
 

ガイドさんはイギリス人のおばちゃん、ツアー一行はロンドンから来たムスリム系のイギリス人おばちゃん数名、どっか田舎からきた家族、イタリア人一家などなど。

 
議会は外から見てもゴシック風のものすごく大きくて古いものに見えるんですが、実はこれビクトリア女王の時代に再建されたもの。以前のものは、火事でやられちゃったらしいです。その中でも、このホールは唯一、昔のものが残っている部分なんだそう。
 
とはいえ、アメリカの公共スペースとくらべてもそこまでいうほど広くはない。でもここが議会の中では一番広いスペースなんだそうで、各国の首脳が来た時のセレモニーやディナーなどもここで開催したりするんだそうです。
 
写真撮影がOKなのはホールからちょっと入ったところまで。後は撮影禁止だ!
ということで、ガイドのおばちゃんの説明を聞きながら進んでいきました。
 
受けた説明を細かくここに全部書き記すのもアレなので、特に印象に残ったことを。


再建にあたり、色々指揮を取ったのはビクトリア女王の旦那、アルバートさん。新婚ほやほやだった旦那さんですが、やはりメインの王室のお仕事は女王の仕事なので、当初この旦那にはどんな役割をあてがおうか、王室はちょっと困ったらしい。

そこで、ウェストミンスター宮殿再建にあたり特に内装、美術関連の監督という仕事をあてがったところ、ドイツ出身で美術にも造詣が深かった彼に、ドンピシャな仕事だったとか。この建物もゴシック様式風なので、ちょうど良かったみたい。



議会を開会する宣言をするのは女王の仕事。この時だけ、女王様がこの宮殿にやってきて、上院(貴族院)のほうで宣言を読み上げます。その前に女王様が入る控えの間も見学しました。

さて、上院で女王様が開会の文書を読み上げる時、上院は既に上院議員でいっぱい。そして、黒い杖を持った警備のおっちゃん(黒杖官)が女王様に代わり、下院で待っている議員たちを呼びに行く儀式があります。

しかし、黒杖官が下院に入ろうとすると、そのドアが目の前でピシャ!っと一度閉められてしまいます。

黒杖官は、閉められた下院のドアを黒い杖で持ってガンガン叩いてようやく入れてもらいます(実際下院のドアには叩かれて凹んだ跡がクッキリ)。入れてもらったあと、下院の皆さん、女王陛下がお呼びです、と挨拶します。

軍隊や教会などを除き、こういう儀式的なものとは程遠い国に住んでいる身としては、同じ英語を話す国で、こういうことが議会の場でも行われているということが、すごく面白く感じます。お辞儀というか礼の仕方とか、黒杖官が来る時のBlack Rod!って叫ぶのとか。

ぜひビデオで見てみてください(上院下院のインテリアや服装の違いにも注目)。ビデオのリンクはこちら。黒杖官が下院メンバーを召喚した後に、毎回デニス・スキナー議員が言う一言野次も名物になってますw


なんでこんなけったいなことをするのかというと、これ、なんと1642年の出来事がもとになっているそう。そういえば世界史でやったなー、クロムウェルの清教徒革命。

まあ細かいことは全部キレイに省略しますが、色々わちゃわちゃあった後、当時の王様チャールズ1世が王様に反対意見を持つ議員をとっつかまえようとしたことがあったのです。

この試みは失敗に終わったものの、これもきっかけの1つになりイギリスは内戦状態となり、その後チャールズ1世は処刑されてしまいました。その後イギリスは一時共和制国家となったりするわけですが、詳しくは世界史の教科書を再度引っ張り出して見てください。

とにかくこの、王様が議会のメンバーを力づくで制圧しようとした、という点が非常に問題となり、「いくら王様いうたかて、議会をないがしろにしてはあかん」という強いメッセージ&リマインダーが、この「ドアピシャリ」に繋がっているんだそうです。そんなわけで、イギリスのロイヤルファミリーは、今だに入りたくても下院には絶対に足を踏み入れることはできないのだとか。ヒ~面白い!!!!

なんだかよくわからない儀式の中に、そういう歴史の重みというか、強い思いが残っているというのは非常に興味深かったです。世界史も、ビデオでもいいからこんなの見ながらだったらもっと面白く勉強できたのになぁ〜。



そしてさらに興味深かったのが、上院、下院どちらにも言えるのですが、議場の異様な狭さ。ビデオを見るとわかると思いますが本当にえっこれだけ?って言うぐらい小さかった。議会だけでなく、他に見せてもらったミーティングルームも、どれもかなり小ぶりでした。外から見たらこんなに大きな建物なのに・・。

また議場では各議員にそれぞれ座席があてがわれているわけではなく、1つのながーいベンチみたいな作りになっています。基本自由席。そして、議員数だけ席があるわけではないらしい。議題によっては、このベンチにみんなぎうぎうになって座っています。机も何も無し。

これ、活発な議論を促進するためにワザと小さめにつくってあるんだそうです。うーん興味深い!


まあ活発にやったあげくにBrexitしちゃったわけですが、実際にBBCの議会中継なんかを見ていても、かなりヤイヤイと議論していて、聞いていて面白い。侮辱的な言葉を使うのは禁止なので、皆さん色々言葉に工夫をしてやりあったりするので、時には、何か芝居でも見ているのでは・・・またはモンティ・パイソンのスキットでも見ているのではないかという気分にもなってきます。居眠りする暇はなさそうですな・・


(コメディ番組で紹介されていたイギリス議会の様子についてのリンク。黒杖官に野次を飛ばす名物議員のじいちゃんが、キャメロン首相を侮辱したかどで議長に怒られます。この議長が最高)

上院議員は日本の衆議院やアメリカの上院とは違い、終身制で、選挙で決まるのではなく任命されるものだそう。報酬も無し(食費交通費ぐらい)。下院から送られてきた法案にも賛成反対を示すものの、最終決定は下院にあるなど、それほど政治的に力があるわけではなさそう。

でも最近はこの議員の数が増える一方でその数を制限しようとか、色んな動きがあるらしい。必ずしもイギリスの議会は「理想的な形」であるとは言えない、ということはガイドのおばちゃんが言っていました。

この他にも、ロビイストの語源になったロビー(ビデオで黒杖官が歩いているところ)、また投票は、票を入れるのではなく、議員が物理的に動いて決めるんだそうで、賛成の間、反対の間なども見せてもらいました。

首相答弁などは実際に見学できるそうですが、地元の議員に頼んでチケットを手配してもらう必要があるとか。委員会での審議などは、時間が合えば観光客でも入れるようですが、今回は時間が合わずに見られず。うーん残念。

それでも色んな歴史的背景や、壁にかかっている政治家や王族の絵、銅像にまつわるエピソードなど、へーへーへー!連発のとても濃い1時間半でした。このツアーも本当に行って良かった。大当たりでした。

お土産的なものは普段買わないのですが、つい買ってしまった、議会だけで買えるっぽいビール。種類はいくつかあったのですが、名前で決めてしまった「Treason(反逆)」。黒杖官がドアガンガンのもとになった、チャールズ1世が処刑された時の罪状が、反逆罪でございます。かなり美味しいポーター(黒ビール)でした。もっと買っとけばよかった。