愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

目撃者


外国に住むようになって、犯罪とか事件を目の前で見ることが、
日本にいたときよりも多くなった。
麻薬の密売をしているところとか、
警察が強盗集団を逮捕していたり、
麻薬でらりって暴れている人を大勢で押さえつけていたり、
ギャング同士のものすごいケンカがあったり、
コドモが店から何かを盗んで、その後をハンプティ・ダンプティのような
おっちゃんがダッシュで追いかけるという、
ちょっとサザエさんチックな場面に遭遇したり、
さらには住んでいたアパートの前に死体が転がっていたり。
でもだんだん感覚が麻痺してくるのか、
うつぶせになったおっちゃんの死体を、警察の鑑識が激写しているのを見ても、
「ふーん」と思ったぐらいだった。
多分自分が介入してどうにかなる、
といった類を超えた種類の状況だからかもしれない。


しかしいまだに見るとへこんでしまうのは、万引き。
いい大人が万引きするのを何度か見た。
あまりに平然とやるので、こちらが目を疑ってしまい、
こちらが正気を取り戻すまでに、あちらが立ち去ってしまう・・・。
というシチュエーションが多い。
盗むものは、電池とか食べ物とか、小さいものが多い。
今日は、近所のカフェで親父が陳列してあったマグカップを盗んだ。
混雑したカフェで、飲み物も頼まず変な位置でふらふらしてる人がいる、
と思いながら自分の用事を済ませていたら、
その親父はマグカップの前をうろうろし始め、
そして突然立ち去った。そうしたらそこにあったカップがなくなっていた。
手に取ったところを見なかったのだけれど、明らかに持っていた感じ。


こういうときどうするべきなのか、いつも悩む。
大声を上げて止めるべきなのかもしれないけれど、その状況に遭遇すると
声が出ない。固まる。
下手にかかわって銃でも持っていたら?と思うとそれも怖い。
モノを盗んだり、悪いことをする人は、そのときはつかまらなくても、
その人の人生全体を見たとき、きっとどこかで大きな天罰が下るとは思っている。
でもものを盗むという、なんとも情けない行為をしている人間を見てしまったとき、
自分がどう対処すればいいのか・・・。