愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

たまの日記

ロンドンに来てから月1で風邪を引いているような気がする。特に冬場は酷かった。やはりカリフォルニアとは比べようのない寒さと日照時間の短さ、そして何年ぶりかのバス・地下鉄通勤。アメリカでは咳やくしゃみを手ではなく肘でカバーするというのを学校でも教えられるのだが、まだまだイギリス人は手で抑えてはゴホゴホゲホゲホやっている。その手で手すりやいろんなところを触るし日本ほどではないにしろ満員電車に揺られるわけだから、バイキンシャワーも浴びやすい。先日は盛大なくしゃみを手でカバーした女の人が、その手で手すりを触り、さらにその手で一緒にいたボーイフレンドの頭から顔からナデナデしてバイキンを顔になすりつけていた。

先週は久しぶりに熱を出して1日寝込んだ。久しぶりの高熱は、在宅仕事さえしなくて良い口実になるし逆に清々い。仕事も家事もせずに1日過ごすと、驚くほど実にゆっくりと時間が流れていく。時計を見てもまだ昼にもなっていない。病欠の昼間に学校に行かずテレビを見ている背徳感を思い出す。同時に平日の午後2時3時が自分の中で一番嫌いな時間だったことも思い出す。芸能人の誰が死んだとレポートするワイドショー、日本文化センターのコマーシャル、テレビドラマの再放送がだらだら流れるやるせない時間。家に1人ぼんやりと炊飯器を開けて残ったご飯を見つめてはまた閉める。

普段は特に何を食べても元気でいられるが、吐き下しもあったので何も食べる気が起きず、だしパックを煮出してお茶のようにごくごく飲んだら元気が出た。病気で気が弱くなると故郷のものが食べたくなる・・味噌汁飲んでホッとしてああ私はやっぱり日本人、となるのもあまりにベタだなあと思いつつ、後輩が2年前にくれた茅乃舎だしのいいやつを取っておいて良かった。

やはり熱が出ると頭が少しパッカーンとなるのだろう、病欠をいいことに日本のテレビ番組をあれやこれやの手を使ってみていたら、小堺一機がホストで昔のテレビ番組やら紹介している番組を見てしまい、ロンドンにいながら頭が日本の昭和の平日の午後にトリップしてしまい、時空も認識も歪んで大変なことになった。思えば日本を離れてもう20年、自分の頭の中で時々思い出されては蠢いている日本の街の景色も、自分の頭の中にしか存在しないバーチャルな世界になってしまった。懐かしいのか戻ってみたいのかわからないが、時が経つのは本当に一瞬、自分も歳をとったものだという陳腐な感想しか出てこずにがっかりした。小学生の時、部屋にかかっているスヌーピーの時計を見つめながら、今こうやって時が進んでいるのを見ているけれど、次に瞬きをした瞬間、あっという間に自分は何歳になってこの時のことを思い出すんだろうか、という考えを起こしていたことも思い出した。そしてまた20年後に今この時のことを思い出して同じような感想を持つのだろうか。それもまた陳腐であることよ。(所要時間15分)