愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 巨人と教授


サンフランシスコ・ジャイアンツ、あれよあれよという間にワールドシリーズテキサス・レンジャーズを破って優勝してしまいました。何度か試合は見に行ったことがあるものの、そして試合前に国歌演奏をしたこともあるものの、ジャイアンツの動向をぜーんぜんフォローしていなかった我が家。野球はスポーツの中でも観るのは結構好きなのですがなにせ阪神ひとすじの家庭に育った私・・・地元とはいえチーム名に巨人と名がつき、ユニフォームなぞはまるきし似ているチームなぞはやっぱりあんまり本気で応援する気になれなかったのでした。


ワールドシリーズが始まってもそれはあんまり変わらず・・にわかジャイアンツファンが増殖する中でも結構冷静に受け流しておりました。でも試合を観ていなくても、誰かがホームランを打てば外で誰かが雄叫びをあげるし、試合に勝った夜はここそこで花火はあがるわ、レッツゴージャイアンツの掛け声や車のクラクションが鳴りまくるので、試合結果がわかってしまうという・・(苦笑)試合に負けた時には、おもいっきり外は「しーん」としていてその差が面白かったです。


そして最終日、お髭のピッチャーががっちり押さえて優勝が決まると、もう家の外は大騒ぎ・・・試合が終わったのが8時頃?ぐらいだったのに真夜中すぎまでずーっと家の外ではクラクションが途切れることなく鳴りっ放し、耳がー!最後にはもうまるでカイロの街中にいるような気分になりました。でも60年ぶりの優勝とかで、フィーバーするのも仕方ないか。選手たちはその日の夜のうちにバスに乗って帰ってきて、さっそく優勝パレードがありました。


市内は大混雑。小さいさんもいることだし、テレビで見ておこう・・と思ったものの、セレモニーをやる場所までついつい散歩がてらふらっと行ってしまった。



見えない!



ケーブルカー型の車に選手が乗っていて、それが通り過ぎるたびにごおおおっ!という感じの歓声がわくのがちょっと怖いくらいすごい。これが暴動じゃなくて慶事で良かった。でもどっちにしろ見えないので車の屋根の上に選手の名札が出ているのを寂しく見送るのみ。


はからずもチームカラーを着て特等席で鑑賞のみなさん。



人ごみは濁流のごとくどんどん激しくなり、マリファナの匂いがかなりしてきたのでこれにて退散。残りはテレビで見ました。優勝記念セールがあればよかったのに。


そしてパレードがあった同じ日に、なぜかサンフランシスコに「教授」こと坂本龍一がやってきました。教授のコンサート、30ドルちょい。YMO世代からはちょっとはずれている私ですが、小学校の時には必ず運動会のリレーの時にライディーンがかかっておりました(笑)中学生の頃には、かなり年上のお兄ちゃんがいる同級生がいて、当時すでにナツメロだったYMO近辺の音楽をクラスに持ち込み、ちょっとしたブームに。みんな一生懸命教室のオルガンで戦メリを弾いていた覚えが・・・。どっちかというとその後細野さんやアッコちゃんファンになり、ここ10年の教授の音楽はほとんど聴くことはなかったのですが、めったにないチャンス!とお友達を誘って教授見物へ!もちろん小さいちゃんは、旦那にお願い!


ピアノオンリーのコンサートで、ピアノは2台、そのうち1台は事前にプログラミングされた自動演奏で、それと一緒に教授が連弾、という形。オーディエンスの8割は、ベイエリア在住の中年風日本人でした。普段若者に混じって働いているので、自分もまだまだ若いつもりでいたのですが、ちょっとこれは軽く衝撃だったかも・・・笑


コンサートの感想は・・・面白つまらなかった!!癒し系エコ系に走っている教授、前半はグランドピアノの弦をべろんべろーんとはじいたりして氷山溶けてます、温暖化ですよー自然が泣いてますよー風の曲をずっと演奏、それにあわせて近代美術館でプロジェクトしてそうな、なんだかぼんやりした映像や、ダライ・ラマのありがたいお言葉などが舞台でずーっと映しだされており、ずっとこれじゃたまらんとばかりに退席しちゃう人、居眠りする人もぱらぱらと。一時はどうなることかと思いましたが、後半になり、ラスト・エンペラーやらYMOの曲やら古い曲になると観客もぞよぞよっとして活気が出てきました(笑)そしてやっぱり戦メリで盛り上がっちゃった、という感じでした。やっぱり何がどうなっても、教授=戦メリキター!って感じになっちゃうんですねぇ。私は千のナイフが好きなので、ピアノのアレンジを生で聞けてよかったです。


ピアノのコンサートということでちょっとクラシックコンサート風だったのか、教授のトークがまーったく無かったのが残念。あとびっくりしたのは、教授が弾くピアノは一生懸命弾いてるのにあんまり鳴らず、結構ホゲホゲに聴こえたことでした。やっぱりシンセのほうが得意なのかしらん。でもとにかく、多感な中学生時代、友達と一生懸命聴いていた教授の音楽を、こんなに時間がたってからアメリカで生で聴けるとは・・・人間生きていると、色んなことが叶うもんだな、と思った夜でございました。その後ちょっとお友達とお茶がてらおしゃべりしたのも久しぶりで楽しかったです。コンサートの後も余韻冷めやらず、その後自宅で教授が出ていたアホアホマンのエピソードをYouTubeで鑑賞。爆笑してたら子供がびっくりしてギャン泣きしちゃった。あーあ。