愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

デイケアのこと


仕事復帰にあたってやはり一番頭をなやませていたのが、デイケアのこと。子どもを置いて働きに出ることに罪悪感を感じる親は多いと思いますが、私は罪悪感というより、子どもが成長する様をつきっきりで見ることができないのはクヤシイ!という自分の勝手な希望が満たされない悔しさみたいなものが強かった。意外と家にいて子どもと過ごす時間も楽しいし・・。自分の子どもが親の手を離れて他人と長時間過ごす=他人に育てられる、というのもなんとなく嫌だなあなんて思ったりもしたのですが、だいぶ人間らしくなり、活動も長時間になってきた小さいさん、ずっと一緒に家にいても、自分は家事をしたりしないといけないし、思うほど色々してあげられないのも事実かも、と思うように。


4月頃からデイケア見学は初めていたのですが、実際預かってもらえるかどうかは、ギリギリにならないと空きが出るかわからないのでなんともいえず。(日本はどうなのかよく知らないですが、新学期があって4月からとか決まった時期にだけ入園を受け付ける、というシステムではなく、空きがでたらその都度埋める、という感じ)デイケアにも色々あり、日本のいわば保育園的な大きな施設もあれば、ファミリーデイケアといって個人が自宅を開放して3−5人ぐらい子どもをあずかっているようなところだったり(日本のような非認可、というのとはちょっとちがくて、きちんとライセンスをとらないと開けない)。また個人でベビーシッターを雇うことも可能だし、ちょっとそれは経済的に・・という場合は、複数の家族がひとりのベビーシッターを雇って複数の子どもを見てもらうナニーシェアーという形態があったりと、選択肢は本当にさまざま。


私達は妊娠中に近所のファミリーデイケア2件と話をし、まあこの2件のどっちかでいいかなー、そんなにこだわらないし、なんて思っていたのですが、実際子どもが生まれてみるとやはり預けるのは誰でもいい、とは思えなくなり・・・。なんとなく候補にしていたファミリーデイケア2件も、デイケアのライセンスを取り扱っている事務所に電話して、今までにどんなクレームが来たか確認したところ、2件とも、「こ、これは・・・」と思うような事故があったことが発覚。これはあかんな・・と思い、またデイケア探しは振り出しに。


とはいえ人気なところは長いウェイティングリストがあるというし、我が家の地域はそんなにデイケアが沢山有るわけでもなく、焦りながらもとりあえずどんなところか見てみようと、あまり入れる見込みのない人気のデイケアも見学してみることに。ここは音楽やアートに力を入れているというのは聞いていて、それはいいなぁ・・と妊娠中にぼんやり思っていたのだけれど、ちょっと遠いし、まず入れないだろうと思い対象からは外していました。でも実際に行ってみると、やっぱりいいなぁ・・・と・・・。


小さいぐらいの赤ちゃんをあずかっているところだと、デイケアによっては子どもをハイチェアに乗せてだーっと並べて、順番に離乳食を口に突っ込んでいく・・という流れ作業をしていたり、先生たちがけだるそうに赤ちゃんの世話をしているのを見てうーん・・と思うところもあったのですが、ここは雰囲気が良かった。そしてなにより、日々の成長を自分が見ることができなくなることがクヤシイと思う自分にとって、先生達が毎日それぞれの子どもの成長記録をジャーナルとして共有してくれ、一緒に成長過程を把握して、協力してやっていく・・という姿勢があるのがすごくいいなと思ったのでした。

さらに見学にいった日は、お昼寝前の時間ということでちょうど教室に音楽がかかっていたのですが、聞こえてきたのはなぜか私が高校の時に好きだったバンド上々颱風の曲・・・!当時はよくコンサートに行ったりしていたのですが、最近は全然聴く機会もなく、それが普通のアメリカのデイケアで急に耳に入ってきたのでそれはそれはびっくり、なんだか不思議な気分に。


面白いこともあるもんだなぁと、とりあえずダメもとでウェイティングリストに名前だけ載せて置いてもらったのですが、ほどなくして先週、空きができたのでどうですかとの連絡がきました。しかも11月からでも12月からでもいいですよ、とのこと。あらー!これはやっぱり運命だったのかしらん。


日本でもお受験だ何だと、必死になっている親も多いようですが、実際親になってみると、自分の手元から離すとなると、安心して預けられるところ、家庭ではしてあげられないような刺激があったり、社会性を身につけて貰えるような場所を探してあげたい、というキモチはこんなに強くなるもんなんだなぁ・・と自分でもビックリしました。とはいってもまだまだ赤ちゃんなので、教育云々というより安心して預けられるところ、というのが一番気がかりだったのですが・・。実際にそこに子どもを預けているお母さんからも話を聞いたりして、本日スポットをおさえるためのお金を送付。まだ手続き途中なので無駄にドキドキしていますが、仕事復帰にあたっての一番の心配事だったので、肩の荷がだいぶというかかなり降りました。って、実際に通い始めるまでどうなるかわからないですが・・・。でもまあ、合わなければまた辞めて別の場所を探せばいいし、とりあえずは見つかってラッキー!後はかあちゃん、頑張って稼ぐよ。