愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

クロアチア⑥:楽しいフードツアーその1

クロアチアの食文化を知りたくて、食べ物ツアーに参加した。

旧市街には小さな青空市場がある。昭和初期か何かに戻ったような気分になる小ぢんまりした佇まいの市場には、ずいぶん錆びついた長テーブルが据え付けてある。

そこに近隣から来た農家の人達が、その日に採れたぶんの野菜やらを売っている。本当に裏庭でちょびっと採れた感じの一掴み分ぐらいの野菜を、小さな山にして売っている人もいれば、大きな屋台みたいな常設八百屋もある。

そんなところをぐるぐる回って、色々なものを試食させてもらった。

レモンやオレンジの皮の砂糖がけ。干したいちじく。農家手作り。

甘いお菓子が手に入らなかった時代、こういうのをちょびちょび食べていたと。箱の中に干したイチジクが入っていて、お手伝いをしたりしたご褒美に一個もらえたとか。レモンの皮の砂糖掛けは、私も作ったことあるなあ。

ラキアと呼ばれるお酒。イタリアのグラッパ、トルコのラキ、ギリシャのウーゾ、どれも葡萄から作られていて、使っているハーブとか味つけがちょい違うけど基本似ている。

ガイドさんのお爺ちゃんは、朝ごはんには干したイチジクをちょっと食べ、そこにラキアを流し込み、そうすると腹の中で干しイチジクにアルコールがしみこんで、腹の消毒になる!と言っていたそう・・(笑)

消毒にも使えるし、窓を拭くにもラキアを使う、なんて冗談も滞在中複数のクロアチア人が言っていた、万能のお酒(笑)焼酎的な存在かも。カラフルなのは、色んなフルーツで味付けしてあるから。

クロアチアのプロシュートは、イタリアのものより質実剛健な感じ。地方によって作り方が少しずつ違うそう(皮あり、無しなど)。冬に豚を屠殺してばらし、肉をつるして乾燥させる。なので暖冬の年はハムの値段はあがるのだとか。

お祝い事などがあると、ハムの脚をどかんと買ってきて、皆に切ってふるまう。

早々に行かないと無くなっちゃうから、お店の人に取っておいてもらったというこれはSoparnik。中にスイスチャード(フダンソウ)が入ったパイ的なもの。

スイスチャードのこういうパイ、我が家でも作ったことあるなあ、と思ったけれど、ちょっと違うのは、生地全体を炭に埋めて焼くところ。この料理はクロアチア独自のものとしてユネスコ無形文化遺産にもなっているそう。

味は予想通りの素朴な味。同じくこのパイを買いに来た、ツイードの背広を着た地元のお爺ちゃんが、これを食べたらワインを飲まなきゃなあ!と英語で冗談を飛ばしてきた。

全くそのとおり、とガイドさんが連れて行ってくれたのが、八百屋のおじちゃんの所。このおじちゃんが家で作っているワインを飲ませてもらおうという算段。自家製もいいところで、こんなペットボトルの空き瓶に入っている!

ピンボケしてしまっているが、自家製ロゼワイン。裏庭で取れた葡萄を毎年もう適当にブレンドするので、おじちゃん自身も、もう何がどれくらい配合されてるかなんて覚えてない、味も毎年違うという、本当に超適当に作ったワインである。

その味は、ワインと呼んでいいのか何だか良く判らない味、ブドウの実というより、ブドウの実がぶら下がっているステムのような緑の味がする。こりゃーワイルドだ。

ガイドの見習いとして一緒に市場を回っていたクロアチア人の女の子も、家で作るワインもこんな感じ、と言っていた。絶対店では買えない、地元の味。

その2に続く。