愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

フランス語 はじめました その2

とにかく本が読みたいだけで、フランス人と交流する気はないから、フランス語喋れなくてもいいやーなんて緩い気持ちで始めたフランス語ですが、やり始めたら面白くなってきて、生身の人間ともやり取りがしたくなってきました。年末ニースに行ったとき、脳みそから無理やり絞り出した簡単なフランス語が意外と通じたのも、ちょっと気持ちよかったんですよね。というわけで、6月からアダルトスクールのフランス語のクラスを取り始めました。

こういうご時世ですので、授業はもちろんオンラインで。講義はZoomで週に1回、2時間。PDFになった教科書や、音声ファイルなどはGoogle Classroomにアップロードされていて、それを使います。登録した生徒は12人。でも日が経つにつれてやはり脱落者が出てくるので、今のところコンスタントに参加しているのは8人ぐらいです。全員ロンドン在住の女性。イギリス人のほかにオーストラリア人とドイツ人、そして日本人(わたくし)がおります。

先生は60代ぐらいの女の先生ですが、テクノロジーもそつなく使いこなして授業してくれています。教科書の他に、授業で使う教材はパワーポイントにまとめられているのですが、授業中に板書の代わりに、パワーポイントのページにどんどん情報を書き込んだり、ちょっとおまけの情報は、Zoomのチャット機能を使って文章やスペリングを教えてくれたり。あとはYouTubeなどのビデオを流してみんなで聞き取りをしたりしています。

小さなグループで練習するときには、Zoomのプライベートルーム機能を使って生徒を分け、そこに先生が巡回してきたり(笑)

オンラインの授業は、色々難しさもあると思いますが、とりあえず今のところは、電車に乗って教室に向かう手間が無いのが楽だし、これは国民性?の問題かもしれないですけど、質問やコメントがあれば皆結構話すので、それなりに活発さもあると思います。時々画面の後ろを子供や旦那さんが横切ったりなんておまけも(笑)でもやはり誰かの猫が登場した時が一番盛り上がりました(笑)

一番最初の基礎コースから初めていますが、今のところDuolingoと高校生の時の貯金があるので、内容的にはあまり苦労せずについていけています。ただやはり週に1回、2時間だけの授業でマスターしようというのは無理な相談だし、内容的にも十分では無いなと感じることも多々。普段は教室でやっているこの授業、教材をオンライン化することでまだ試験的な部分もあるそうだし、あくまで勉強のペースづくりの一環、そしてなにより口を動かす練習として続けている感じです。

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イギリス人とフランス語を勉強してみて面白いなと思ったのは、皆さん意外に発音に苦労してらっしゃること。実際フランス語の発音って難しいんですが、苦労の仕方が日本人の私とはちょっと違う?日本人にとってアルファベットというのは後で勉強するものだし、英語もフランス語も所詮は外国語なので、同じアルファベットを使っていても、発音が異なることにそこまで抵抗は感じていなかったのですが、彼らはやはりどうしても英語の発音が干渉してしまって、ちょっとした単語もすぐに英語読みになってしまうようです。

jardin public, centre commercial、toilettes publiques...英語にも同じ単語があるものは顕著ですし、他の単語もスペルの最後の文字をどうしても発音してしまったりとか。やはりテキストを見て字面を追ってしまうとそうなりがちなので、なるべくテキストを見ないようにと言われています。

あとはやっぱり女性形・男性形、動詞の活用に苦労するのは皆さん同じ。ただ動詞が変化するという概念や、「活用(conjugation)」という言葉自体知らない人も結構いてそれは驚きました。考えたら英語はHe/Sheの時に動詞にSがつくぐらいしか変化ないんですよね。

でもさすがにフランスは隣国なだけあって、イギリス英語は、アメリカ英語と比べても、普段の生活で使われている言葉の中にフランス語が結構入り込んでいる気がします。例えばなすびはeggplantではなくaubergine、ズッキーニはcourgette なのは有名ですが、学校やコミュニティでやるお祭りはfestivalじゃなくてfête、お店の呼び方でもブーランジェリー、パティセリーは当然ながら美容院にもcoiffureという言葉がよく使われていたり、ナプキンのことをservietteと呼んだり。なので時々新しい単語を習っている時も「これは皆さんもうおなじみですよねー」みたいな感じでスルーされて、ちょっと待ってー!となることも時々あります(笑)

