愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

2018夏の思い出② ハイパーな日本祭り

不思議なもので、高校の同窓生に海外でばったり出会う確率がとても高い。ロンドンでも、子供の日本語教室を色々探していたら、そのうちの一つの経営者が部活も一緒だった高校時代の同級生だった。

渡英してすぐ連絡をとりウン十年ぶりの再会を果たすことができたが、彼女から日本関係のイベントのチケットも頂いてしまった。

で7月某日、子供と行ってみたのがこちら。

ハイパージャパンフェスティバル。

話は飛ぶが、サンフランシスコには日本街があり、ジャパンセンターと呼ばれる小さなショッピングモール的なものがある。そこのダイソーで買い物したり、ニジヤでポッキーを買ってみたり、ベニハナでテッパンヤーキを食べてみたり、紀伊国屋の一階でアニメグッズを漁ってみたり、ラーメンの列に並んでみたり・・とそれなりに日本文化が普通に隣にある生活をしているアメリカ人は結構いたものであった。

そして春には桜祭り、夏になればお盆祭りと、地元の日系コミュニティが主催するお祭りもずいぶんと盛り上がる。数キロに渡って行われるパレードでは、フンドシ一本で神輿の上に乗る爺さんを沿道でゲイのお兄さん達がキャーキャーいいながら見ていたり、伝説の日系政治家ノーマン・ミネタ氏が、アニメキャラのコスプレをしたアメリカ人の団体を後ろにぞろぞろと引き連れ、オープンカーに乗って手を振っている・・・という面白い風景も見ることができる。

そういう日本のシンボル的場所がないロンドン、日本文化は一体どんな広がりを見せているのか、なかなか視覚的に確認する機会がなかった。しかしさすがにロンドン・パリ・ニューヨーク、と言われるだけの世界都市なだけある(笑)。大きな日系人コミュニティは無いかもしれないが、進出したい企業様はたくさんいるわけで、そんな大中小の企業努力が元になっての一大祭りが繰り広げられていた・・・!

ロンドンに来て久しく日本的なものに触れていなかった私と子供、思わずウッヒョー!である。

ウッヒョー!稀勢の里。ドーモ君も来ていた。どうせ中身はおっさんかな・・

しかし何より子供がウッヒョー!となったのはニンテンドーのブース。会場にいた時間の3分の2はここにいたのでは無いだろうか。

ニンテンドーラボ、よくできている。でもダンボールってすぐヨレヨレになって分解されてそこらへんに転がってしまうんだよね・・子供が飽きるのも早そうな気もする。難しいところだ。

どハマりしていたスプラトゥーン。家にゲーム機は無いのだが、youtubeスプラトゥーンの音楽を聴き始めてハマったらしく、ようやく実物を触ることができてもう夢中になってしまった。

ムニョムニョごにょごにょ不思議な言葉で歌ってる音楽、実はなんだかよくて私も子供につられて聞いてしまっている。youtubeをだらだら見るぐらいだったら、こういうゲームを与えた方が良いという話も友達としていたところだったので、クリスマスにニンテンドースイッチを所望されて少し迷う。

しかし何より、この祭りを支える基盤となっているのは、みんな一体どこから来たのか、なぜか写真にはあまり写り込んではいないものの、会場の大方を占めているように思われたロンドンのコスプレイヤーのみなさまである。

ガリガリのアジア人のおっさんセイラームーンには多少引いたものの、なんだかその層の厚さはサンフランシスコに集まる人たちよりすごいんじゃ無いかと思われるほどであった。

若者だけでない、かなりゴリゴリのおっさんがフリルたっぷりのロリータファッションをしているのは圧巻だったし、中には娘に付き合って家族3人コスプレ一家もいた。全員ピンクで決めているのであるが、頭髪がヒヨコみたいになった中年のお父さんもピンクのメルヘンアイテムで身を固めている姿は、家族愛の深さを感じざるをえなかった。自然と好みを共有していてこうなったのか、何か思春期の子供を理解しようとして頑張った結果がこうなのか、気になるところではある。

結構イタリア語が聞こえてきていたのも印象的だった、イギリスだけで無いヨーロッパに広がるアニメ文化の輪。みんなすごく楽しそうにグッズを見ていた。

そしてそこへ久光製薬が無料で布バッグを配っていたため、「サロンパス」とでかでかと書かれたバッグを肩にかけたコスプレイヤーが大量発生し、ロンドンの路上に散らばっていくという現象もその後見られたのであった。

そういえば別の日には、今ロンドンでミュージカル王様と私に出ている渡辺謙大沢たかおトークショーをしていたりもしていた。コンサート会場もあり、よく知らないアニソンDJなどが回したりもしていたが、一つわーきゃー言っている会場を覗いてみたら髭とツインテールのロリータレスラー、レディービアードいたー!!!

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この格好でデスメタルをがなるオーストラリア人のレスラー兼パフォーマー。ビデオをどこかで見かけてヒョー、と思ったのだが、自分はパロディでこのような格好をしているが、それで女装コミュニティのみなさんが気分を悪くしていないか心配だった、でもみなさん暖かく受け入れてくれて・・って結構ちゃんと話しているインタビューも見て、結構真面目な青年やんな、と思った記憶が。

これはせっかくなので見てみたい、とも思ったがちょっと8歳児には刺激が強すぎ怖いと拒否られてしまった(笑)

この他にも色々な食品メーカーが出店しており、いなり寿司だ味噌汁だラーメンだと、色々ちょっとずつ試食させてくれるコーナーもあり、ランチがいらないくらい試食でお腹がいっぱいになってしまった。

結構お客さんとブースの人が顔見知りだったりもするようで、「あ、◯◯さん知ってます?△△の会で一緒なんですよ〜、やっぱり繋がってますよね〜」などと共通の知り合いの話をしているのも何度か耳にした。やはりそれなりに狭いのかロンドンの日本人コミュニティ。

実はこのイベントにいく前日の夜、ふと餅が食べたいな、焼いたやつにチーズ乗せて海苔巻いて醤油をつけて食べたいものだ、とちらっと思っていたのだが、あるブースの方がそろそろ片付けるからと、展示してあった切り餅1キロ分を思いがけず下さったのがとてもラッキーで嬉しかった。実は昨晩寝しなに餅が食べたいと思っていたところだった、と丁重にお礼を言った。

その日の晩、もしや・・と思い、誰か1億円ぐらいくれないかな、とふと思ってみたりもしたが、翌日になっても特に何も起こらなかった。