愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

バーチャルと空想


我が家では思い立つと散歩と称して街中を4-5時間でもうろうろ歩き回ったりする。こうなると散歩というよりは、長距離の徘徊といったほうが良いのかもしれないけれど、いつもは通らない道を通って見たり、いつも通る道で見えなかったものが見えたりするからずいぶん楽しい。実家の父も、こうやってうろうろと知らない場所を歩くのがすきで、小さい時は色々なところに連れて行かれたものだけれど、非常にUptightなコドモだった私は、知らない場所に行くのが不安で不安で、こんな小道に入って、周囲の住人に怒られやしないだろうかとか、道に迷って帰れなくなったらどうしようとか、妙な心配をしていたものだった。今思えばつまらんコドモだなぁー。


大人になってからは、徘徊の楽しさを知り、たまに旦那とふらふらする。そういえば日本にいた大学生時代は、意味もなく歩き続けよう会と称して、友人達と曲がり角に差し掛かっては木の枝を投げて、その枝が指した方向にひたすら歩く・・・ということをした。いろいろ寄り道しながら、一日かけて三鷹から日野まで行ったかな?でも帰りは中央特快でものの15分ほどで出発地点に戻れてしまい愕然とした覚えが(笑)


この日は近所の商店街で商店街を上げての大売出しをやっていたり、入ったことの無かった高級家具屋が半額セールをやっているのをひやかしたり、地元で人気のピザ屋でピザのスライスを2枚も食べてみたり、いつもは通らない住宅街を通り抜け、急勾配の階段を上ったり降りたり。街はいつも新しい発見があるのが楽しい。


今回はゴールデンゲートパークまで行き、植物園で蝶が羽化するのを見たり、以前手持ちの現金が少なくて入れなかった日本庭園にもよって見た。昔々アメリカで行われた万博のために、明治の日本から持ち込まれた五重塔やら、仏像やらが設置されていて、ミニ三渓園といったところ。日本家屋の中にお土産屋さんがあるのも、ちょっと日本ぽくて、ここは本当にアメリカ?とちょっと懐かしくなってしまう。しかしやっぱりここはアメリカ・・・・、日本庭園「らしく」は見えるのだけど、気がつくと柵の模様が日本にはあるまじき中華風だったり、五重塔も多少ハリボテ感があったりと、ディテールを見るとなんだかちょっとづつ何かがおかしくて背中がもぞもぞする。お茶屋さんでは、これまたあるまじきマジックテープ帯をつけ、浴衣に足袋を履いたお姉ちゃんたちがお茶を出していた。やはりこれは「バーチャル日本」ではなく「アメリカ人の空想上の日本」なんだなぁ。そんなことを考えたら、本物の日本を見にに里帰りがしたくなったよ。