とはいえ日本にいるときに耳にしていた外国語の単語が実はフランス語だったんだ!と気づくことも多くて面白いです。やはり美術美容料理系が多いかな、じゅわいよ・クチュール・マキのおかげでじゅわいよ(joyaux)=宝石、とすぐ覚えられたし、絵を描く(dessiner) はデッサン繋がりだし、visage(ヴィサージュ)ってよく日本の美容院で目にしていた単語は顔って意味だったし。

アミューズ・ブッシュのブッシュは口で、口を楽しませる、という意味だったんだーとわかったり、あ、そういえば、フルートなど楽器を吹く時の口の形のことを英語でもembouchureというんですが、ここでも「口」繋がりがわかったり。と色々芋づる式にボキャブラリーの世界が広がるのを一人イヒヒと楽しんでおります。

聞き取り読み取りはそれなりに手ごたえが出てきましたが、自分で作文したり話したりするのはやはりまだまだ難しいですけどね。オンラインのクラスも、皆の理解度に差があるので、望むほど内容がなかなか進まなかったり、自分が声を出してフランス語を話す機会も生徒の人数がいればいるほど減るので、もっと自分の能力に合わせた勉強がしたかったら、もっと少人数か1:1でやるしかなさそう。あとオンライン授業で困ることといえば、皆で発音練習をする時に、お互いのたどたどしいフランス語が、イヤホンを通じて結構なボリュームで自分の耳に直接ガンガン入ってきてしまう、ことでしょうか(苦笑)

ということで、純粋に趣味としての言葉の勉強、どこまで続くかわかりませんが、プレッシャーも試験も無いのでとにかく楽しんでやっています。最近はオンラインで色んなコンテンツが見れるから、飽きないし、現地からのコンテンツがすぐに手に入るのでさらに良いですよね。まあフランス語の動画などは見ていても何言ってるのかほぼわかんないですが、コンテキストでわかることも多いし、拾える単語が増えてきたり、単語を全部知らなくても、結構構文が英語と似ているのでわかっちゃった!なんていうシチュエーションも少しだけ出てきて、なぜか将来きっと全部わかるようになる気がする!という根拠の無い変な希望をもってだらだら続けています(笑)

おまけ

今使っているフランス語コンテンツ色々

www.duolingo.com
言語によっては使われている表現が変なものもあるらしいですが、とりあえず隙間時間に語彙を増やすのと基本的な文法を覚えるには最高だし無料。

www.podcastfrancaisfacile.com
ウェブサイトがナビゲートしにくいですが、これ全部無料なのすごい。道順を説明する音声ファイルは、リアルに車が行きかう音が入っていて、わざと聞きづらくしてあったりします(笑

www2.nhk.or.jp
なんだかんだいって、これほど良質の教材は無いと思う。特に今習っているオンライン教室は、文法の説明をするときについ色々いっぺんに説明しようとして皆を混乱させているところがあるように感じるのだけれど、この番組の解説は秀逸だと思います。オンラインでアーカイブも聴けるし、教科書がなくても十分学べます。

www.youtube.com
YouTubeには本当に色々なフランス語勉強コンテンツがあるんだけど、つい見ちゃうのがこれ。特にこのちょっとオタクっぽい感じのお姉ちゃんが、教科書っぽくない感じの色んなフレーズを教えてくれるビデオなど、可愛くてつい見てしまう。

www.youtube.com

podcast.duolingo.com
Duolingoのフランス語ポッドキャスト。中級フランス語で話しているというこのポッドキャスト、色々な人のインタビュー番組。言っていることはほとんどわからないけれど、途中途中で英語のナレーション(言っていることの翻訳ではなくて、インタビューはフランス語、ナレーションは英語)が入るので最後まで興味深く聴ける。子供と一緒に、料理バトル番組でプロを押しのけて優勝したアマチュアシェフのインタビューを聴いた後、興味がわいて2人で実際にその番組をYouTubeで探し、言ってることわからないのに最後まで見入ってしまったりした。

www.youtube.com