愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ボレロ


病み上がりでつらいけど、これは這ってでも行く!とサンフランシスコシンフォニーの公演へ。おフランス出身のマエストロ、ヤン・パスカル・トルトゥリエは指揮者だけどピアノも弾くしバイオリンのコンクールでも優勝したことがあって、ちょっと千秋みたい〜。フットワークも軽い指揮で、これは絶対社交ダンスが得意に違い無い。動きの基本は「布の染色(大きな布を水につけては引っ張りあげる動作)」と「手打ちラーメン(小麦粉の塊をぐいっと引っ張ってラーメンを打つ)」。ボレロでは首ふりジャンプも多様してちょっとロックしてました。エレガントでダイナミックでもキレイにまとまった指揮は良かったです。


以下は自分用覚え書き。


レイフ・ヴォーン・ウィリアムズトーマス・タリスの主題による幻想曲


弦楽オーケストラと、弦楽四重奏の不思議な組み合わせ。普段打楽器や金管の人が座っているエリアに、弦楽四重奏の人が立って演奏。弦楽オーケストラと呼応して演奏する音は、弦というよりパイプオルガンのようでもあり、天からの声のようでもあり。


モーツァルト:ピアノ協奏曲 第19番


ハバナ出身のアメリカ人ピアニストオラシオ・グティエレス。でっかいおっちゃんが大きな手でころころとモーツァルト。旦那が気に入っていた。お客さんはずいぶん長い間拍手をしていたけど、ちょっとめんどくさそうに出たり入ったりしてお辞儀。早く帰りたかったのかな?モツァルトの協奏曲っていつも前奏が長いなぁ。フルートのもそうだから、演奏するとき待ちくたびれてしまったり余計緊張しちゃったりする。練習したらこれ弾けるかな?


アンリ・デュティユー:時の影


これもおフランスの作曲家。1997年の最近の曲。小さいときから現代曲が苦手で「どんがらがっしゃーん!の曲」と呼んでいたのだけれど、この曲もそんな感じ。でも現代曲は色々飛び道具や裏技が出てくるのは面白い。でも黒鍵をふんだんに使った不安な和音を多様するパターンはどうにかならないものか。フルートは巻き舌がいっぱい。オーケストラを取り囲んで座る客席のてっぺんに、ボーイソプラノの子。オーケストラを見下ろしながら数フレーズ歌う。


言わずと知れたラヴェルボレロ


ボレロはドラマチックな曲だからいやがおうでも盛り上がる。でものだめにもあったけど、この曲はソロが多いから演奏者の力量も問われるのであった。昔我が家の父ちゃんが聴いたボレロではクラリネットが高音が出ずに「シ♭ードーレ♭ー、スカー、スカー、スカスカスカ」ってなってお気の毒だったという話が忘れられない・・・。今回はホルンとトロンボーンがばほっとやってしまいお気の毒でした。でも無難にまとまった感じ。自分もボレロが好きだから、ああ、こここうすればいいのに!なんて思っちゃった。うんちくたれずに素直に楽しめ、自分。


疲れていてもやっぱり楽器に触ったり音楽を聴くと免疫力が上がるのかなぁ?元気になる。