青島さんといえばやっぱり自分の中ではテレビの人で、「いじわるばあさん」、あと何だったか覚えてないけど、高見知佳と司会をしていたテレビ番組を結構一生懸命見ていたのを急に思い出した。政治家だった、知事だったっていうのは、オマケぐらいの印象しかなかったなあ。
こんなすでに絶版になっているっぽい本も、アメリカの図書館にひっそり残っていました。
- 作者: 青島幸男
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1985/07
- メディア: 文庫
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ちょっと前にNHKでやってた「とっとテレビ」と同じ頃の時代。裕福で親から何でもしてもらえたボンボンが、ラジオのシナリオライターとして放送の仕事を始め、その後コミックバンドの歌を作ったり、台本書くだけでは飽き足らず自分もテレビ出演を始めるなど、登場人物の名前はちょっと変えてあるものの、青島さんの自伝的な話。
ここで出て来るコミックバンドはもちろん「クレージーキャッツ」ね。
私が子供の頃、山瀬まみと林家こぶ平が司会で登場する「テレビ探偵団」っていう昔のテレビ回顧番組があって、クレージーキャッツとか山本リンダとか、昔のコマーシャルとか、全部その番組で知ったなあ。そこで「青島だぁ!」っていうギャグも初めて見たんだと思う。
当時のテレビの世界については、これを読んでいるとなんだか乱暴だなぁ、でもこういう勢いでテレビ文化が作られたんだなぁ、テレビ局って今も結構こういう感じが良くも悪くも残っているんだろうなあ・・と「トットちゃん」の視点とはまた違う角度で放送業界の黎明期が垣間見えたような。
この「自伝」的小説では、主人公は全て嫌になってアメリカに行ってやる!ってところで終わるのだけれど、実際の青島さんは高飛びしたんだろうか?アメリカに行けば何か変わる、という発想も昔っぽいなという感じではあるが・・。
スーダラ節でヒットを飛ばし、役者としても活躍し、小説を書いては直木賞を取り、政治の世界に入り都知事にもなり(知事時代の功績についてはかなり残念な感じだったようですが)・・。
婆さんのカツラを被って「あたしゃねぇ〜」と言っているぼんやりしたイメージが先行していたけど、随分マルチな才能を持っていた人なんだなぁと今になって再認識したのでありました。