愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

エジプト19:回転ひげおじさん

いまだに思い立ったときに綴っている中東旅日記。すでに1年半前の事象と化してしまったのに、終わらない〜。


暑い、うるさい、埃っぽい、ゴミゴミしていて、面白すぎるエヂプト。しかしやっぱり環境や感覚の違いは身体というか神経にこたえたようで・・・。とにかく車のガロガロ走る音と、クラクションの音のすごさに、一時は中耳炎になった?!と思うくらい耳の中が痛み出して心配したり(繊細なので・・・)、そして滞在中日になって、特に何があったというわけではないのだけれど、急に気分がいっぱいいっぱいになってしまったというか、頭がパンクしたような感じになってしまい(繊細なので・・・)、夕方ホテルに戻ってなぜかうわーん!と号泣。コドモの知恵熱みたいなもんで、多分頭がエジプトに順応しようとするプロセスだったのかもしれません。体も何だかんだいって疲れていたのでしょう。でも泣いて毒素が出たのか、そのあとはすっきりしてしまいました。


すっきりしたところで、はたまたタクシーに飛び乗り(このタクシーの運ちゃんのミラクル運転テクニックはすごかった!渋滞する5車線の道路のはじからはじを、他の車を押しのけ「ほぼ直角」に渡りきった・・・もともと車線など無い国なので、タクシーに乗るとジェットコースター状態)、スーフィーダンスのパフォーマンスを見に行きました。カイロでは、モスクを中心に、門前町みたいな感じで商店街が広がっている場所がいくつもあったけれど、そんな商店街の近くにある「隊商宿」だった場所で、ダンスグループがパフォーマンスを披露しているとのこと。


中は照明も綺麗にセットされ、幻想的。思えば、バザールに寄った時以外、あんまり道端で観光客を見かける機会が少なかったのですが、こんなところにいたのか!っていうくらい、会場はガイジンだらけでした。


まずは楽隊の演奏から。メンバーは、かなり若めのお兄ちゃんから、おひげを生やしたおっさんまで。


少林サッカーゴールキーパーをやっていた人にそっくりや・・・



ちょっと吉本新喜劇に出てきそうなこのおじちゃん。あ、しゃなり〜、しゃなり〜、あらハーさん、どこへお出かけ?って感じ(笑)。


ずっとクラシック音楽ばかりをやってきたものとしては、えんえんときりがないように聞こえる民族音楽、楽譜はあるのか、どうやって覚えるのか、何かタイミングがあるのか、気になることがたくさんありすぎます。


そして目玉は、このひげのおっさんです。まずは、模様のついた大きな丸いバスケットのようなものを持ってぐるぐる回る。周りながら、このバスケットを組み合わせて、色んな模様を作りながらぐるぐる回る〜。


いつもより多めに回っております〜



とにかくぐるぐる回っている間の、おっちゃんの顔の嬉しそうなことといったら。ぐるぐる回ることでトランス状態になり、神様に近づく・・・というのがもともとの趣旨なので、ちょっとは神がかっているのかもしれません。それに比べて周囲のバックダンサー兼ミュージシャンの中には、しんどそうな人が約一名おりました。スタミナ不足?またはふりを覚えてないのかー?!


このおじちゃん、着脱可能なスカートみたいなのをはいていて、これも脱ぎだしぐるぐる回しはじめました。このスカート、どんな素材でできているのやら・・・2枚重ねになっているから結構重いのでは!!ぐるぐるトランス状態?で回りながらも、脱いだものを丁寧にたたんでいるのがちょっと笑えます。これは後からさっきのしゃなりしゃなりのシンバルのおっちゃんが回収してました



こんな感じで30分ぐらい回りながらスカートを2枚脱ぎ、さらにぐるぐる回り続けました。これでショーはおしまい?と思ったら今度はおにいちゃんたちも登場。回る毒キノコ状態に。やっぱりものすごく幸せそうな顔をして回っていたのがとても印象的。


うわー

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ステージはそんなに広くはないし、ぐるぐる回りすぎてよろめいたらステージから落ちてしまいそう。やはり三半規管の強い人がぐるぐる回る役に選ばれるのだろうか。踊りと音楽のタイミングはあるのだろうか、初めての練習のときなどは、スカートがこんがらがったり、くらくらしてひっくり返ったりしていたんじゃなかろうか・・・などとパフォーマンスに見入りながらも余計なことばかり考えてしまった。そんな心配をよそに、それぞれ30分は回っていたおじちゃん・おにいちゃんたちは、音楽が終わると何も無かったようにぴたっと止まり、わーっと普通にお辞儀をして舞台の袖に消えていったのでした。


旦那によると、その後トイレに行ったら、一団はわははといいながらトイレの流しでざぶざぶ足を洗っていたそうな。いいなあ。聞いてみたいことがたくさんあったよ。